東京在住または池袋駅まで大体1時間圏内に住んでいるサイクリストの方向けに、西武鉄道の「特急ラビュー(Laview)」をご紹介します。秩父や奥武蔵の低山・林道のサイクリングに1年を通じて便利なので、ライドフィールドを広げたい方には1度は試していただきたい快適で便利な電車です。
筆者はサイクリングと登山の両方でこのラビューに乗りまくっているのですが、大好きな特急です。窓が広く、早くて料金も安い!
特急ラビューとは
特急ラビューは2019年3月にデビューした独特なデザインの新型車両で、西武池袋から西武秩父駅までを結びます。停車駅は池袋・所沢・入間市(いるまし)・飯能(はんのう)・横瀬(よこぜ)・西武秩父の6駅で、池袋〜飯能を結ぶ「むさし号」と池袋〜西武秩父間を結ぶ「ちちぶ号」があります(西武球場前を発着とする「ドーム号」という不定期便もあります)。
▼ 特急ラビューの停車駅(基本パターン)
池袋〜飯能間は40分弱。池袋〜西武秩父間は80〜90分です。西武秩父駅からは徒歩5分で「秩父鉄道・御花畑駅」にも連絡できます(秩父鉄道は電車内に自転車を持ち込める「ちちてつサイクルトレイン」を実施しているので、それも絡めるとさらに活動範囲が広がります)。
朝の池袋駅からの下り線は、登山客をはじめとする観光客と、所沢や飯能といった大きめの街に通勤されている方が大半という印象で、ほとんど混雑していません。始発は5時台からあり、西武秩父には7時台に着きます!朝と夕方はおおむね30分に1本、昼間は1時間に1本程度運行。新幹線に匹敵する便利さです。
東京西部の方や埼玉県の方は勿論、横浜〜池袋も電車で40分程度なので、神奈川県の一部の方にとっても輪行に現実的な路線です。千葉県の方なら、松戸あたりなら近いですね。頑張れば船橋あたりからも来られると思います。
この特急ラビュー、座席が広々としているだけでなく、窓がとにかく大きい! 池袋〜飯能あたりまでは都市部なので絶景という感じでは全くないのですが、飯能から先は天気が良ければ少しづつ景色が開け、秩父の山々を遠くに眺めたりできます。開放感が素晴らしいですよ。
早い。景色が良い。そして特急料金を含めた運賃の安さも魅力です。西武秩父までの特急券は710円・乗車券が790円。終点まで往復しても3000円で済みます。
特急券の買い方
特急ラビューに乗るには、特急券(指定席券)が必要です。特急券は、
- 駅の窓口で
- Webサイトで予約後に自動券売機で
- 自動券売機で
- 車内で
のいずれかの方法で買えますが、車内で買うとプラス200円を支払う必要があるので注意しましょう。このうち「座席の指定」ができるのは、Webサイト(ネット予約)か窓口。自動券売機でネット予約なしに選べるのは、車両のみです。
私は出発10分ほど前に窓口で座席指定して購入します。窓口が混雑していない時は、駅員さんが親切に便利情報を教えてくれるからです(後述)。ただ、これまでの利用経験からするとぶっちゃけ座席の指定はしなくてもOKという感じです。
何号車のどの席がおすすめ?
何号車のどの席がおすすめかというと、西武池袋駅では、4〜5号車が改札からの歩行距離が少ないのでおすすめ。しかし到着駅でも4〜5号車が改札に近いとは限らないので、あまりこだわらなくとも良いと思います。
このあたりは窓口で特急券を買う時に駅員さんが教えてくれる時があります。例えば横瀬(よこぜ)駅の場合、改札に最も近いのは先頭車両(8号車側)です(逆方向の場合は最後尾)。
席は片側2列。見晴らしの良い窓側を選びましょう。そして車両内の位置ですが、自転車を持っていく場合は車両の最後尾の席か、先頭席が便利。詳しくは次のセクションで。
自転車はどこに置く?
特急ラビューの席と前の席のあいだはかなり広々としています。ブロンプトン以下のサイズのミニベロなら、横も縦も1人分の座席前にギリギリ置けるほどのスペースがあります(ロードバイクについては後述します)。しかしそれより大きいと、隣の座席にはみ出ます。ピーク時には隣に人が乗ることもあるので、早朝以外ここは避けたほうが良いでしょう。
車両先頭の席も、普通の席と席とのあいだのスペースとあまり変わらない感じです(どちらも広々としている)。持ち込むのが小径車で、隣に人が乗らなそうな時間帯ならここを選ぶのもありでしょう。ですが、無理にここに置く必要はありません。もっといい場所があります。
それは次の2ヶ所。ロードバイクについてもこの2つが現実的な置き場になるでしょう。まずは車両最後尾の席裏。小径車は勿論、縦置き・縦置きどちらの輪行袋でもうまくやれば入ります(29er MTBだと厳しいかもしれませんが、グラベルならギリギリ大丈夫)。ここは収納空間的には北陸・東北新幹線とあまり変わらない感じです(若干広いと思います)。
もっと簡単なのはデッキです。特急ラビューは全席指定で、自由席はありません。新幹線と違って、デッキに乗客が群れることが基本的にないのです。かなり広々としたスペースがあるので(北陸・東北新幹線に比べるとはるかに広い)、ここに置かせてもらいましょう(迷った場合は車掌さんに相談しましょう)。西武鉄道の駅員さん・車掌さんは最高に親切に対応してくれます。
参考までに、特急ラビューには自販機や車内販売はありません。トイレ・電源・WiFiはあります。西武池袋は東口の道路から改札までの距離もわりと近いので、重めの自転車でも輪行に優しいと思います。到着先の駅でも、飯能から先ならホーム以外の歩行はほとんどありません。
低山と林道を楽しめる奥武蔵へ
この特急ラビューでサイクリングを楽しめる様々なコースについては、別の記事で紹介していく予定ですが、西武秩父までの区間なら標高1000m未満の低山や魅力的な林道がたくさんあります(ただし令和元年の台風被害による通行止め区間が結構あるので、事前に調べておいたほうが良いでしょう)。
飯能から西武秩父までの間、特急ラビューは基本的に停まらないので各駅停車に乗り換える必要がありますが、例えば正丸駅から刈場坂峠・白石峠・定峰峠へのヒルクライムコースは大変有名です。
しかし特急ラビューが停車する飯能・横瀬・西武秩父駅を起点に、様々な「林道ゆるポタコース」を探索することもできます。このエリアを走ったことない方は、是非一度お試し下さい。特急ラビュー、快適です!
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