CBN Blog執筆陣が愛車について語り尽くす特別企画。第1回はdingle_speedさんによるSURLY STEAMROLLER(サーリー・スチームローラー)の紹介記事をお届けします。
SURLY STEAMROLLER
SURLYの STEAMROLLER こと通称スチローです。
さて今回の愛車紹介でいったいどれが一番の愛車だろう?と考えました。
自分でフレームを塗装し、使える規格と年代考証で手間暇かけてパーツを揃えた120mmエンド6sスプロケットのWレバークロモリロードバイクも気に入っていますし、遊び半分で組み立てた錆だらけのシングルスピードも思いがけず気に入って手放すことが考えられなくなっていますが、やはりずっと手元に置いてあれこれと弄り続けても乗る度に毎回新鮮な喜びを感じるSURLY STEAMROLLERを置いて他は考えられませんでした。
STEAMROLLERの魅力は方方で語り尽くされたかにも見えますが、こればかりは使って初めて分かるものだと実感しています。
クロムバナジウム鋼の頑丈な工具のようなタフさ、子供の頃に乗った自転車のような気負いの無さ、往年のピストバイクのようなクロモリパイプで組まれたシンプルな美しさ、ジオメトリーから得られる安定したハンドリングと砂利道でも負けない直進性、そしてどんなに弄ってもどんな所に行っても楽しめるという頼りになる友達みたいなバイクです。
それでは愛車紹介です。
そのSTEAMROLLERもフレームを購入して以来、林道仕様、ディングルスピード、クラッシックスタイルと気の赴くままに変態を続けてきましたが、「クイックシルバー」という80’メッセンジャーを題材にした映画に触発されて組み替えた現在の状態で一先ず落ち着いたかなと思っています。
フォークコラムがOSアヘッドなのでどうしても現代的になってしまうステム周りはCRUST BIKES製の無骨な配管のような鉄製にしてあります。
腰痛持ちのせいでピストスタイルらしくない高低差のないアップライトなポジションですが、BROOKSの革サドルとCRUST BIKES鉄ステムでアンチピストなクラッシック風味を出すことでカッコ悪さを封じてみました。
ブレーキもフロントはラテラルプル U-ブレーキをフォーク裏側に装着し、リアブレーキは小倉自転車製ピスト用ブレーキマウントを使いBB裏にダイレクトマウントブレーキを付けてみました。
フロントに使ったラテラルプル U-ブレーキは効きの悪さで評判ですが固定コグというFIXEDSTYLEなので全く気になりません。
横から。
斜め後ろから。
斜め前から。
傷だらけのフレームにCRUST BIKES製ステムとラテラルプルU-ブレーキ。
Sugino+Fairweatherコラボクランクの裏側に小倉自転車ピスト用ブレーキマウントIII型+シマノ105ダイレクトマウントブレーキ。
ペダルはフラットペダル+ストラップやW革ベルトのクリップペダルも使ってみましたが、慣れもあってシマノSPDの両面キャッチが一番使いやすいと感じてます。
写真のようにメーカーも分からないほどに傷だらけでステッカーも剥げてしまってますが、逆にそれが手放せない味になるのもSURLYの頑丈なフレームならばこそです。
分解するとすごくシンプルな事がひと目でわかります。
運ぶのも組み立てるのも億劫にならない簡単さや色々着せ替えして遊ぶ気楽さがシングルスピードの利点の一つだと思います。
アレンジの変遷
蛇足ですがアレンジ例として変遷の足跡などを。
仮組状態の時。仮組状態ですがノーブレーキだとこれだけシンプルな外観になるという例です。
分解して持ち運ぶときもケーブルが一切ないので便利なのですが流石に日本ではこのままでは走れませんね。
サドルがありませんがとてもシンプルな分解状態です。
近所の林道用に組んでみた時。
ホイールはAmbrossio excursionの手組みにとても安いSchwalbe CX Comp シクロクロスタイヤを付けてますが30cのこのタイヤでも十分収まります。
固定コグなので下りはズリズリと滑らせながらブレーキングの代わりですし、登りも固定らしい失速の無さを活かして極低速でジリジリと登っていけます。
林道なのでチェーンリングはダブルのディングルスピードにしてあります。
リアホイールを裏返してフリップフロップでリアコグを掛け変えれば変速も完了ですしブレーキシューの位置調整も不要です。
ハンドル周りをシンプルにした時。ダイアコンペのピスト用ブレーキレバーを使ってみました。
NITTO B105 ハンドルにはバーテープではなくcult×vans waffleのグリップを付けてます、競輪用の薄手な物よりドロップハンドルに使いやすいので他のバイクにもかなり使ってます。
マウンテンドロップにしてみた時。マウンテンドロップモンスタークロスと言う名のハンドルです。
22.2mm径の細さがハンドルの幅広さによる自己主張を打ち消した感じがして、案外クロモリフレームに似合っていると思うので色々なクロモリフレームに使ってます。
また実際この手のマウンテンドロップハンドルは林道などで使いやすいんですよね。
前後ブレーキはワインマンのセンタープルキャリパーブレーキでワインマン・ダイアコンペのWネームのブレーキレバーを付けてあります。
クラッシック感を出そうとしてみたのですがあまり似合わなかったですね。でもゆっくり走るには乗りやすいポジションでした。
このように色々変遷してきましたが現在は冒頭の80’メッセンジャースタイル(だと思っている)のようになっています。
スペックリスト
現状のスペックリストです。
- フレーム:SURLY STEAMROLLER
- ホイール:手組み(リム :Ambrossio excursion 、ハブ:FormulaTruckハブ)
- フロントブレーキ:Campagnolo ラテラルプル U-ブレーキ
- リアブレーキ:小倉自転車ピスト用ブレーキマウントIII型+シマノ105ダイレクトマウントブレーキ
- クランク:Sugino+Fairweatherコラボ PCD130
- チェーンリング:SE Bikesに付いていた鉄製の物
- ペダル:SHIMANO PD-M520
- ステム:CRUST BIKES
- ハンドルバー:NITTO b105
- ブレーキレバー:ダイアコンペMX122
- サドル:BROOKS B17
トラックエンドのフレームでランドナー的頑丈さの4130のクロモリパイプ、さらに38cタイヤまで装着可能なフォークとチェーンステーというピストの皮を被ったヘビーユーティリティバイクです。
ピカピカのフレームに高級パーツもいいですが、SURLYが認めるようにステッカーが剥げて無くなるまで使い倒してみるのもカッコイイですよ〜
参考 サーリー製フレームに装飾用ステッカーを貼る/剥がすには
参考 Steamroller | 自転車 | Surly Bikes