今日はTIMEのロードバイクフレーム2022年モデルを観察してみたいと思います。ラインナップはALPE D’HUEZ(アルプデュエズ) 01と21、SCYLON(サイロン)の3モデル。
ALPE D’HUEZ 01 / ALPE D’HUEZ 21
ALPE D’HUEZ 01と21はその名の通りヒルクライムを強く意識したモデル。01はフラッグシップでフレーム重量は890g。21はフレーム素材を若干変更することでお手頃価格を実現しているモデルです。いずれもディスク・リムブレーキ両方が用意されていて、フォークはチューンド・マスダンパー内蔵のAKTIVまたはクラシックから選べます(リムブレーキ版はクラシックのみ)。
上が01で下が21です。カラーは画像のグロスカーボン・マットグレイの他にホワイト系・ブルー系・パープル系も用意されています(モデルによって選べるカラーは違います)。フラッグシップでメカニカルにも対応していてリムブレーキ版も残されているのは嬉しいですね。
TIME公式サイトによると「Alpe d’Huez 01がツーシーター・スポーツカーなら、Alpe d’Huez 21はV10エンジンのパフォーマンス・セダンだ」とのこと。
SCYLON
最近は山岳と平地に必要な性能を1モデルに集約させるブランドが増えつつありますが、TIMEはエアロ性能を追求したオールラウンダーバイク・サイロンを残しています。2009年のツール・ド・フランスでRXR ULTEAMを駆りステージ5位に入賞した新城幸也選手の姿が懐かしく思い出されますね。
こちらはワンカラーのみ。フォークはAKTIVかクラシックを選べてシートポストもアップチャージでトランスリンク仕様を選べます。
乗り心地の良さが成功に繋がる
これらの2022年モデルを眺めていてすぐに気付くのが、ケーブルが現在主流のフルインターナルではないこと。この点は「なぜ未だに?」という意見を目にしますが、恐らく現在のTIMEはケーブル内装の新しいフレームデザインに着手する余裕がないのだと思います。
とはいえ一般ユーザーからすると外出しケーブルは組み上げもメンテナンスも楽なのでこれを歓迎する人もいることでしょう。
TIME公式サイトには”THE BOTTOM LINE IS THE FEEL OF THE RIDE.”(とにかく乗り心地がいちばん大事なんだ)や”how the bike feels on the road is the real measure for success.”(路上での乗り心地の良さが成功を本当に左右する)といったキャッチコピーが見られます。
「最新の仕様ではない」のは確かですが、一方でAKTIVフォーク、リムブレーキを残していること、外装式ケーブルといった点からはTIMEの基本コンセプトは一言で言うと「ストレスフリー」ということで一貫しているのだろうか、と思いました。2023年モデルからはフルインターナルになるかもしれませんが、TIMEはこのクラシックなスペックでいいんじゃないかという気もします。
個人的にはヒルクライム輪行にはリムブレーキの軽量ロードバイクが一番扱いやすいので、余裕があればALPE D’HUEZ 21のリムブレーキフレームで山専用の1台を組みたいところです。サッとコンパクトにまとめてオーストリッチのSL-100で軽々と運んで山へ。下りはディスクブレーキのほうが断然楽なのですが、輪行だとやはりかさばります。
▼ そして目指すは「日本のラルプ・デュエズ」こと長野県の車坂峠!(コロナのせいで2年行けていません。この記事を書いた頃は「移動の自由」が当たり前にある、ありがたい世の中でした…)
現在はどの大ブランドも完成車・フレームの納期が1〜2年以上になっていますが、スロヴァキア製造のTIMEはベラチスポーツなどを見ると2ヶ月待ち程度で済むモデルが多いのも嬉しいですね。TIMEは納期面でもストレスフリー!(笑)ついでにペダルを考えてみても膝や足首をストレスから解放するのがTIMEのコンセプトでした(現在ペダル部門はSRAM傘下になりましたけれど)。