昨年の夏に購入して以来、1年ほど使い倒してきたELEMNT BOLTですが、先日リリースされた最新版のファームウェアに更新し、さらにブルベでの実戦投入を経て、GPSの精度の確認とバッテリーの駆動時間の検証をおこないました。
前回の記事が半端な状態で終わってしまったので、今回の記事はその続きになります。
ファームウェアが再更新されました
先月の3月に行われたELEMNT BOLTのファームウェア更新によって、ナビ機能に異常が発生しました。
あれ以降、Wahooのサイトを毎日チェックしていまして、新たなファームウェアが出たら即刻インストールしてやろうと思っていました。
こっそり直されました
その前に。
上のスクリーンショットは、前回記事でお見せした9月7日時点でのメーカーサイトです。
2行目の
Added : Re-routing improvements when a rider re-joins a route after going off course
追加:ライダーがコースから外れた時にルートに戻る際のリルート機能の改善
の記述、9月10日頃に削除されました。
やはり、ELEMNT ROAMB版ファームウェアのコピペミスだったようです。
遂にBOLTにもリルート機能が搭載されるのかも、などと無駄に考えてしまいました。
6000番台に突入
最初に更新されたのは9月18日の午前0時頃です。
前回もそうですが、ファームウェアの更新が行われるのは日本時間の午前0時、なおかつアメリカ本土が平日であるタイミングが多いです。
ちなみに、日本の18日0時はアメリカでは17日の午前11時です。
今回のアップデートのメインイベントは、デバッグではなく「TrainerRoad」というウェブサービスとの互換性の確立だったようです。
ELEMNTのファームウェアの番号は、何か大きな仕様変更があると千の位がひとつ大きくなります。
シマノのコンポーネントセットの品番もそうですが、こういう番号の振り方をしている製品は4桁で収まらなくなった時にどのような対処をするのか、とても気になります。
えー、「新しいファームウェアをダウンロードするBOLT」の写真を用意していたのですが、BOLTに引き続きiPhoneの画像データも吹き飛んだため、綺麗さっぱり無くなってしまいました。
絶対なんか憑いてる
WB15-6019をさっそく近所で試してみたところ、曲がり角手前でコースアウトする現象は全く直っていませんでした。
ええ…どういう事…
その2日後、再度のアップデートがありました。
内容は「安定性の向上」らしいですが、このバージョンでも全く直っていませんでした。
ええ…どういう事…(2回目)
もっと不可解なのは、
前回のファームウェアが何故か「WB15-6109」になっていることです。
ええ…どういう事…(3回目)
WB15-6019が最新版であった頃は確実に誤字はなかったので、わざわざ書き換えでもしない限り、こうなる事はあり得ないと思うのです。
1時間ちょっとで修正されましたが。
さらに翌日、またまたアップデートが行われました。
問題発覚から2週間ちょっとを経て、ここでようやくトラブルと決別できました。長かった。
安定性に関しては、WB15-6023の更新前後であまり違いは無いように感じました。
もともと動作の軽いサイクルコンピュータなので、体感しにくいのかもしれません。
ブルベで使ってみた
今月の5日、和歌山を舞台とするブルベが開催されました。
ELEMNT BOLTの実力を試す絶好の機会だと思い、実戦投入する事に決めました。
(実際はELEMNT BOLT単機で臨んだ訳ではなく、バックアップとして2台目のサイクルコンピュータを用意したのですが、それは今回の話に関係ないので省略します)
使用条件は以下の通りです。
- バックライト:常時OFF
- 接続アクセサリー:心拍計およびスピードセンサー
- 途中での給電:無し
- オートストップ機能:OFF
- スタート時点でのバッテリー残量:98%
Ride with GPSで予め作成しておいたルートを常時地図上に表示させ続け、前回の反省からPCやチェックポイントでの休憩に際してもバイクからは一切取り外していません。
オートストップを切っているので、休憩中でも記録は採り続けますし、タイマーも止まりません。
また、スタート時点で既に98%まで減っているのは、前泊した場所からスタート地点まで移動するのにGPSナビを使用したからです。
結果ですが、13時間7分の走行を経て、ゴールした時点でのバッテリー残量は12%でした。
公称バッテリー持続時間は15時間ですが、100%スタートではない事、センサーを2つ接続していた事、購入から既に1年が経過している事を考慮すれば、なかなか良い感じなのではないでしょうか。
もっと言うと、ゴール地点でカップ麺を食べたりして寛いでいる間も電源を入れっぱなしだったのですが、スタートから14時間が経過した段階で、バッテリー残量は6%ほどで持ち堪えていたので、15時間というのはかなり正直な数字であるように思います。
ELEMNTシリーズのバッテリー持ち時間は、恐らくGARMIN EDGE520や820を意識したものだと思うのですが、最近リリースされた530/830の40時間にも及ぶ駆動時間が強烈過ぎて、いまひとつインパクトに欠けるのも事実です。
関連記事 Garmin Edge 530 / 830が新登場。解像度がアップし新機能「ClimbPro」を搭載
RECMOUNTS L1-Light4のこと
しかし、今年になってRECMOUNTSから「L1-Light4」というアタッチメントが発売されたんですね。
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これは、同社のType19マウントの拡張パーツのひとつで、円筒形のモバイルバッテリーをサイクルコンピュータ横に取り付けられるようになるんです。
昔であれば、同じくRECMOUNTS製の「汎用アダプター」を両面テープでモバイルバッテリーに貼り付け、2つ用意した台座のうち片方にモバイルバッテリー、もう一方に任意のサイクルコンピュータ、という風にするしかなかったので、こちらの方がはるかにスマートです。
今回のブルベで、ランドヌールの皆さんが揃いもそろってRECMOUNTSを愛用している理由がようやく理解できました。
ELEMNT BOLTの活動限界は実質200kmブルベだという事も分かったので(走力次第では300kmもつかも?)、先ほど紹介したアタッチメントもいずれ買ってみたいと思います。
トンネル内での動作について
トンネルに進入する際、スピードセンサーを別で取り付けていないと停車している扱いになりますよ、という事は以前に本館で書きました。
トンネル内で道が屈曲していたりすると、GPS視点では内部での動きを追えないので軌跡がおかしなことになります。
積算走行距離も狂うので実質スピードセンサーは必須になるのですが、GPS的には不動であるはずの自身の現在位置が、実際には動いているというデータ同士の矛盾を解消するためなのか、トンネルを抜けたタイミングでGPSをちゃんと拾っているにも関わらず「コースを外れた判定」になる事が多々あります。
出口から100mも走ればコースに復帰してくれるので目くじらを立てる程の事でもありませんが、ちょっと気になったので書いておきます。
発売から日が浅いサイクルコンピュータは、数時間以上の連続使用をした場合、途中からGPSの軌跡が飛び飛びになるトラブルに見舞われるケースが多いようです。
ELEMNT BOLTも、リリース当初はそうなっていた、という記述をネット上で見かけた事があるのですが、これも現在では綺麗さっぱり解消されています。
最後に
他社製のGPSコンピュータと比較すると、バッテリーの容量や日本語表記などにおいて不安を覚えるのも確かですが、決して悪い製品ではありません。
GPSで現在地を捉え、ナビで乗り手を導き、獲得標高と走行距離の記録を採るという機能において、(少なくとも自分は)現状ひとつとして不満はありません。
先ほども書いたように、バッテリーが15時間で切れるのならモバイルバッテリーを持てば良いですし、日本語訳がイマイチなら英語のまま使えば良いのです。
以前書いた事と重複しますが、「家だろうと出先だろうと、スマホさえあれば何でも出来る」という時代に即した機能性がELEMNTシリーズの魅力であり、僕自身ELEMNT BOLTのそれを気に入っているので、今後もまだまだ使い続ける事になりそうです。