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双眼鏡のすすめ:風景や自然を楽しむサイクリングを2倍楽しくする圧倒的な視覚体験

高性能カメラを搭載したスマホの普及に伴い、本格的なカメラを持ち歩かなくなった方も多いはず… と思いきや、先日行ったアンケートでは10人に4人とかなり多くの方がサイクリングにカメラを携行していることがわかりました。しかし「サイクリングに双眼鏡を持っていく」人は、恐らく100人に1人もいないのではないでしょうか?

OLYMPUS 8X25 WP II

この記事ではそんな超マイナーアイテムである「双眼鏡」の魅力をご紹介したいと思います。ポタリングや観光サイクリング・旅サイクリングを楽しんでいる方にお読みいただけると幸いです。双眼鏡はそれらのサイクリングの楽しみを倍増してくれること請け合いです。しかも、高級カメラよりもずっと低予算で済みます。

なぜ双眼鏡か

なぜ双眼鏡なの? カメラがあればいいじゃないか。遠くを見るにしても、カメラと望遠ズームでいいじゃないか。しかも双眼鏡は「見るだけ」で記録もできないじゃないか。と思われる方も多いかもしれません。これは一部その通りでありまして、双眼鏡に映像の記録機能はありません(ごく特殊な製品を除く)。

ではカメラに対して双眼鏡が持っているアドバンテージは何か。それは「小型軽量でありながら、圧倒的に優れた視覚体験が得られる。対象も発見しやすく、観察がしやすい」というところです。しかも、ハイエンドなカメラに比べるとはるかに安価でもあります(1万円以下の製品でも十分に楽しめる)。

OLYMPUS 8X25 WP IIと8×40 S

映像がミラーレスカメラの電子ビューファインダーよりもくっきり・はっきり見えるのは勿論、光学式一眼レフと比べても映像の美しさは比較にならないほど優れています。「記録する」ことこそできませんが、言うなれば「超ハイエンドのカメラ・レンズでも映せないような高品質動画を、ライブでその場で視聴できる」ようなもの。それが双眼鏡の魅力と言えます。

筆者が使用している双眼鏡は「倍率8倍」のモデルですが(詳しくは後ほど)、体感的には35mm版のカメラにおける600mm望遠レンズに近い感覚の映像を得られます(※双眼鏡の倍率を35mm換算で〜mmと正確に言うことはできません。システムが異なるため)。それでいて軽量モデルの重量は300g以下。しかも、とても明るく、映像も立体的です。

サイクリング中に遠くの船や飛行機を観察したいと思った時、超望遠レンズを付けたカメラをその都度振り回すのは現実的ではないでしょう。小鳥を見かけてカメラを向けても、瞬時に捕捉できず何も撮れないことも多いはず。しかし双眼鏡であれば「ちょっと気になった時にサッと取り出して」左右上下にサーチすることで気軽に対象を捕捉、拡大映像を楽しむことができるのです。

双眼鏡のスペックの見方

しかし双眼鏡と言っても、様々なタイプがあります。ここでは双眼鏡の基本的なスペックの読み方と、私がサイクリングで個人的に使いやすいと感じているタイプの製品についてご紹介します。

ポロとダハの違い

まず「外観でわかる2つの形式」から見ていきましょう。下の写真の左側は「ダハプリズム式」(以下ダハ)と呼ばれるタイプで、右側は「ポロプリズム式」(以下ポロ)と呼ばれるタイプです。一見してわかるように、「ダハ」は小型です。勿論軽量です。「ポロ」は大きい。そして重い。詳述はしませんが、光学設計が違います。

ダハプリズムとポロプリズムの違い

ダハプリズムとポロプリズムの違い

ではポロが無駄に重いのかというと、そうでもありません。ポロは一般に、光学性能的にはダハより優れています(映像がより立体的になり、臨場感が高い)。ダハでポロと同程度の光学性能を確保しようとする場合、精密な設計・加工と良い材料が必要になるため、高性能なダハは高価になりがちです。

そのため「安上がりに素晴らしい映像体験をしたい」場合はポロが良い、となりますが、サイクリングにも気軽に形態するような用途にはあまり向かないかもしれません。携帯性を重視するならダハ式がおすすめです(しかし操作性が優れているのはポロだったりします)。

倍率と口径

次に「倍率と口径」について。下の写真の双眼鏡のボディに見えている「8×25」や「8×40」という数字に着目。先頭の「8」は「8倍」という意味で、これは「80m先にあるものをその10m手前から見ている倍率」を意味します。より高倍率のモデルも存在しますが、倍率が高ければ高いほど「手ブレ」が発生しやすくなります。私が個人的に扱いやすいと感じているのは「8倍」です。

双眼鏡の倍率と口径表示

倍率と口径

「口径」は「8×25」や「8×40」の後ろ側の数字、25や40という値です。簡単に言うと「口径」の数字が大きいほど映像は「明るく高精細」になります。レンズの口径が大きければ大きいほど、より多くの光を集められるからです。カメラのレンズで言う「F値」に近いものと思って良いでしょう(明るいレンズほど大きいですよね)。

勿論、明るければ明るいに越したことはありませんが、大口径モデルはやはり高価になります。普通に考えれば大きく重くなります。軽量コンパクトなダハ式で大口径… となると、値段も跳ね上がる、というのはご想像通り。下は、とある山の上に設置されているNikonの双眼鏡ですが、30倍・口径80mmです。デカい(そして高性能)!

Nikonの30x80双眼鏡

考慮すべきその他の要素

双眼鏡を選ぶ時は、「倍率と口径」をまず決める。さらに最短合焦距離(カメラレンズで言う「最短撮影距離」)も調べます。モデルによって、50cmほどの短距離まで合焦するものから、数メートル先でないと合焦しないものなど、様々です。遠景だけでなく、すぐ目の前の木に止まっている鳥や昆虫、近くの花なども観察したい場合、最短合焦距離が短いものを選びましょう。

他に眼鏡をかけている方でも使いやすい仕様になっているかどうか(製品仕様の「アイレリーフ」という箇所をチェック)、防水仕様かどうかもチェックしましょう。細かいことを言うと視野角など他の要素もありますが、最初は難しく考えなくても良いと思います。

以下、選び方をまとめます。

  • 小型軽量なポロプリズム式か、性能とコスパのダハプリズム式か
  • 倍率は何倍を選ぶか
  • 口径(明るさ)は極端に小さくないか
  • 最短合焦距離は何mか
  • 水に濡れるような状況でも使うか
  • 眼鏡(またはサングラス越し)に見る時でも使えるか
  • サイクリングに携行しても重すぎない重量か

などをチェックして選びましょう。

私が愛用している双眼鏡2モデル

筆者が愛用している双眼鏡は、オリンパスの製品2つです。単にオリンパスカメラの長年のファンなので選んだのですが、中でもダハ式の「8X25 WP II」はポタリング・輪行・登山では大体いつも携帯しています。倍率は8倍でちょうど良く、安価なダハであるため口径は25mmと小さめですが、夕方だからと言って特に暗いとも感じません。

OLYMPUS 8X25 WP II

またこれは実測重量が付属のストラップ込みで292g。防水対応もしており、最短合焦距離は1.5m。バイクを停めて、またがったまま道端の花を観察することもできますし、山の沢登りでも浸水の心配なく使えています。個人的にはオススメの製品ですが、自分の需要に合ったものを色々と物色してみると良いでしょう。

ポロタイプではやはりオリンパスの「8×40 S」というモデルを愛用しています。これは、サイクリングに持っていくには正直重いです。実測でなんと730gもあります!が、私の超望遠カメラセット(OLYMPUS E-M5 mark III + 75-300mmズーム)よりも軽量です(しかも明るく、映像品質は価格を考えると超絶レベル)。

携行時に重いだけでなく、長時間ホールドしていると腕も疲れてくるのですが、8000円とは思えない映像で「使っていて楽しい」のは間違いなくこちら。視野合わせやフォーカスリングの操作も、上で紹介したダハ式より簡単です。バードウォッチングではよく使っています。ただし最短合焦距離は4mと、近くものを見るには不向きです。

記録しない映像のほうが深く記憶に刻まれることも

双眼鏡を使うようになって、近所のポタリング中でも新しい発見をする機会が増えました。また、鳥や野生動物を見かけても、カメラの場合はフォーカスが合う前に逃げられてしまうことが多いのですが、双眼鏡なら捉えやすく、ピント合わせもカメラほど繊細ではありません。

「記録できない」ことが短所と言えば短所ですが、これは逆に言えば長所にもなると感じています。というのも、双眼鏡でキャッチして観察したものは、記憶によく留まるからです。旅先で大量の写真を撮ってきても、自宅ではじっくり見ない、という経験をされた方は少なくないと思いますが、それは「撮る」行為がルーチンになってしまい「見る」行為が忘れられてしまうためです。

映像を写真や動画としてSNSでシェアできない、という点で人気のない装置ではあります。しかし「記録」しない没入的な観察体験によって、その時々の体験がより大きく「思い出」として刻まれることがあります。データとして記録されない体験に価値はない、という考えが主流の時代ではありますが、この楽しい知覚体験、未経験の方には是非一度味わっていただきたいと思います。

その上で触れておくと、双眼鏡によって「観察する能力」を鍛えると、写真撮影の能力も向上します。たとえば鳥の良い写真を撮りたいのなら、カメラを向ける前に観察し、その生態や行動パターンを理解する。理解が深まれば、カメラを向けた時も良い写真を撮れる確率が高まる、という具合です。風景写真についても、これまでと違った撮り方をするようになるかもしれません。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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