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サイクリング

栃木県・日光市道1002号線!自転車だけが自走可能な、大自然と静寂に包まれる一本道。

今、万感の思いを込めて自転車が行く… 脚は終わり、また新しい坂が始まる。
さらばnadokazu…さらば日光市道1002…。

というわけで、本稿スクロールのかなたには無限の駄文の輝く海が並んでいるだけだ……。

栃木県・日光市道1002号線!自転車だけが自走可能な、大自然と静寂に包まれる一本道。

日光市道1002号線とは?

中禅寺湖の西岸に「千手ヶ浜」と呼ばれる、知られているようで知られていないスポットがあります。

千手ヶ浜

日光市観光協会さんのサイトによると、

日光開山の祖である勝道上人が、かつてそこで千手観音を見て建てたといわれる千手観音堂があった場所でもあります。

…だそうです。

参考 日光市観光協会「日光観光ナビ:千手ヶ浜」

そんな千手ヶ浜と国道120号線を結ぶのが、本稿でご紹介する「日光市道1002号線」。赤沼と竜頭の滝のちょうど中間あたりに入口ゲートがあり、千手ヶ浜まではおよそ8.5kmのコースになります。

自然保護の観点から、一般車両の通行は禁止。そのため通行手段は「歩く」「低公害バスに乗車する」「自転車で走る」の3つに限定されます。そのうち、自分で運転できる乗り物は「自転車」だけです(管理用車両はさすがに例外)。

日光市道1002号線

奥日光の自然の中を貫く、幹線道路からも外れた一本道。なので、走っていると周囲は静寂に包まれます。耳に入るのは、風が木々を揺らす音と自転車の走行音だけ。正義の叫びもダブルマシンのとどろく爆音も、聞こえてはきません。

日光市道1002号線

そして、特筆すべきは「路面状態の良さ」。通る車両が限定されていることが、大きな理由なのでしょうか。ひび割れや段差が、圧倒的に少ない感じです。ここまで走ってきた国道120号線のほうが、よほど舗装の状態がよろしくない!と、断言できてしまいます。

つまり、雰囲気最高! 安心感最高! そのうえ路面も最っ高!

紅葉に染まった木々の間を、一般車両を気にせずに、ひとり駆け抜けていく(推定速度8km/h)。その気持ち良さといったら!これを最高と言わずして何と言えばいいのか、もう完全に語彙力が失われます。

自家用車でトランポする?それとも輪行する?

この道を自転車で走る方法は、大きく2つ。ひとつは、自家用車で自転車をトランポして、近くの駐車場にクルマを停めて出発する方法。もうひとつは、輪行して出発する方法です。

ふつうに考えると、「輪行一択!」であるように思えます。

だがしかし!

奥日光は標高1,000mを超える、宇宙よりも遠い場所。辿り着くには、自転車に乗っていて最もツラい思いをする「登坂」を避けることができません。

しかも斜度厳しそうだし、距離もゴリっと長いんですよね…。積極的に輪行したいとは、まったく思えない!というのが、全サイクリスト(n=1)の総意です。

一方、中禅寺湖付近は全国的に有名な観光地だけあって、無料/有料の駐車場が点在しています。わざわざツラい思いをする必要なんて、ありはしません。自家用車トランポ案で決定!

中禅寺湖 駐車場

…と、言い切ってしまいたいところなんですが!

台数の限られた駐車場を、混雑した時期に長時間占有する。たとえ有料駐車場だったとしても、それって決して褒められる行為とは言えません。自家用車プランにするなら「中禅寺湖畔のホテルを予約して、ホテルの駐車場から出発する」ぐらいしたいところです。

ザ・リッツ・カールトン 日光

それじゃあ、ということで中禅寺湖畔のザ・リッツカールトンに部屋を確保して、1泊2日の日光サイクリングを楽しむことにしました。…妄想の世界の中で。

リアルの世界に、そんなお金も時間的余裕もありはしません。登坂があっても、輪行するほかない。夢じゃありません!現実です…! これが現実…!

イヤだ…坂はイヤだ…行く前から果てしなく絶望。

東武日光駅とJR日光駅、どっちを使う?

日光には東武日光線の「東武日光駅」そしてJR日光線の「日光駅」の2つがあります。どちらの駅もほぼ同じ場所にあって、目的地までの走行距離に有意差はありません。

浅草駅(東武)始発の特急「リバティけごん」に乗車すれば、東武日光駅には「乗り換えなし!」で到着できてしまいます。

また、新宿駅から東武日光駅までは、JR・東武直通特急の「日光」がまさに直通。ただし運転日が限られているのと、1日に1本だけなので予定のしばりが多くなる点は要注意です。

東武日光駅

その一方でJRのほうは、首都圏を走る路線から日光線に直通する列車がありません(ですよね?詳しい方、ご指摘プリーズ!!)。宇都宮駅での乗り換えが、100%必須になります。…ダメじゃん!!!

なんですがJRには、日本が誇る光の速さの高速鉄道「新幹線」が使えるという、絶大なメリットがあります。東京駅から乗り換え時間を含めて、わずか1時間44分で日光駅に到着できる。このおそるべきスピードを享受できるのは、JRならでは。

「リバティけごん」は、浅草駅(東武)から東武日光駅まで1時間56分。東京駅からだと、乗り換えを含めて2時間オーバーが確実。そうなると首都圏から日光を目指す場合、浅草駅/東武スカイツリーライン沿線までアプローチしやすいところにお住まいの方は東武。東京駅/東北線沿線が近ければJR、という選び方になるでしょう。横浜住みの自分は、迷うことなくJRです。

実際に行ってみたら、どうだった?

宇都宮駅と日光駅は、輪行移動負荷が低い!

6時40分に東京駅を発車する、やまびこ203号に乗車。7時33分に宇都宮駅に到着して、日光線に乗り換えます。新幹線ホームから日光線のホームまでは、かなり直線的なルートで移動できて、上階から地上階に降りていくだけ。上方向への移動がないので、輪行負荷は低めです。乗り換え時間は7分程度ですが、余裕をもって乗り換えられました。

宇都宮駅を7時40分に発車した日光線の電車は、8時24分に日光駅に到着します。日光駅では下車したホームから出口改札にそのままアプローチできるので、こちらも輪行負荷は最小限。素晴らしい!

ちなみに「リバティけごん1号」は6時30分に浅草駅(東武)を出発して、東武日光駅に8時22分の到着。東武/JRとも日光到着は、ほぼ同じタイミングです。

ここからが、ほんとうの地獄だ…。

輪行を解除して、おりたたぶ出動!
さあ、ここから地獄のはじまりです。

JR日光駅

なにしろ、日光駅から、目的地の日光市道1002号線まで、道程のほぼすべてが「登り」。そしてルートの途中には高い高い壁、もとい「いろは坂」が立ちはだかります。

日光駅をスタートしたら、すぐに登り坂もスタート。「ウオーミングアップなんかさせねーよ!貧脚は輪行袋(ルビで「ルーザーズバッグ」)に自転車を詰めて、とっとと帰れ!」どこからか、そんな声が聞こえてきそうです。

坂の圧力になんとか抗い、グダグダと中禅寺湖方面に向けて進みます。そこそこの距離を走り、何度もキツい斜度の坂を超えて、脚に疲労を感じ始めました。それなのに、いろは坂の入口にすら、まだ着いていないという現実…!序盤もいいところなのに、もう涙目です。景色は良いんですけどね。

日光市道1002号線

渋滞してるし、ここで帰っちゃおうかな…?とか思い始めた頃、ようやく第二いろは坂の入口に到着。周辺では、紅葉がピークを迎える頃合い。思わず、斜度のキツさを忘れ…られるはずなどありません。坂はツラい…ツラすぎる…!

日光市道1002号線

斜度がグイッとキツくなり、ガツンとペダルが重くなります。あわててインナーローにギアチェンジ。吠えろ!32T!! クロスバイクの方やMTBの方にもブチ抜かれ、路肩の障害物と化しつつヨタヨタと走行。そのあとは…あまりにキツ過ぎて、記憶が飛んでます。

日光市道1002号線

明智第2トンネルを抜けると、その瞬間に気温がガッツリ低下。峠で汗だくになったウェアが冷やされて、震え上がるような寒さです。紅葉と、渋滞するクルマのテールランプと、吐血がいろは坂を真っ赤に染める頃、ようやく中禅寺湖に到着しました。よかった…生きてる…。

日光市道1002号線

そして中禅寺湖畔に着いたら、長く苦しい坂もようやく終わり…ではありませんでした。まだまだ登りが続きます。道が中禅寺湖畔を離れ、竜頭の滝方面に向かい始めると、斜度が再びアップ。疲労困憊した脚に、さらなる容赦ない負荷が襲いかかります。

日光市道1002号線

もう、これ以上坂が続くようなら引き返しちゃおうかな…とか思った頃に、ようやく市道1002号線の入口ゲートに到着しました。

日光市道1002号線

ゲートの向こうは異世界。

ゲートは閉じていますが、脇が通れるようになっているので、そちらから進入します。

走り出すと、すぐ周囲は静寂につつまれます。大自然の中にひとりきり。それでいて、路面状態は非常に素晴らしい。ナニこの道路、最高かよ!

日光市道1002号線

鬱蒼とした森の中を走っていると、右手が開けて明るくなりました。地図を見てみると、そこは小田代原。戦場ヶ原の約4分の1ほどの面積を持つ、広々とした草原です。1本だけ立っているシラカンバの木は、「小田代原の貴婦人」と呼ばれているのだとか。

小田代原の貴婦人

参考 日光市観光協会 日光旅ナビ 小田代原

市道1002号線の最高地点である「弓張峠」を越えると、長い下りに入ります。これは…嬉しくない!耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで蓄えた位置エネルギー。それを、むざむざドブに捨てさせられてしまっています。いま下っている分は、帰りにキッチリ登らないといけないのです。いつもは気持ちの良い下り坂を、初めて恨めしく思いました。

弓張峠から数km下って、ゴールの千手ヶ浜に到着。いい景色ですが、湖から吹き付けてくる風が冷たすぎ!写真を何枚か撮影したら、冷凍餃子と化してしまう前に退散します。

千手ヶ浜

さっき下ってきた坂を、今度は登らされます。これ、メンタル的にもキツイ…。幸いなことに斜度は控え目だったので、売り切れ寸前の脚でもギリギリなんとかなりました。そしてゲートまで戻ったら、あとは下るだけ!

第一いろは坂で、下り坂と紅葉を堪能する。

往路とは次元の違うスピードで、瞬く間に華厳の滝付近まで戻りました。あとは第一いろは坂を、紅葉に染まる山々の写真を撮りつつ下ります。各コーナーの手前では、空を飛ばないように下ハンで必要以上の減速を心がけました。実体験からの注意喚起には、心から感謝申し上げたいです。

参考 「ろんぐらいだぁす!」公式サイト 亜美のサイクリングBlog Vol.6 日光いろは坂

剣ヶ峰展望所

ヘアピンカーブの連続がひと段落したところには、「方等滝」「般若滝」の2つを同時に見ることができる「剣ヶ峰展望所」があります。ここが、個人的にはベスト絶景スポットでした。

日光/中禅寺エリアをいろいろ回りましたが、紅葉が最もいい感じに鑑賞できるのって、第一いろは坂を下っている途中なのかもしれません。

剣ヶ峰展望所

第一いろは坂が終了して交互通行に戻った後も、下りが続きます。ですが、なかなか日光駅には着きません。行きにどれだけキツイ思いをさせられたのか、坂を下りながら思い知らされました。

日光の紅葉

そして日光駅周辺は、朝方とは比べものにならないほどの人出です。どこかのお店に入って一休みというのは、できそうにありません。

ライドの後は、お風呂と餃子で豪遊を!

さてさて日光駅から輪行しちゃおうかとも思ったのですが、この人出だと日光線の混雑が不安です。なので、宇都宮駅まで自走することにしました。

日光から宇都宮までは、日光街道でおよそ30km。私の記憶が確かならば、途中に登りは一度もなしでした。下り基調を名乗るなら、この日光街道ぐらいの下りっぷりを提供してもらいたいものです。

宇都宮市街に入ったら、Googleマップで調べた銭湯に向かいます。フレームバッグの中に着替え一式を詰めてきたのは、ひとえにこの「ライド後の銭湯」を楽しむためです。シャンプーとボディソープ完備、そのうえ貸しタオル無料で440円というコスパの良すぎるお風呂に入ってサッパリ爽快。

さあ、次はごはんです!宇都宮なので、行き先はもちろん餃子専門店!頼み放題頼んで、豪遊するとしましょう。消費したカロリーを、倍返しだ!

行くアテはまったくなかったので、Twitterで名前を聞いたことがある、餃子専門店「正嗣」を目指すことにしました。

超絶優秀なGoogleマップさんの案内で、一切迷わず到着。だがしかし…。

1件目:店内にはテーブル席も見えたのですが、テイクアウトしかやってない店でした。
2件目:営業時間内に着いたはずですが、クローズしてました。

10km近く余計に走ったのに、目当ての餃子にありつけず絶望。しかもダラダラ走っていたので、タイムリミットも間近。もう、駅に戻るほかありません。豪遊は諦めて、駅の近くで適当に済ませて帰るプランに変更です。まぁ餃子だし、宇都宮だし、どんな店でもハズレはないでしょう。「行列が少ない」という点だけを基準に店を選んで、焼き餃子と水餃子のセットを注文。

いただきまーす!!

宇都宮 焼き餃子と水餃子のセット

…ハズレでした。

思いっっっっっきりハズレでした。

自転車で走り回って、体内エネルギーは空っぽ。食べ物に対する敷居は、ガッツリ低下しています。それに、そもそも餃子なんて、どう作っても一定以上は美味しくなってしまう料理でしょう? ハズレを引くなんて、相当なことです。

味の素の冷凍餃子が、どれだけレベルが高いのかを冗談抜きに思い知らされました。

最後の最後に待っていた、トラウマ級の敗北。もう、乾いた笑いしか出てきません。餃子って、こんな悲しい思いをする食べ物だったっけ!?

茫然自失状態で完食して、黙って会計。ガックリ肩を落としながら、東海道線直通の平塚行き普通列車に乗車します。車内で飲んだコーラは、涙の味でしたよ…。

まとめ

日光市道1002号線は、素晴らしい快走路。一般車両が入ってこないうえに、路面状態もGOOD。控え目に言って最高です!日光に出かける機会があれば中禅寺湖畔のレストランで一生忘れない味のカレーを食べても引き返さず、ここまで足を伸ばすことを徹底的にハードにオススメします!

日光市道1002号線

ただし!中禅寺湖畔から1002号線のゲートまでは、延々と登坂が続きます。しかもいろは坂を登り切って、脚のライフは枯渇寸前の状態。油断すると、想定を遥かに上回る長さと斜度に泣きを見ることになるので要注意です(経験者談)。

また紅葉シーズンの日光は混雑必至なので、行くなら輪行一択でしょう。出発地次第ではありますが、所用時間的には多くのケースで新幹線+JR日光線が速そうです。

それと復路については日光駅からの輪行ではなく、宇都宮駅まで戻っちゃった方が乗り換えの手間を減らせます。しかも日光街道は途中に登りのない、「真の下り基調」の道。30km走っても、脚への負荷は極小レベルです。

そして最後に!宇都宮で餃子を食べるなら「駅前なのに行列がない店」は避けましょう。絶対に避けましょう!!

イイ道を走って、絶景を堪能して、お風呂でサッパリして、最後の最後でこの敗北。絶望的に美味しくない餃子に、その日の楽しい思い出が、すべて破壊されました。これが…涙…? 泣いてるのはわたし…?

ゆらめく湯気の中に影を残して…
食べてしまった餃子を忘れない

あの餃子の味の絶望が
まだ自分の中で残り続けている…

歯を食いしばれよと
尾をひいて どこまでも
サドルの上をついて来る…

旅はまだ つづくのだ

日光市道1002/完

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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