今日はチネリのグラベルバイク、”Nemo Gravel”を観察したいと思います。
COLUMBUS SPIRIT HSS(=High Speed Steel)チューブを使用したスチールのグラベルです。フォークはやはりコロンバスのFUTURA GRAVEL 1-1/8” – 1-1/4”。
数少ないヨーロピアン・スチール・グラベル
考えてみるとヨーロッパの老舗、超ビッグブランドでスチールのグラベルバイクを出しているところはあまり多くないんですね。
例えば、これらはどれもカーボンバイクです。
- Colnago G3X gravel
- Look 765 RS Gravel(紹介記事)
- Ridley Kanzo Adventure/Speed(紹介記事)
- Pinarello Grevil/Grevil+(紹介記事)
ヨーロッパではないですが、カナダのCervéloが出したAsperoもカーボンです。
スペインのOrbeaには”Terra”というグラベルバイクがありますが、エントリーモデルがアルミでそれ以外がカーボンです。
西欧ブランドが出しているスチールのグラベルは他にBianchi ORSO(今年から日本のみでの発売?)、Wilier Jaroonというモデルがあります。あとはこのCinelli Nemo Gravelという感じでしょうか。
Nemo Gravel、カッコ良いです。基本のカラーはこの「グリーン・スペシャル」になるようですが、アップチャージで30色から選べるようです。
ぱっと見、リアキャリア用のダボ穴はなさそうです。スチールではあってもバイクパッキングよりもレース志向のモデルでしょうか。
チネリのインスタではこんなふうに紹介されています。
Nemoはハイエンド・カーボンファイバー・レーシングフレームに乗り慣れていて「レース・フィーリング」を犠牲にしたくないライダー、しかしコロンバスのスチールフレームでしか味わえないような唯一無二の楽しいライドを求めている人のためにデザインされました。
なるほど、これは例えるならCervélo Asperoのようなグラインデューロでも走れるようなバイクをスチールで作ってみた、というコンセプトなのかもしれませんね。
細部と主な仕様
惚れ惚れするようなディテールです。グラベルバイクであっても優雅さを残している感じがいかにもチネリらしくて良いですね。あのウィングロゴがデザインに取り入れられています。
ケーブルは内装式。溶接も美しいですね。基本的にロードモデルのNemo Tigをグラベル向きにジオメトリを変更したモデルで(※カスタムオーダーもできるらしい)、ハンガー下がりはNemo Tigの70mmに対して68mm、ホイールベースは長め。タイヤクリアランスは700x40c。マッドガードは装着可能。
フレーム重量は1900g。フォークは450g。BBは安心のネジ切り式BSA。ネジ山をさらう手間はありますが、個人的にはスチールなら圧入式よりBSAのほうが好みです。
スチールのグラベルバイクというとFUJIやJAMISを真っ先に思い浮かべます。あのヘヴィ・デューティー感溢れる旅志向のバイクも最高なのですが、ちょっとセクシーな感じも持っているスチール・グラベルはこのNemo Gravelくらいではないでしょうか。その意味で珍しいバイクだと思います。
日本だとケルビムがこういうセクシーなフレームを用意してくれそうですよね。
価格と納期
販売パターンは3種類。フレームセット以外にRival 1xとUltegra R8000の完成車があって、ホイールはどちらもFulcrum 600 DB。
調べてみたところ国内代理店のサイトにはまだ掲載されていないので、国内で流通予定があるのかどうか不明ですが、ベラチスポーツの場合お値段は以下のようになっています。
- フレームセット ¥232,183
- SRAM Rival 1x 完成車 ¥371,134
- Shimano Ultegra R8000 完成車 ¥412,371
shop Cinelli Nemo Gravel 2020 – Bellati Sport
このフレームセットで23万円は結構お買い得だと思います。
ただし納期はわりとかかって、注文後12週間。カラーとサイズはカスタムオーダーが可能でその場合は24,000円程度のアップチャージが発生します。送料は¥14,567です。
いずれも受取時に消費税(商品価格の60%に対して10%)がかかるので、購入検討中の方はそれも計算に入れてください。
過去に私がベラチスポーツから完成車を購入した際の情報を記事にしてあります。ご参考にどうぞ。