『示威美威獲濡(しいびいえぬ)』、そこは『災苦琉邪悪慈(さいくるじゃあじ)』という、特異な制服を身にまとった生徒たちにより管理される学園。
そこへ現れる流浪の転校生、nadokazu。ビッグアップルの秘密を知るマスターから、話を聞き出そうとするが…。
というわけで、本日の駄文はこちら!
※無駄に前置きが長いので、先に結論だけ申し上げるとビッグアップル最高です!!
DAHON K3 の定番チューン「ビッグアップル換装」
「DAHON K3」の定番チューンに「シュワルベ・ビッグアップルにタイヤを換装する」というメニューがあります。マスターさんの記事によると、
「控えめに言って最高」
「縁石や段差での衝撃の少なさはとても14インチとは思えないくらい改善」
「このタイヤに換えない理由が見つからない」
「Dahon K3ユーザーの方すべてにおすすめしたいカスタム」
と、それはそれはもう大絶賛です。
確かにDAHON K3って、走行時に路面からの不快な振動を受けまくるのが気になります。ブロンプトンと取っ替え引っ替えして走ったりするとよくわかるのですが、それなりの距離を走ろうと思うと間違いなく「ストレス要素のひとつ」として浮かび上がってくる感じです。
普通に考えたら「それなら、早めに交換しちゃおっかな」と、思ってしまっても無理はありません。というか、そういう方が大勢いらっしゃるからこそ「定番の交換メニュー」になっているのだと言えるでしょう。
「定番」に潜む罠!交換なんてしませんよ?
ですが、引用したビッグアップルの評価は「マスターさんの脚力があってこそ」だという可能性も、完全には否定できません。
「誰かが良いと言っていたけれど、自分にとっては別にそうでもなかった」
残念なことに、自転車パーツにおいては往々にしてそんな事態が発生します。評価抜群で、定番的。そんなチューンだとしても、「自分には該当しない」可能性だって大ありなのです。
なにしろ、こっちは地の底を這いつくばる最底辺の自転車乗り。どこに出しても恥ずかしい、へっぽこ脚力しかありません。外径とエアボリュームの増大によって乗り心地が向上したところで、発進加速や巡航がダルダルになって涙目。…なーんてことも、十分以上にあり得るシナリオです。
ビッグアップルに興味はありますが、さすがに今回は見送りです!
「どれだけの効果があるのか」をきちんと確認できるまで、交換なんて決断できませんね!
ビッグアップルの交換効果、どうやって確認する?
タイヤ交換に伴う、エアボリュームの増大。それによる、乗り心地の向上。これは理屈が明確過ぎるので、さすがに確認の必要は無いでしょう。確認しようにも、そもそも素人には乗り心地なんて数値化できないですし。
そうなると、やはり気になるのは「走行性能」に関わる部分。大きく・重いタイヤになることで「発進加速が鈍くなるのでは?」「巡航速度を維持する負荷が上がるのでは?」などなど、もはや期待より懸念しかありません。
普通の脚力をお持ちの皆さんなら気付かないような極小の負荷上昇だとしても、へっぽこ脚の自分には生命維持に関わるレベルの危機。ビッグアップルへの交換による走行性能への影響は、徹底的にハードに確認しておく必要があります。
自分の脳のすべてのリソース(ダイオウグソクムシ程度)をフル回転させて、考えて考えて考え抜いた結果!
「そこそこの距離を往復走行」
そして
「そこそこの回数のストップ&ゴー」
を伴う走行実験を、2種類のタイヤで条件を揃えて実施すればいいのでは?
…という結論に至りました。
タイヤを交換して、走行実験で交換効果をしっかり確認する。そうすれば、迷うことなくタイヤ交換を決断できます。これで安心ですね!
ビッグアップルの交換効果、こうすれば確認できる!…?
「そこそこの距離を走ること」で脚のライフは早い段階でゼロになり、持続可能な最低出力での走行。つまり「脚力ではなく、機材でしか差が付かない状態」にできるでしょう。FTP計測も、同じ理屈ですよね?(適当)
さらに同じコースを往復すれば、風が吹いても結果への影響はプラスマイナスほぼゼロです。ストップ&ゴーを繰り返せば、発進加速への影響も明らかになります。(雑)
そのうえで「同じ自転車」「同じ乗り手」「同じ場所」「同じ時間」と、揃えられる条件を揃えるだけ揃え「タイヤだけ替えて走る」。そうすれば出てきた結果に対して差が付いていた場合、要因は「タイヤだけ」に絞り込めます。(希望的観測)
あとは「どこで実施するのか?」というところですが、ここはもう選択の余地はないでしょう。平坦の聖地「つくば霞ヶ浦りんりんロード」の旧筑波鉄道コースが、唯一にして最高です。
▼ つくば霞ヶ浦りんりんロードの紹介記事
坂は無いし、クルマも進入できない、早朝なら人も多くない。しかも、左右確認が必要な箇所も多数あって、ふつうに走るだけでストップ&ゴーの回数も稼げます。
雑にまとめると
- 「つくば霞ヶ浦りんりんロード」の旧筑波鉄道コースを、入口から岩瀬駅まで往復して経過時間を測定する(走行距離:約79km)。
- 休憩は岩瀬駅だけ。休憩中は時間計測を停止。
- 左脚を地面につけて、左右を確認する。
- 信号遵守。
という感じです。
そりゃツッコミどころは満載だし、そもそも1回ずつじゃ母数不足!誤差!
それはわかっていますが、素人がひとりぼっちでやってるのに、これ以上は無理ーー!!
実験①ノーマルタイヤで走ってみた。
4時15分起床。身支度を調えて、鶴見駅から輪行スタートです。上野駅で、6時4分発の常磐線水戸行きに乗り換えます。
売店が開くのは6時なので、駅弁を買ったらダッシュで席に戻ります。購入したのは、「厚切り牛たん弁当」。紐を引くと容器が温まる、加熱式のお弁当です。ホームでは氷点下に近い気温にさらされているので、温かい食べ物が本当に最高です…!
土浦駅で下車して輪行解除、さっそくスタートします。新川サクラ通りから曲がるところを完全にスルーして、いきなりミスコース!慌てて戻って、入口から計測を開始。
あとはもう、ひたすらペダルを回すだけ。写真も撮らず、休憩もせず、一心不乱に走り続けます。せっかくのりんりんロードを、こんなふうに走るのは勿体ないったらないなぁ…と思いつつ、ペダル踏みマシンに徹します。
そうそう、一時停止箇所でクルマの通過を待っていたら、わざわざ停車して横断させてくれるドライバーさん多数でした。ありがてぇ…ありがてぇ…。
岩瀬駅まで走ったら、写真を撮って時間を記録。少し休んだら、すぐUターンして土浦方向に向かって走り出します。
再び感情を喪失した走行を重ね、計測開始地点に戻ってゴール。写真を撮ってから、ストップウォッチを止めます。
あとは土浦駅までダラダラ戻って、帰路につきました。はっ!!せっかくなんだから、土浦でせめてご飯食べておけばよかった…!!!
実験②シュワルベ・ビッグアップルで走ってみた。
4時15分起床。身支度を調えて、鶴見駅から輪行スタートです。上野駅で、6時4分発の常磐線水戸行きに乗り換えます。売店が開くのは6時なので、駅弁を買ったらダッシュで席に戻ります。購入したのは、「厚切り牛たん弁当」。
と、走行前に摂取するカロリーまで条件を揃えて、2度目の実験に挑みます。ちなみに、ウェアも前回に揃えました。
さらに前回同様、写真撮影も休憩もない、実走なのにZWIFTのようなサイクリングを繰り返します。
前日の予報では夕方まで天気が崩れないはずだったのですが、土浦に向けて復路を走行中に雨雲接近の通知が!! 慌てて巡航速度を大幅に上昇させ…られませんでした。そんな脚は、往路の走行開始間もなくで消えています。気ばかり焦って、速度はまったく上がらない。そんな状態でゴールに到着して、なんとか降られる前に土浦駅に戻りました。
ぼくはもうつかれたよパトラッシュ…。
ビッグアップルに換えた結果は、どんな感じ?
こんな感じでした!
総経過時間 | 平均時速 | 総走行距離 | |
ノーマルタイヤ | 3:49 | 20.65km/h | 78.8km |
ビッグアップル | 3:30 | 22.51km/h | 78.8km |
「同じ自転車」で「同じ乗り手」が「同じルート」を「同じ時間帯」に約79km走って、タイヤをビッグアップルに交換したら約20分の時間短縮です。ストップウオッチの記録と、写真のタイムスタンプで2重に確認していますから時間計測に間違いは無い…はずです。
正直、ここまで差が付くとは思いませんでしたが、体感でも巡航速度が上がっていることは明らかに感じられました。
1回目のときは往路が僅かに向かい風だったので、その影響もあるような気がしますが、復路は思いっきり追い風。やっぱり、そこはプラマイゼロですよねぇ…。
「ビッグアップルに交換すると、それだけで巡航速度が上がる」
これは、間違いなさそうです。
ビッグアップルに換えると、加速はツラくなる?
気になったのは、左右の安全確認後に再加速するときの負荷。ノーマルタイヤの時は、シッティングのまま加速していたのですが、ビッグアップルのときは立ち漕ぎするケースが明らかに多かったです。巡航速度に乗せるまで、ホンの僅かかもしれませんが負荷が高くなっている気がします。
ただし、
巡航速度が上がる → 脚への負荷蓄積が増える → 再加速つらい…。
という「よりへロった状態の脚になっていただけ」という可能性も、否定はできません。
とはいえ、タイヤが重く大きくなってるんだから、加速は鈍くなると考える方が理屈には合ってますよね。
ビッグアップルに換えると、見栄えはどうなる?
自分が自転車を選ぶときに、いちばん気にしているのは「見た目」です。
極太タイヤのビッグアップルを履かせて、K3がカッコ悪くなってしまったら…。というのが、実は最大の懸念事項でした。
アングルを揃えて比べてみると、こんな感じです。
パッと見で「ご、極太っ!」という感じで、精悍さはスポイルされまくる感じです。なのですが、もともと折り畳みミニベロ自体が「スタイリッシュ」というより「ファニー」な方向性の見栄え。ビッグアップルに換えたほうも、悪い方には転んでいないと感じています。むしろ、可愛げが増してるんじゃないかなー。
というわけで、見栄えについては「無問題」というところに落ち着きました。
ビッグアップルに換えて、ほかに変わるところは?
乗り心地、マジでよくなります。走りが変わります。もはや、別の自転車です。
谷保(東京都国立市)の「カルマックスタジマ」さんで交換してもらったのですが、ペダルひと踏みで違いがわかりました。
「な、な、なんだこりゃーーーー!!!!!」
あまりの快適さに最寄り駅から輪行しようと思っていたのに、そのまま横浜の自宅まで30kmを自走してしまいました。
走行性能とか、もうどうでもいいです。K3でこの快適さが得られるなら、それだけでビッグアップルに交換する価値があります。
自転車に乗るのって、ただそれだけで楽しいことのはず。でもDAHON K3で走っているときって、「必要最小限しか走りたくない」と思うことが多かったんです。今にして思うと、無意識下で「微妙な不快さ・楽しくなさ」を感じていたのでしょう。
ビッグアップルへの交換で、それがあっさり消えました。「普通の自転車」と「楽しく走れる自転車」の閾値を、確実に超えてきます。
個人的には、DAHON K3はビッグアップルへの交換ではじめて「スポーツ自転車」になるのでは、と思うぐらいです。
まとめ:ビッグアップルはいいぞ…。
というわけで、DAHON K3のタイヤをシュワルベ・ビッグアップルに交換して、雑な実走実験をしてみた結果と個人の感想をまとめると
「ビッグアップルに交換すると、巡航速度が上がる(約2km/h)」
「ストップ&ゴーでの再加速は、僅かにツラくなる」
「見栄えの可愛げが増す」
「乗り心地は別モノになる」
という感じです。大きすぎるメリットに対して、デメリットがなさ過ぎる。
「控えめに言って最高」
「縁石や段差での衝撃の少なさはとても14インチとは思えないくらい改善」
「このタイヤに換えない理由が見つからない」
「Dahon K3ユーザーの方すべてにおすすめしたいカスタム」
というマスターさんのレビューは、自分にもガッツリ当てはまりました。
というわけで、いらすとやさんの素材で意味不明な煽り画像を作ってペンを置きたいと思います。