はじめて日本で自転車ソロツーリングをしよう、と計画していた外国の方が、出発直前になって「自分にはできないのではないか」という不安に駆られたらしく、海外掲示板で相談をしている様子を見かけました。参考になるコメントがいくつかあったので、抄訳でご紹介します。
過去一ヶ月、日本で自転車ソロツーリング（9月初旬から10月下旬まで・成田スタート福岡ゴール）をする計画を立ててきました（…）一週間後には出発する予定ですが、自分は本当にこれをやれるのかと真剣に疑いはじめています。少なくとも50%の時間はキャンプする予定で、仕事でちょっとした怪我もしたので先週と今週は働けず、予算もショートしています（十分な現金は持っていけますが。キツキツかもしれないけど）。それに日本では自転車の防犯登録も心配です、旅行者だと登録できないと思いますが法律で必要なんですよね？（…）一人ではじめて旅に行くのもナーバスになっています。こうした理由でこの旅をやめようかと思っているのですが、そんなに簡単に諦めたくありません…
出典 thinking of cancelling my solo tour trip of japan
旅行前ブルーは普通
スレ主さんの投稿を読む限り「ちょっと金が足りないかも!! あと日本では自転車の防犯登録してないとお巡りさんに捕まるってよく聞くしっ!! ひ、一人だし、いろいろ心配になってきたァァァーッ!!」と一時的なパニック・不安に襲われているように見えます。
寄せられたコメントからいくつかピックアップ。
- 人生に一度レベルの旅なのに、つまらない言い訳を並べているじゃないか。行かなければ後悔しますよ
- 旅を終えてみれば、やめようかと考えたなんてバカだったなぁと思うようになるよ。大きい旅行（どんな種類でもいい）の1週間前にブルーな気持ちになるのはごく普通のことです。準備が完全に整った、と感じる人はいません、でもあなたは準備できているように見えるけれど。もし準備が十分でなかったとしても、行ってみれば驚くほど多くのことが何とかなりますよ
- できればキャンセルしないでください。行く機会を得たのだし、恐らく計画も、準備もしたのでしょうから、行きなさいよ！ 人生はとても速く過ぎ去りますよ。夢は簡単に諦めるようになりますし、大事なことをやらないようになります。一時的な疑いや恐怖心、ささいなケガを理由に諦めるのは簡単です。自分の心をよく観察して、克服して、出かけてください
- あなたもあなた以外の人も、最初にひとりで旅をする時は誰でもナーバスです
- 旅行前の「できるだろうか」という疑いは、自分のコンフォートゾーンを広げる時に付き物です。素晴らしい旅になると思いますよ！
- 期待を最小限にして、ただ出かけましょう。柔軟に楽しみましょう!!!
私も、スレ主さんは行ってしまって大丈夫な方だろうという気がします。節約するなら十分なキャッシュがあるだろうという判断、2ヶ月弱の半分をキャンプすると最初から計画できるレベルの方なら、何の問題もなさそうです。治安や交通安全、基本的なコミュニケーションの面では、日本以上に安心して自転車旅行ができる国は世界のどこにもないでしょう（と、私は思う）。
ところで結婚前や新婚旅行の前後に憂鬱になる「マリッジブルー」という言葉がありますが、スレ主さんの気持ちは「トラベルブルー」という感じなのかもしれないですね。
エスケープも計画しておくと安心
「疑いは自分のコンフォートゾーン（実力内で楽に何かを行える範囲）を広げようとしていることの証明なので、仕方ないですよ」という主旨のコメントは、なるほどと思いました。計画に不安を持つということは、現在の自分の能力を少し超えたことをやろうとしているからで、裏返せば自分の能力を客観視できている・過信していないことの証明でもありますよね。注意深い人だからこそ、不安になるのではないでしょうか。
とはいえ、この方の不安を和らげるための具体的な方法はあるでしょうか。現時点では「大丈夫だから行ってきなよ、日本はいい国だし、安全だし！」という励ましのコメントしか見られないのですが、個人的には旅を途中で中断する「エスケープパターン」をいくつか用意しておくと気楽に出かけられるような気がします。
例として、福岡まで行けなかったら、ひとまず大阪を目指す。名古屋でも良し。無理やり2ヶ月にする必要もないでしょうし、力尽きたらそこで帰る、など。計画通りに行かなかったとしても、必ずしも旅は失敗にはならないでしょう。楽しめたらどんな旅でも成功ではないでしょうか。期待しすぎない、というのも大事なことですね。
