ドーモ、ミナサン。駄文ニンジャ、ナドカズです。神聖な行為であるオジギとアイサツ(古事記にもそう書かれている)の終了から0.02秒、まずは結論から申し上げます。
「やべぇ…たるたるさん(注:Tartaruga Type SPORTS GTの、おりたたぶ的表現)が気になってきた…!」
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以上!!
ちなみに、このあと書いてあることは、以下の3つ。
- 「特大荷物スペースつき座席」の制度施行後に、東海道新幹線で輪行するならブロンプトンが間違いないよなぁー。
- でも、輪行先で峠越えのコースに行ってしまったら、ブロンプトンの走行性能だと生命の危険が伴う…。サヨナラ!!(爆散)
- アイエエエ! Tyrell FXのホイールを外して折り畳んだら、抜群に小さくなった!!
- だがしかし…これはメーカー推奨の畳み方ではない…!故障や破損のもとになる危険性も、たぶんスゴイ級…。じゃあ純正でこういう畳み方ができる、折り畳みミニベロロードって…はっ!もしかして!「たるたるさん」なら…!!
※「4つ言った…」というツッコミ不可。
この先は、いつものように、上記の内容が冗長に書き殴りまくられているだけですので、毎度毎度大変申し訳ございませんが、いま開かれているタブを以下略。
「特大荷物スペースつき座席」よりも「直前の座席のお客様優先」が、ぼっちサイクリストには厄介。
「特大荷物スペースつき座席」の制度って、JR東海のページには「5月乗車分から」と書かれているので開始は5月1日からなのかー、と思っていました。なんですが、たまたま目にした「荷物サイズ確認キャンペーン」のリリースには、「5月中旬ご乗車分より」との記述が。
えぇっ!? 制度実施まで残り3カ月余だというのに、まだ施行開始日が決まっていないのかい?(byマスオ)
なんかもう、現場が混乱する予感しかしねぇ…。
輪行自転車の持ち込みに関わる規定も、なんにも変わってないっぽいですね。
個人的に最も懸念している「特大荷物スペースつき座席」の設定がない車両も含めた、最後尾席後部スペースの「直前の座席のお客様優先」も、このまま例外なしで明確に規定化されてしまいそうです。
となると、最低でも2座席分の横幅を占有するフルサイズのロードバイクをぼっちで輪行しようとしたときは、たとえ「特大荷物スペース付き座席」の対象外の席であっても「隣の席の方に、必ず・間違いなく・絶対に譲歩してもらわなければならない」というのがファイナルアンサーになります。
ロードバイクを東海道・山陽・九州新幹線で輪行しようとすると、否応無く譲歩する側ではなく、譲歩される側になる。そして面倒な手合いに出くわしたときは、ハナっから圧倒的で徹底的に不利な立場での交渉を強いられる。…イヤ過ぎ。
そんなわけで、「制度施行後は東海道・山陽・九州新幹線で、フルサイズのロードを輪行するのは諦める」というのが、個人的な結論です。
ただその反面で、2人で輪行して2座席側の特大荷物スペースを予約して占有できれば、この制度と規定は、懸念になるどころか大きなメリットになります。なにしろトラブル遭遇可能性皆無で、自転車置き場の確実な確保が可能になるのですから。
リア充サイクリストである皆さんにとっては、輪行時の安心感が倍増する歓迎すべき制度改定だと言えるでしょう。
だがしかし!自分はぼっちなのです。陰キャなのです。ロンリーロンリーロリーロリーなのです。
自転車は自分との対話さ! 俺は孤独を好む一匹オオカミなんだよ!
…とか強がってみたところで「一緒に輪行ライドする友達がいない」という、悲しい現実は変わりません。一匹狼どころか、一匹チワワにも敗北する寂しくて脆弱な人間性が明らかになって、予想外の方向からの攻撃にもう涙目ですよ。ええ。
ぼっちが東海道新幹線で輪行するなら、ブロンプトンが至高。だがしかし!
そんな状況下にあっても最前列窓側の自席足元に置いておける、英国製ロングセラー折り畳み自転車「ブロンプトン」なら、どこにもツッコミどころがありません。
▼足元に収まる、ブロンプトンのコンパクトさときたら!
「特大荷物スペースつき座席」の制度や、関連規定がどうなったところで、ブロンプトンなら一切関係なし。絶対の安心感で、東海道・山陽・九州新幹線に持ち込めます。
だがしかし!
輪行したライド先に1%を超える斜度の坂があったら、自分のへっぽこ脚は即座にペダルの回転を止めるでしょう。
そう、ブロンプトンは駅や電車の中でこそ最強の自転車ですが、いざ走り始めるとロードバイクと格差のありすぎる走行性能に直面せざるを得ません。すべてを機材の性能に依存する、人並みを遥かに下回る走力しかない自分のへっぽこ脚には辛すぎなのです。
なので峠越えを含むルートを設定してしまったが最後、絶望の押し歩き…という未来が確定してしまいます。
▼ブロンプトンで坂に行く…地獄の辛さが数倍になる。
制度施行後にも、「誰からも余計なツッコミを受けずに輪行したい」。それだけでなく「輪行先でのライドも最大限楽しみたい」という、2つの願いを叶えるとしたら、真実はいつもひとつ!
「折り畳んだときのフットプリントが、隣席にはみ出さないサイズに収まる」かつ「ママチャリを大きく凌駕する走行性能を持っている」という条件を満たす自転車で輪行する。コレしかありません。
じゃあ、どうすれば…?
東海道新幹線で輪行したいけど、フロントも変速できる自転車を使いたい。そこで!
そうなると、やっぱり「Tern BYB S11をドロップ化改造して…」とか「カラクルS鈴鹿リミテッドをeTap化して…」という危険な衝動が頭をよぎるのですが、ふと気付いてしまいました。そう、どちらのモデルにもヒル嫌イマーの必需品である「フロントのインナーギア」がありません…!
そう、へっぽこ自転車乗りである自分が坂で爆散してしまう可能性を低下させるには、「リアが外装変速で多段化されている」だけでなく「フロントダブルでインナーが使える」ことも、絶対に欠かすことのできない条件なのです。
あれ?でもそういえば、我が家には、うどん県メイドの「Tyrell FX」があります。フロントダブルの10速105を装備した、畳めるミニベロロードです。フルサイズのロードに迫る高い走行性能は、ブロンプトンを軽々と凌駕します。
▼うどん県メイドの折り畳みミニベロロード、Tyrell FX。
そんなTyrell FXなのですが、これまで「電車で輪行する」という対象からは、完全にアウトオブ眼中になっていました。なにしろ普通に折り畳むと、縦79cmx横87cmx幅35cmというサイズになって、コンパクト感がちっともありません(※個人の感想です)。「フルサイズのロードの方が、軽いぶん輪行しやすいんじゃねーの?」と感じていたほどです(※個人の感想です)。
▼ホイール装着状態で、雑に折り畳んだTyrell FX。コンパクトさでブロンプトンには遠く及ばない。
だがしかし!!降りてきたぞ!ギリギリで…! 悪魔的閃き…天啓が…!
Tyrell FXのホイールは、普通のロードバイクと同じようにクイックで固定されています。なので、着脱は容易です。ということはフレームとフォークを折り畳むだけでなく、ホイールを外してマルトのフック付きゴムバンドで固定すれば、収納サイズのさらなる最小化が可能になるはず…!
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案ずるより生むが易し。人間万事塞翁が馬。三十六計逃げるに如かず。実際に試してみると、想像よりずっとコンパクトになることがわかりました。
これは…もしかして…縦置きにすれば、新幹線の1座席分のスペースに収まるのでは?
こうなったら、もう実地検証するほかありません。
ただし「畳んで新幹線に乗せる」というだけでは、検証として不十分。「Tyrell FXなら本当に坂でも爆散しないか」までを確認してこそ、意味があると言えるでしょう(※個人の感想です)。
というわけで、
- 新幹線に乗せる。
- 坂を超える。
という2つの条件を満たす輪行ライドのプランを考案しました。なんだか実地検証というより、人体実験になってる気がしないでもないですが、細かいことは気にしません。
河津桜を見に行こう。沼津出発で。
最初の目的地は、静岡県沼津市。新幹線を使う十分すぎるメリットがあるだけでなく、駅からちょっと走るだけで「海を隔てた向こうに富士山」という素晴らしいシチュエーションが楽しめるからです。味方なんだ、空も。この海も。
え?聖地?すみません、よくわからないですぅー。
▼遊覧船と淡島と海の向こうに富士山ドーン!
絶景を楽しんだあとは、伊豆半島を反対側まで突っ切って、河津桜が思いっきり見頃らしい河津へ向かいます。ルート上には「天城峠」がありますから、ブロンプトンでは絶望するレベルのキッツイ登り坂もきちんと含まれます。いや、それTyrellでもイヤなんですけど。
ラクすることだけを考えるなら、修善寺まで想いを乗せて HAPPY HAPPY TRAIN to go!したいところではありますが、電車賃節約の観点からも沼津スタートにせざるを得ません。
また、新幹線を使う必然性ですが、6時の新横浜発「ひかり493号」に乗車すると、小田原駅に6時15分に到着します。すると、6時45分発の東海道線普通列車 沼津行きに乗り換えが可能。
そして乗り換える沼津行きは、川崎駅を5時39分に発車する列車でもあります。ウチ(横浜市鶴見区)からだと、新横浜駅も川崎駅も自走で同じぐらいの時間。つまり新幹線なら20分遅く起きても、同じ時間に沼津に到着できるのです。
休日の朝の「20分」という時間の価値。その貴重さを考えたら、新幹線を使わない理由はありませんよね。
ホイールを外して輪行状態にしたTyrell FXを、新幹線に乗せてみた。
というわけで、いつものようにガラガラの指定席車両の最後尾席を予約。新横浜まで自走して、いつもは外さない前後輪を外してTyrell FXをトランスフォームさせます。
固定用のピンを外して、クイックを外して、ホイールも外して、クランクの位置を何度か調整して…などなど、いろいろ作業してようやく変形完了です。かなり余裕をもって駅に着いていたはずが、気づけば発車時間ギリギリ。慌てて輪行袋に収納して、ホームから車内へ駆け込みました。
そして最後尾座席の後部スペースに置いてみると…なんということでしょう! 実験の結果は…成功!圧倒的な成功です!!
▼隣の席の人の背もたれは、問題なく倒せます。横幅のはみ出しは最小レベルで、自席後部にもスペースの余裕あり。これなら文句出ないでしょう…!
ホイールを外して畳んだTyrell FXは、1座席分の横幅にほぼ収まります。ちょっとはみ出てるように見えないこともないですが、これなら絶対文句を言われないレベル!ブロンプトンには及ばないもののコンパクト感もかなり高く、駅構内での持ち歩きストレスが超絶に軽減されました。
車輪を外さない標準の輪行状態とは、もう「比較にならない」と言いたくなる輪行しやすさ(※個人の感想です)。唯一のネガは、写真のような縦置きだと自立しないところぐらい。
さらに小田原から沼津までは普通車グリーン席を利用して、在来線車両での収納性も合わせてチェックしてみました。ホイールを装着した状態で輪行したときは座席後部に納めにくいことこの上ありませんでしたが、ホイールを外した輪行フォームでは驚くほどすんなり座席後部に収まります。
輪行形態への変形の手間さえ考えなければ、もはやブロンプトンがいらなくなるレベルです。
輪行作業の面倒に耐えまくる。すべては走行性能のために。
列車は定刻通りに、沼津駅に到着。下車して輪行解除に取りかかりますが、こちらも普段の倍どころではない時間がかかりました。そりゃまあホイールの付け外しにフォークやフレームの変形にロックと、工程がとてつもなく多いですからね。作業の面倒は、激増しています。
▼車輪を外した輪行形態はこんな感じ。横置きなら自立する。@沼津駅前
いつまでたっても終わらない輪行解除作業に、スパッ!スパッ!スパッ!っと、秒でトランスフォームできてしまうブロンプトンの優位性を思い知らされます。
なんですが、この「輪行時/輪行解除時の作業が面倒すぎる」というデメリットは、ライド時に享受できる高い走行性能と完全なトレードオフ。目を閉じておくしかありません。
▼10分以上かけて、輪行解除がようやく終了。輪行形態への移行と解除は、ブロンプトンとは比較にならない時間と手間がかかることを覚悟する必要があります。
まぁ、その作業さえ一旦乗り切ってしまえば、あとはずっと高い走行性能を楽しめてしまうのです。未来の僕たちは、きっと答えを持ってるはずだから、ちっとも苦にはなりません。
しばらく前にブロンプトンで走ったのと同じ道をTyrellで走ってみて、真っ先に思い知らされたのは、ギアがたくさんあることの素晴らしさ。道路の状況に応じて、最小限の踏み込みで最大限の距離を稼げる走行効率の良さは、ブロンプトンでは得難いものです。
この日は富士山も実によく見えたので、ダラダラ走りつつ絶景を満喫できました。
▼出発してすぐ、モーニングできるかな?と思って立ち寄った、通りすがりの喫茶店は開店時間の全然前でした。ヨーソロー!
▼橋の上から富士山ドーン!
▼海の向こうに富士山ドーン!
▼太宰治ゆかりのお宿ですってよ、奥様!
さて、海と富士山の景色を楽しんだら、伊豆半島の反対側に向かわなければなりません。そして、そのためには、坂を越える必要があります。嫌すぎぃ!
峠道はインナーロー固定。それは、世界のことわり。
当日はかなりの風。平坦なはずの狩野川沿いすら、「ここなんて言う荒川サイクリングロード?」 という峠道と化しました。
しかし、ウチのTyrell FXはフロントダブルでリア28Tという貧脚仕様。小径ホイールとあいまって、地獄のような向かい風の中でも押し歩きすることなく、乗車したまま前に進むことが可能でした。ありがてぇ…ありがてぇ…。
そして、いよいよ天城峠に向かう登りに突入したのですが、この登り、なんかもの凄く長くないですか?登っても登っても、まったく坂が終わる気配がありませんよ?
▼「自転車積載できます」果てしなく続く坂の途中で、東海バスが甘い言葉で誘惑してくる。
▼国道脇の山葵畑。
このカーブの先で、きっと坂が終わる…違った…。次のカーブの先で、きっと坂が終わる…違った…。一縷の望みを何度も何度も何度も打ち砕かれて、ようやく「道の駅 天城越え」まで到着。
いやー長かった。これでようやく登りも終わり…と思ったのですが、登り勾配は全然続いています。峠はまだ先だったみたいです。ちょっと待て!この道の駅、ちっとも天城越えしてないじゃねーか!!
心の中で悪態をつきまくりつつ、ペダルに交互に脚を置く作業(もはやペダリングではない)を続け、どうにか天城トンネルまで到着。なんとか爆散せずに、天城峠を越えることができました。
あとはもう、下るだけです。ループ橋の高さに恐怖しつつ、なんとか無事に下界に降り立ちました。そして、そこには満開の河津桜が咲きほこりまくっています。
▼峠を越えた先にあった、河津桜のご褒美。
▼川沿いもほぼ満開。
それにしても、これで走ったのがブロンプトンだったら、間違いなく途中で畳んでバスに乗っていますね。河津にゴールできたのは、ひとえにTyrell FXの走行性能があったからこそです。輪行先でのライドで、インナーローが使えるTyrell FXは最高…最高です…!
だがしかし、問題は残る。そして、次の物欲へ…。
なんですが、
じゃあ、これからはTyrellで輪行を存分に楽しめばいいよね! 折り畳みミニベロロードを買っていた自分大勝利!!!パフーパフー!
という結論にはなりませんでした。次に同様のライドをしようと考えたとき、Tyrell FXを選ぶことには正直かなりのためらいがあります。
理由2点。
ひとつは、輪行/解除の作業手数が、普通にロードを輪行するより段違いで多いこと。
そしてもうひとつが、この「ホイールを外して畳む」というのが、Tyrell FXの公式な折り畳み方ではないことです。
本来であれば通常のホイール装着状態でも、輪行形態への変形はそれなりにデリケートな扱いが求められる作業です。それなのに、こんな非公式で雑な畳み方をした自転車はどうなるでしょうか。
本来、接触しないはずのパーツが思いっきり接触しちゃうのをはじめ、結構ムリなことをしてるなーというのが、ズボラ野郎の自分でも畳みながらハッキリわかりました。
そんな状態で肩紐をつけて、駅構内を闊歩しちゃうのですから、自転車に良い状態を維持できているはずがありません。帰宅してからよく見てみると、フレームのあちこちにキズがつきまくり。また、この輪行が直接の原因では無いと思いますが、スポークが1本破断していました(帰宅後だったのは不幸中の幸いすぎ…)。
購入から10年近く経っているので、キズが入ったショックは薄いし、スポーク破談もこれが初めてというわけではありません。購入間もない新車だったら、床をゴロゴロ転がって後悔していたでしょうけれど。
というわけで、この折り畳み方法は正直なところお勧めできません。「やってみよう!」と思ってしまったTyrell オーナーの方がいたら、全力で止めます。
だからといって、こっちの方向性を完全に諦めてしまうとなると、それはそれでもったいない。輪行時における取り回しの圧倒的なラクチンさ。そしてライド時のフルサイズロード並みの走行性能という、ダブルのメリットを享受しまくれるのは魅力的にもほどがありました。実に悩ましいです。
…じゃあ、公式な折り畳み方でコレぐらいのサイズ感になって、ドロップハンドルのフロントダブルな折り畳みミニベロロードがあればいいのでは…?
というわけで、今はタルタルさんが気になって気になって仕方がありません。小径の沼は深い…とてつもなく深い…。
そして、次の物欲が始まるのです!