日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

日本のラルプ・デュエズ、の異名を持つ車坂峠(長野県小諸市・群馬県嬬恋市)を目指してチェリーパークラインを走りました。最初に登ったのは10年前。大体年に1度はやってくるお気に入りのコース。4月某日に遊びに行った時の様子を豊富な写真付きでレポートします。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

車坂峠の基本データ ラルプ・デュエズとの比較

まず「日本のラルプ・デュエズ」と呼ばれているくらいなのでデータを比較してみます。数字には諸説ありますが大体こんなところでしょう。こうやって見るとコースプロファイルは似ている感じはします。

車坂峠 ラルプ・デュエズ
距離 11〜12km 13.8km
平均斜度 8% 8%
標高 1973m 1860m
標高差 950〜1003m 1130m
カーブ数 35 21

走行距離ですが、しなの鉄道・小諸駅前からスタートすると16km。標高差は1300mになります。ラルプ・デュエズの場合はLe Bourg d’Oisans(ル・ブール・ドワザン)を起点とした場合の距離です。

毎年開催されている「車坂峠ヒルクライム」(2019年は5/19に開催)ではチェリーパークライン入口〜自然観察センター前までの距離11km・標高差950mがレースコースになります。

しなの鉄道・小諸駅から出発

今回は東京から新幹線で輪行。軽井沢でしなの鉄道に乗り換え、のどかな風景を眺めながら小諸駅へ。そこで自転車を組み立て出発です。ちなみに写真右の「小諸ロイヤルホテル」はかなり古い建物ですが、むかし泊まった時はフロントの方が自転車に理解があって好感を持ちました。

しなの鉄道・小諸駅前

地理的にはこんな感じ。赤線の下のほうから登りはじめます。軽井沢方面には鬼押しハイウェーがあり、車坂峠の左隣には地蔵峠があります。いずれも峠を下ると群馬県嬬恋村に至る、という感じです。

日本のラルプデュエズ・車坂峠(チェリーパークライン)を楽しむ

では登りはじめます。小諸駅前からいきなり8%くらいの坂になり、手元のサイコンでは12%の表示もたまに出ます。郵便局のあたりまでまっすぐ登り、その後ちょっと右折。そして左折。するとやがてチェリーパークラインに入ります。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

チェリーパークラインへ

「浅間サンライン」とぶつかるところ。軽井沢方面からやって来る場合、この場所を起点に登りはじめる方も多いのではないかと思います。待ち合わせにも便利。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

このあたりからちょっとづつ山の中という感じ。うわ、久しぶりだー。去年は忙しくて来られなかったのでした。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

なんか道がすごくきれいになっている。このあたりは感動しました。この新舗装区間は短いですが、チェリーパークラインは全体的に道の状態が非常に良いです。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

車坂峠といえばこれがお楽しみ。歌碑・句碑群です。全部で何個あるのか正確に数えたことはありませんが、走りながら読むと飽きません。毎年理解が深まります。車坂峠はモーターサイクリストにも人気が高いようですが、これらの歌碑・句碑をじっくり楽しめるのはサイクリストの特権と言えるでしょう。

なまぬくき匂満たせし山さくら…尾上紫舟

なまぬくき匂満たせし山さくら
咲き極まれば雨呼ぶらしも

尾上紫舟

ヘアピンカーブ。ところでここに至るまでに2回、野生動物を見かけました。1回目はキツネっぽいもの。2回目は顔がミーアキャットで身体がキツネのような感じで全身の毛が金色っぽい謎の動物。すぐ逃げられたので写真は撮れませんでした。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

途中、かなり多くの木々が伐採されている箇所がありました。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

開けていて気持ちがいいので中を少し散策します。SIDI SD15というオフロード散歩に便利なSPDシューズをはいているのでどんどん歩けます。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

黒斑(くろふ)のバス停。こんな場所なのに上り・下り毎日2便もあるようでした。東京の新宿駅・練馬駅からここに直接来ることもできるようです。登山メインの場合はブロンプトンでバス輪行、というのもありかもしれません。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

4月上旬の山頂は雪でいっぱい

湯の丸高峰自然休養林。気がつくと雪がいっぱいです。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

歌碑・句碑は目立つところにあるもの、目立たないところにあるもの、わかりやすい読みを付記した看板があるもの・ないものいろいろありますが、これはかなり絵になる感じの石碑です。

小諸とは雨の涼しき坂の町…富安風生

小諸とは雨の涼しき坂の町

富安風生

来た道を少し見下ろします。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

チェリーパークラインの最後のカーブ、No.35。それにしても4月の車坂峠はまだこんなに雪があったっけ…

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

車坂峠(標高1973m)に到着

ゴール前、最後の直線。奥の高峰高原ホテルが心の中ではゴール地点。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

頂上に付きました。お約束の1枚。標高1973m。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

LEZYNE SUPER GPSによると1964m。誤差9m。まぁいいんじゃないでしょうか。

LEZYNE SUPER GPS

さて、お腹ペコペコです。ランチを食べるべく高峰高原ビジターセンターへと向かいます。が、嫌な予感。膝上まで埋まりそうな雪でエントランスへの道が埋まっています。

高峰高原ビジターセンター

まさかの休業中!! えー、いつも楽しみにしている素揚げ野菜のカレー食べれないのか…

湯ノ丸高峰林道、雪に埋まる

しかし気を取り直して隣の地蔵峠を目指すことにします。今回のライドの大きい目的のひとつは新調したグラベルロード用のホイール・タイヤ(Fulcrum Racing 3 DB, Schwalbe G-One Allround 35c)を楽しむこと。これまでロードバイクでは断念していた車坂峠〜地蔵峠のダートを堪能する計画だったのです。

私がイメージしていたのはこんな道でした。

湯ノ丸高峰林道

だがしかし!! 雪で通れないじゃ〜んw こりゃスパイクタイヤじゃないと無理だよ…

湯ノ丸高峰林道

左上にある地蔵峠までの道を走るのが楽しみだったのに… 早く来すぎてしまったか。

車坂峠〜地蔵峠

まだこんなつららがあるくらいなので無理もありません。でもつららの写真を撮れるとは思わなかった… あとちょっとだけ雪道ライドも楽しみました。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

高峰高原ホテルでランチ

そこで地蔵峠をあきらめ、午後は他の秘密林道に遊びに行くことにしました。その前に腹ごしらえ。高峰高原ホテルの2Fレストランで食べることに。

高峰高原ホテル

ビジターセンターのカレーと湯ノ丸高峰林道の両方におあずけをくらった失意のせいか、いちばん高いステーキランチを注文。といってもスープ・サラダ・ライス・コーヒーが付いて3,000円。山頂でこんなきちんとした料理が出るのは偉い。糖質制限もこういう日は解除。じゃがいもも白飯も食べます。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

このレストラン、設備はそれなりに古くなってはいますがとにかく絶景です。少し霞んでいたので富士山は見えませんでしたが(見える時もある)、晴天だったので眺めを堪能できました。

高峰高原ホテルからの眺め

写真を楽しみつつ下る

下りも風景を眺めながらゆっくり走ります。ゆっくりと言ってもチェリーパークラインは放っておくと50〜60km/hは平気で出てしまうのですが、今回は油圧ディスクブレーキのバイクなので非常にラクです。気になったところでいつでも停まって写真を撮ることができます。

日本のラルプ・デュエズ 車坂峠を楽しむ

今回いちばん心に残った石碑はこれでした。俳句というより散文詩のようですが、まさに今回の私の気持ちと一致するような内容で心に染み入りました。

毎年季節を心待ちにして…森 禮子

毎年季節を心待ちにして
小諸の春に逢いに来る
芽吹きの落葉松林のあいだに
ひっそりと咲く桜に
天上からの音信を聞く

森 禮子

この歌の作者・森 禮子(もりれいこ)氏は福岡県の出身ですが、小諸に別荘を構えていたそうです。今回のライドでは「ひっそりと咲く桜」を目にすることはできませんでしたが、「天上からの音信」は確かに聞こえてくるかのようでした。

車坂峠・チェリーパークラインの魅力

しなの鉄道・小諸駅前から車坂峠までは約16kmの行程。平均斜度は8%。

8%、というと百戦錬磨のヒルクライマーにはなんということのない数字かもしれませんが、延々と続く8%は貧脚を自称する私にはなかなか手厳しいコース。たまに5〜6%のボーナスステージもありますが、たまに12〜14%のセクションも登場します。

はじめてこの坂を登りはじめた10年前は、いかに足を着かずに走り切るか、前回よりもどれくらい短い時間で登れるかに気持ちが向いていた頃もあります。しかし辛い思いをして気がつくと下ばかり向いていることも。

4〜5回目からは、この道はもっと風景を味わって走らないともったいないと思うようになりました。絶景度で言うともっと見ごたえある道は他にもたくさんあると思いますが、苦あり楽ありの連続の中で深まっていくこの山の静寂を味わえるのは自転車ならでは、です。

まだ走ったことない方はいつか行ってみてください。このコースのレビューはCBNにもいくつかあります。

cbn 車坂峠(チェリーパークライン)

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