やっほー、nadokazuだよー。
どーせなら一緒に大波乱、起こしてみません?
というわけで、本日の駄文はこちら!
実績が証明する、俺様の明らかな成長。
2021年末に衝動買…熟慮の末に購入した、折り畳み自転車「DAHON K3」。執筆時点ですでに500km以上を走行していますが、やはりタイヤをシュワルベ・ビッグアップルに換装したのがエポックになっている気がします。
交換工賃+タイヤ+チューブで約1万円のチューンですが、これによって「輪行は素晴らしくラクだけれど、走るのはちょっと楽しくない」から「輪行が素晴らしくラクで、ストレスなく走れる」という自転車に異次元のバージョンアップ。
過去複数回の実験によって「イメージ」とか「感覚」ではなく、数値によってその性能向上っぷりを証明することに成功しています。
▼ 約80kmの距離を、平均速度20km/h以上で走破!
▼ ヤビツ峠を60分切りで撃破!
これらの実績から導き出せる、真実はひとつ!
真実①:DAHON K3は、14インチホイール・3段変速とは思えない、卓越した走行性能を持っている。
それだけではありません!
実験結果から、自分は確信しました。
真実②:乗り手の俺様が成長している!俺は…強くなっているッ!!
これまでの自分がMS-05 ザクIだとしたら、いまの俺様はまさにEMS-10 ヅダ!! 軌道上に幻影は疾(はし)る!
※「ただひとつ」なのに2つ言ってるとか、乗り手を変数にしたら今までの比較検証は全部パーになるだろ!というツッコミ不可。
無慈悲!カスイチ(フル)走行指令。
そんな自分のもとに、マスターさんと@Viljo32さんから、「霞ヶ浦1周(90kmのショートコースではなく、130kmのフル版)をDAHON K3で走行せよ」という指令が下りました。
霞ヶ浦一周(フル)とか読みたいな〜! https://t.co/m5PDLaAExY
— CBN (@cbnanashi) February 25, 2022
ヤビツ峠を必死になってクリアしたら、待っていたのはご褒美ではなく無慈悲な命令…!!なんということでしょう…。
だがしかぁーし!
今の俺様は、土星エンジンによって短時間で200m/秒の加減速が可能となった最新鋭の高性能機と言える脚力の持ち主です。霞ヶ浦1周、いわゆる「カスイチ」をDAHON K3で走破する程度なら、もはや「楽勝」!!!
だってそうでしょう?
カスイチ(フル版)の走行距離は、たかだか130km。りんりんロードの旧筑波鉄道コースで、1往復半程度の距離しかありません。
▼ 参考 茨城県県民生活環境部 スポーツ推進課 筑波霞ヶ浦りんりんロード公式サイト掲載のGoogleマップ
それに、りんりんロードもカスイチも「圧倒的な平坦コース」です。線路跡を走るか、湖沿いを走るかの違いだけ。130kmを走り切るイメージができちゃった現時点で、もはや勝利は確定したようなものですよ。フフン。
そうなれば、あとは「無茶な要求に対して、それを圧倒する結果を差し出して返り討ちにする」だけ。
カスイチ(フル)を、サクッと走破。「別にぃ〜楽勝でしたけどぉ〜?」と、ドヤ顔でイキったツイートを返して、俺様の脚力を見せつけてやるのですよ。
あまりにも卑しい、人間のクズとしか言いようがない動機を心に秘めて、カスイチチャレンジが自分の中で決定しました。
DAHON K3で、霞ヶ浦1周。実際に行ってみた。
4時15分起床。身支度を調えて、鶴見駅から輪行スタートです。上野駅で、6時4分発の常磐線水戸行きに乗り換えます。
気付いたら4週連続・4回目。これ、もはや「通勤」なのでは?
売店が開くのは6時なので、駅弁を買ったらダッシュで席に戻ります。購入したのは、「厚切り牛たん弁当」…と思ったら、売ってない!!
厚切り牛たん弁当が、前回に続いてまたまた品切れだとぉーー! ちょっとぉー! 株式会社JR東日本クロスステーションさーん!!
でもまぁ、代わりに買った「牛肉弁当」は、肉質と味付けが違う3種類の牛肉がご飯に乗せられていて、味わいの違いを楽しみながら完食できたので無問題!
すばらしい景観!負荷ゼロで回せるペダル!霞ヶ浦は最高!!
土浦駅に到着したら、いつもの場所でいつものように輪行解除。空調の効いた屋内で作業できるのは、実にありがたいですなぁ。
西口をスタートしたら、立体交差をくぐって東口方面に移動します。県道263号線の交差点を右折して、あとは路面のブルーラインに沿って走るだけです。
霞ヶ浦沿いの道に入ってしばらく走り、そこで私は今日の完全勝利を確信しました。
気持ち良く晴れた空。少しだけ暖かくなった空気。そして目の前に広がる、広大な霞ヶ浦!
初めて走る道ですが、実にいいですね、霞ヶ浦沿いのサイクリングルート。湖面の向こう側に見えてくる景色も進路とともに変わっていって、全然飽きないです。
それに風景だけでなく、大量の野鳥も目を楽しませてくれます。ツグミ、モズ、カシラダカ、ジョウビタキ、カンムリカイツブリ、あとタゲリもいました。地元の鶴見川沿いとは比較にならない種類と量の多さで、とても羅列しきれません。猛禽撮影ポイントなのか、600mm級のレンズがずらっと並ぶ場所も。
さらに!
成長した俺様の脚も絶好調。トップギアを踏んでいるのに、ペダルが軽々と回せます。多少スピードが落ちても負荷を最小にして走れば、どこまでだって行ける感じです。
もう最ッ高にときめいちゃう、絶好のサイクリング日和。ペダルを踏みすぎて、脚力消費を早めないことだけに留意して走ります。
特筆すべきは、素晴らしい路面状態。ひび割れや段差、欠けといったストレス要因に、まったくと言っていいほど出くわしません。
路面に記された経路案内もバッチリで、初走行でも道に迷う不安は皆無。湧き上がるのは「自転車たーのしー!!」という感情だけ。
夢中で走っていたら、あっという間にルート東端の北利根橋に到着しました。あとは、この調子で土浦まで戻ればゴールです。
カスイチ、思ってたよりも全然チョロい!楽勝すぎ!
これは土浦に戻ってから岩瀬まで追加で走って、センチュリーライドしちゃってもイイかな?
変わる風向き。
北利根橋を渡って、土浦方向に進路が変わります。まだ半分以上の距離を残していますが、気分的には早くも後半戦。相変わらずの景観に、心を躍らせながら進みます。
でも…なんだろう…この感じ?
進路が変わってから、妙に脚が重いんですよ。サイコンの斜度表示は0度だし、別に疲れも感じてないのに。どうして?
はっ!
もしかして、これは…向かい風!?
ってことは、今までの快走は「単に追い風を受けていただけ」ってこと??
いや、まさか…。
う、嘘だッ!!
信じないぞッ!!
しかし、現実は非情です。霞ヶ浦大橋付近で距離と時間をチェックしたところ、「同じぐらいの距離を走って、かかった時間は大幅増加」という結果でした。
折れる心。
さてさて、カスイチのショートコースだと、霞ヶ浦大橋を渡ってゴールの土浦方面に向かいます。ですがフルコースでは、橋を渡らずにそのまま直進。霞ヶ浦の北端(石岡市)まで走ってから対岸にグルっと回って戻る、約40kmがプラスになります。
つまり、目の前にゴールへの最短ルートがあるのに、それを無視して別方向に進んでいくのです。写真の右手にあるアンダーパスで、霞ヶ浦大橋をスルーしなければなりません。
この「ゴールから明らかに遠ざかる方向に進まされる」というのは、自虐行為以外のナニモノでもないですよね。特に疲労困憊状態だと、メンタルへのダメージも倍増します。絶望に思いきり拍車がかかって、パフォーマンスはダダ下がり。
そして、相変わらず吹き付けてくる、猛烈な向かい風。
これ以上、走りたくない…!もうイヤだ…!駅はどこだ!?ここで輪行して帰っちゃおう!!
豆腐メンタルは、あっさり瓦解しました。
終わる脚。
吹きつけてくる向かい風。平坦なのに、ペダルをきっちり踏まないと前に進んでくれません。感覚的には、5%ぐらいの斜度を登坂しているのと同じレベルのキツさです。
そこに加えて、脚の疲労もいよいよ表面化。
トップギアではペダルを回しきれず、セカンドギアへ。ガクッと速度が落ちて、それだけペダルを踏まなければならない時間が増えていきます。
借金の利子が複利で増えて、完済の見通しが立たなくなっていくように、光の速さで遠ざかっていくゴール。出口の見えない、負のスパイラルに突入です。
唯一の救いは、路面からの不快な振動がずっと低いレベルで留まっていること。これは舗装の状態が良好なのと、ビッグアップルのエアボリュームのおかげでしょうね。ノーマルタイヤのままだったら、どうなっていたことか…。
地獄の旅路。
弱まる気配のない向かい風。メンタルからは走行意欲が完全喪失。力の入らない脚。三重苦を抱えてノロノロ走る自分を、ロードの方が気持ち良さそうに追い抜いて行きます。
クッ…機材に頼りやがって…!そのホイールを、今すぐ14インチ径に変えろ!
意味不明な負の感情が湧き上がります。
そして気になり出すのが、進路を塞ぐ路上駐車。パスするタイミングでちょうど対向車が来ちゃうケースも多く、絞り出したエネルギーを、むざむざ熱エネルギーに強制変換させられる無念を何度も味わいます。
対岸に見える牛久の大仏様ー!この辺りの路駐車輌を、ビーム攻撃で全部粉砕してくださーい!!
なにもかもがグチャグチャの謎感情に支配されながら、延々と続くカスイチ。永遠とも思える時間をかけてペダルを踏み続け、土浦の街並みがようやく見えてきました。もうすぐだ…ゴール…! それなのに、いくら漕いでも土浦はずっと遠いままで、近づいてくる気配すら感じません。まさか、ずっと同じ場所を走り続けているのか?と、不安になるほどです。
どうして…どうしてこんなことに…。
押し寄せる後悔の念。ペダル1回転あたり1回「つらい」と思いながら走って、耐えて耐えて耐えて耐えて(以下、1億2000文字削除)、スタートから約7時間40分。ようやく土浦駅まで戻りました。
「霞ヶ浦1周(フル版)130kmを、DAHON K3で走りきった」という結果を残すことだけは、どうにか成功。
だがしかし!
向かい風に叩きのめされて、脚もメンタルも瀕死状態。気持ち良く走れたのは、最初の1/4だけ。残りはずっと、吹き付ける風に苦しめられ続ける地獄の旅路でした。
サイコンの走行データによると、平均速度は16.9km/h。マップに速度をオーバーレイさせると後半で完全に脚が売り切れて、延々と亀の歩みを続けていたことが如実にわかります。
DAHON K3での、カスイチ(フル)チャレンジ。勝ち負けで言ったら、完膚なきまでの「敗北」です。バタリ。
DAHON K3は、長距離走行に向いてないの?
まさに艱難辛苦だった、霞ヶ浦1周130kmサイクリング。DAHON K3は、やはり長距離走行に向いていない自転車なのでしょうか?
全力でNOです。
ビッグアップルへの換装によって、向上した走り心地。これが長距離だからこそ、覿面に効いていた印象です。ノーマルタイヤより滑らかに走るので、脚と身体への疲労蓄積速度が低下。向かい風の中、ゴールまでペダルを回し続ける脚力がなんとか残せていたのは、ビッグアップル換装のおかげだと強く思います。
またフレームの剛性感にも不足はなく、ペダルへの入力がきちんと推進力になってくれていると感じます。向かい風のキツさに思わず立ち漕ぎしたときにも、力が逃げていくような感覚はちっともなかったです(ペダルを踏み込むパワーがへっぽこだから、というのも一因かも)。
ビッグアップル換装済みのDAHON K3は、100km超えもバッチリの自転車です。普通の脚力を持った自転車乗りの方なら、カスイチだって自分みたいにツラい思いをせずに達成可能でしょう。
まとめ:DAHON K3はいいぞ…。
「シュワルベ・ビッグアップルにタイヤを交換したDAHON K3は、輪行に抜群のサイズと軽さを持ちながら、平坦よし、登坂も長距離も(それなりに)こなせるオールラウンドな走行性能まで併せ持っている」
これまでの数々の無謀な実験によって、そう言い切れることが証明できたと思います。
スポーツ自転車をこれから初める方の最初の1台にも、ロード乗りの方のサブバイクにも、はたまたブロンプトン乗りの方にだって、自信を持ってオススメできてしまう1台です。
DAHON K3はいいぞ…。すごくいいぞ…。
さてさて、あとは胸に手を当てて、今日のサイクリングを振り返ってみましょう。
俺様は強くなっている。
→ 何も変わってませんでした!
カスイチなんか楽勝でしょ。
→ ズタボロになりました!
つまり、せっかくいい自転車に乗っていたにもかかわらず
- 不遜にもほどがある、根拠のない自己の過大評価
- きわめて不純な動機
- 130kmという長距離を舐めきって挑む
- あっさり返り討ち
ということ。
DAHON K3での、カスイチ(フル)チャレンジ。それは脚力はおろか、人間性でも最底辺であることを自分自身で思いっきり証明する、ただのセルフ拷問。結局のところ、ダメダメだったのは「乗り手」である自分だけ!これこそが、言い逃れようのない…ただひとつの真実…です。
いやー、ダメでしたかー…あははー。(涙声)
▼ ショートコースを楽しく走った、マスターさんの記事はこちら!