新しいタイヤは要らないんです。ちゃんと空気を保てていますから。いいから言っているように変速だけ直してください。要らないものを売ろうとしないで下さい。とお客に言われました、という投稿を海外掲示板で見かけました。下の写真が添付されています。
以下、スレッドから目立ったコメントをピックアップしてみました(抄訳)。
- (スレ主さん)自転車整備士として私は多くのものを修理できますが、愚かさは修理できません。なんとか冷静を保って、そのタイヤがどれほど危険であるか、タイヤを交換しない限り作業はしないと伝えました。そのお客は最終的に渋々、交換に同意してくれました(133いいね)
- 作業は拒否していいと思いますよ。必ず文書に残しておきましょう(319いいね)
- しかもフロントタイヤじゃないですか。もしリアだったら破裂した時に比較的コントロールしやすいのですが。その客は身体で覚えないといけないでしょうね(23いいね)
- 僕が利用しているショップでは、作業後に安全な状態にならないのなら作業を拒否するのが普通でした。客には利用できるショップが町に他にもあります。数年前、安全でない状態になっても構わないから何でも引き受ける、というショップでメカニックとして働いていたのですが、嫌な仕事でした(124いいね)
- (上の人に)「xyzなら修理してくれるんですけどね」と言い返されるのが好きです。そうすれば「ならxyzに行くといいですよ」と返答できるからです。私は物乞いではありませんから(75いいね)
- この客は戻ってきて「なんでこないだタイヤを交換してくれなかったんですか」と激昂して言うタイプの人です。家を出て10マイル走ってパンクした後に。お断りしたことを記録に残しておきましょう(5いいね)
- 「この免責証明書は、この自転車が現状では安全に乗れないものであるとします。顧客はタイヤ交換を拒否しました」(4いいね)
- 少ない予算でやりくりしなければならない人々を辱めないで下さい(マイナス3いいね)
海外掲示板では「こんな自転車ショップは嫌だ」「こんな自転車ショップは絶対に避けるべきだ」という主旨のスレッドが頻繁に立てられるのですが、今回のように「自転車ショップに来るこんな客は嫌だ」という話題を見かけるのはなかなか稀だと思います。
個人的にビジネスの基本はお客様の要望を、自社の技術と職業倫理が許容する範囲内で、ベストを尽くして満たしていくことによってお客様を幸せにする、というものだと考えています(勿論、赤字にならないという条件下で)。ただ、安全性が満たされない場合、その仕事はお断りする、というのはとても正しいことだと思います。
ミニベロが欲しい、というお客さんに無理にロードバイクを売ろうとしたり、グリップをピンク色にしたいんですが、という人に「そんな色かっこ悪いですよ」とアドバイスしたり、特定のフラットペダルを買いに来たお客さんにSPDを提案するのは、私がもしショップを経営していたり自分が店員だった場合は絶対にやらないのですが、このお客さんは私も作業をお断りすると思います。
日本のスポーツバイク専門店では、いわゆる「ママチャリ」の修理をお断りしているところも結構あると思います。場合によってはそうしたお店の整備士は「プリマドンナ・メカニック」と揶揄・非難されることもあるかもしれませんが、ママチャリは普段扱っていないので修理品質について保証できない(そのため安全性も保証できない)といった場合や、そもそも採算が取れないという場合はお断りしてもおかしいことではないと思います(ただし心証が悪くなるのでいかに「言い方」に気をつけるか、という話になるのではないかと思います)。皆様のご意見も是非お聞かせ下さい。


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