サイクリング

南魚沼グルメライド!黄金色の絨毯が広がる米どころの風景を眺めながら、約1,400m登坂する100kmのコースを「完食」せよ!

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時間や社会にとらわれず、
幸福に空腹を満たすとき。

つかの間、nadokazuは
自分勝手になり自由になる。

腹が、減った。

というわけで、今回の駄文はこちら!

黄金色の稲穂と八海山!「南魚沼グルメライド」ってどんなイベント?

「南魚沼グルメライド」は公式サイトによると、

「全国でも有数の米どころである新潟県南魚沼市の稲刈り時期を走り抜けるイベントです」
「黄金色に輝く稲穂と霊峰八海山、三国川ダムや牧之通りの風景を楽しんで走ってください」
「各エイドでは、地元食材を使った美味しいグルメをご用意しています」

とのこと。

つまるところ、米どころならではの景観の中を走れるうえに、充実したエイド食でお腹いっぱいになれちゃうサイクルイベントだと言えるでしょう。なにそれ、最高かよ!

そして、この南魚沼グルメライドは2025年9月13日から15日の3日間にわたって催される「2025南魚沼サイクルフェスタ」の一環。翌日(9月14日)には「第5回JBCF南魚沼クリテリウム」、翌々日(9月15日)は「第10回JBCF南魚沼ロードレース」が開催されます。

「走って」「食べて」そのあとは「レース観戦」まで楽しめる。もはや、自転車のお楽しみが満漢全席です。

スタートの最寄り駅は浦佐。それ、どこ?

南魚沼グルメライドのスタート/ゴールになるのは、新潟県南魚沼市にある「八色の森公園」。上越線/上越新幹線の、浦佐が最寄り駅になります。

この浦佐駅、越後湯沢駅と長岡駅の間に位置しているのですが、1日の平均利用者数は「758人」と4桁に届きません。上越新幹線の中でも上毛高原駅(744人/日)と並んで、ぶっちぎりの過疎。まぁ東北新幹線いわて沼宮内駅(75人/日)に比べれば、10倍賑わってると言えますが(出典:JR東日本「各駅の乗車人員 2024年度」)。

正直、行ったことも聞いたこともない浦佐駅。なんですが、こう言われて合点がいきました。

「田中角栄の銅像がある駅」

なるほど!そこが浦佐だったか!!

その者ピチピチの自転車衣をまといて、金色(こんじき)の野に降り立つべし。

「南魚沼グルメライド」は、開催時期の設定が絶妙。走行ルートの周囲では、ブランド米として名高い魚沼産コシヒカリが収穫の真っ最中です。まさに黄金色の絨毯といった様相で、八海山・巻機山・越後駒ヶ岳といった名峰の稜線を背にした「この時期の米どころならではの景観」を作り出します。

たわわに実った稲穂が頭を垂れて、目の前に広がる田んぼを覆い尽くす。そんな光景を眺めていると、日本人のDNAに埋め込まれたハッピー回路が発動して心の底から幸せな気持ちになれます。日本のお米は世界一ィイイイ!!

白いごはんって素敵ですよね……なんであんなに白いんだろう……。

走りながら巡り合う、歴史的背景の暴力。

もちろん景観の魅力は、田園風景だけではありません。塩沢駅近くの牧之(ぼくし)通りでは、三国街道沿いの宿場町として栄えた当時の町並みが再現されています。

ほかにも歴史を感じる建造物や文化財、石碑などがあちこちに点在していて、いちいちググって由来を調べたくなります。次から次へと繰り出される歴史的背景の暴力に、ノックアウト寸前です。

個人的に惹かれたのは、田んぼのどまん中に巨木とともに忽然と現れる「十二神社」。背景がそびえ立つ山の稜線なのも、実にええですなぁ…。デモデモ、なんでこの場所に?ここだけ?と思って検索かけまくったのですが、周辺に大量の十二神社があって情報に辿り着けませんでした。どゆことー!?有識者ー!!

また沿道で見かける民家でも、雪国ならではの建築様式が目を引きます。軒や外壁の特徴的な作りはもちろんですが、この基礎部分の高さ!どれだけの豪雪に見舞われるか、ぱっと見で痛感させられます。

スタートからゴールまで、次々と移り変わる魅力的な景観。走っていて、飽きることがなかったです。

充実しすぎのエイド食を完食せよ!

走行距離0km!「朝飯エイド」の洗礼。

スタート地点の八色の森公園では「朝食エイド」が設置されていて、ご当地メニューの「きりざい丼」が振る舞われます。

よく混ぜて食べてください!とのことだったので、言われたとおりにしていただきます。ふむふむ、納豆ご飯に刻んだ漬物の塩味と酸味が効いていて、これは朝食にピッタリな味わい。寝起きでも、スルスルいけちゃいますね。

お椀には軽くお茶碗一杯分以上のご飯が盛り付けられるので、スタート前だというのに早くもお腹が満たされます。1杯あたり約320kcal。

ところで、「きりざい」って何?と思ってググってみると、下記がヒットしました。

「きりざい」は、納豆に刻んだ野菜を混ぜ合わせた魚沼地方に伝わる郷土料理。きりざいの「きり」は切ること、「ざい」は野菜の「さい」の意味を表す。その歴史は古く、戦国時代には武士が兵糧として持ち歩いていたという記録が残っている。

農林水産省「うちの郷土料理」より引用

テントの脇ではためく、きりざい丼ののぼりに描かれていた謎のおばあちゃんロボット。
コピーライトを見て愕然。お、大河原邦夫デザイン…だと!?

走行20km少々で、このカロリー?

スタートからおよそ20kmで、早くも最初のエイドに到着。ここ城内エイドでは、まずバター餅が振る舞われました。

ガツンとくる甘さとともに濃厚なバターの香りが口いっぱいに広がって、血糖値が爆上がりしていくのがわかります。1個あたり約136kcal。

その隣にずらりと並ぶのは、「100人鍋のカレーうどん」。米粉入りの麺(多分)は、柔らかめ。具にはキノコと豚肉が入っていて、きっちりお椀1杯分の量があってボリューム不足を一切感じません。

身体じゅうに染み渡っていく、塩分と糖質。1杯あたり約400kcal。

カレーうどんの2時間後に焼肉丼!

スタートから約60km。塩沢駅近くの牧之(ぼくし)通りから脇に入った第2エイドの塩沢エイドで提供されていたのは、豚ロースの焼肉丼。

高温の鉄板で焼かれた肉の表面にはこんがりと焼き色がついていて、タレの香りとともに鼻腔をくすぐります。カリッとした焦げ目の歯ごたえ、香ばしさ、そして広がる豚ロースの旨味。そこに熱々の白米が組み合わさると、もはやそれは宇宙。

カレーうどんとバター餅を食べてから2時間しか経っていませんが、瞬時に完食。約680kcal。

巨大な鉄板で豚肉を焼きまくるスタッフの皆さんは、若さいっぱいで元気いっぱい。それもそのはずで、近くの高校の生徒さんたちでした。

うぐっ!ナウなヤングが発する陽キャのオーラが眩しいッ…! サングラス越しなのに灼かれる…網膜がっ…!退散!!!

ゴールまで残り数kmなのに、また補給!?

いよいよゴール目前、残り距離は10kmを切りました。というところで、またまたエイドです。第3エイドの五日町エイドでは、おにぎりが提供されました。しかも、しっかり2個!

具は鮭と辛味噌で、たくあん付き。さすが米どころ!と、納得できるお味でした。2個で約400kcal。

ゴール後も続く、炭水化物の猛攻。

ゴール後に振る舞われたのは魚沼市の蔵元、八海醸造さんの「麹だけでつくったあまさけ」。米どころのライドイベントであることを、最後の最後まで徹底する補給食のセレクトですなぁ。

パッケージには「肌の潤いを守る」「便通を改善する」と効能がガッツリ明記されていて、これ薬機法に触れるんじゃ…と思ったら機能性表示食品なのか!

栄養成分表示によると、たんぱく質1.5g・脂質0.2g・そして炭水化物は堂々の30.2g(糖質30.0g)!1本あたり128kcal。

100km走るのに、炭水化物が4回提供されるという「グルメライド」の名に違わぬエイド食の充実っぷりでした。

ちなみに、登坂のあとにある2箇所の「給水所」では、このエイド食以外に甘いものが出ます(後述)。

最大の敵、登坂!獲得標高は1,380m!!

「地元食材を使った美味しいグルメ」という謳い文句に目がくらみ、後先考えずに申し込みを完了した南魚沼グルメライド。参加費の決済を終えたあと、ふとRWGPSのルートマップを確認して目を疑ったのが獲得標高の数値です。

走行距離99.4kmに対して、1,380mの登坂になります。

アルプスあづみのセンチュリーライド(AACR)が、走行距離154.1km・獲得標高は1,703mですから、これって間違いなく「走行距離の割にガッツリ登らされるコース」ですよね。

スタート直後に中ボス級の登坂があり、大ボスが2回。そして合間合間に小ボスが登場という坂プロファイル。これ、完走危うくない?

いやいやいや、でも考えてみてください。わたくし、オタクが集結する本格登坂イベントとして名高い「グランフォンド小諸(走行距離99.2km・獲得標高2,310m)」を完走した経験があります(瀕死になってないとは言ってない)。

それに比べれば、半分ですよ。たったの半分!!

「1,000mを楽勝で超える登坂がある」という事実から全力で目を逸らして当日を迎えたのですが、いやー登らされました。

スタートしたら、2キロで登坂!

スタートのあとステルス坂(平坦に見えるけど、実は微妙に斜度がある)を走って早くも脚がなくなりかけたところで、早速登坂です。

RWGPSによると、距離5kmで平均勾配は3%。なのですが、これは途中に緩いところがある斜度表示の罠。後半は距離1.5kmで平均斜度4.4%。走り始めた直後だというのに、しっかり登らされます。

立ちはだかる壁!三国川ダム!!

カレーうどんを食べたあとで出現する、大ボス1号は三国川ダム(さぐりがわダム)への登坂。RWGPSの坂プロファイルだと、距離8.7kmで平均斜度3.6%。「距離は長いけど、斜度はそこまでじゃないな〜」とか油断していると、巨大なダムの堤体が目の前に立ちはだかります。

ちなみにこの三国川ダムは

国土交通省北陸地方整備局直轄管理の中央コア型ロックフィルダムです。
原石は斑糲(はんれい)岩という日本では非常に珍しい重たくて硬い岩石です。これはダム造りには非常に良い材質で、内部摩擦角が設計値で43度という、日本で一番大きな数字になっているので、ロックフィルダムとしては、上下流面の傾斜が日本一急なダムになっています。

新潟県公式サイトより引用

だそうです。

ここまで接近したあとで、ダムの天端まで行く。そうなると当然、ドギツイ斜度の登坂になるわけです。インナーローにしても、ペダルが重すぎる…心拍が限界…シテ…コロ…シテ…。

地獄としか思えない斜度のつづら折りを瀕死状態でクリアして、ようやく天端に到着すると三国川ダム堤体給水所。ここでは「新潟県民の認知度100%!?」を豪語する、新潟のご当地アイス「もも太郎」が提供されています。

この「もも太郎」は公式サイトによると

名前は「もも太郎」だけど、実は味は「いちご味」、
おまけに「りんご果汁」でできているという矛盾っぷりに困惑する人続出……!?

セイヒョー 公式サイトより引用

ということなのですが、公式の開き直りっぷりのほうがよっぽど困惑だよ!と、思わずにはいられません。

ラスボス登場!八海山!!

南魚沼グルメライドのラスボスは、八海山ロープウェー乗り場へのヒルクライム。登坂ありのルートを70km以上走ったあとに、6kmの登坂です。もうやめて!とっくに脚のライフはゼロよ!!

そして、この登坂がより悪魔的なのは「最後の最後で斜度が上がる」のはもちろん、往復コースになっているところ。

こっちが瀕死の様相で激坂に喘いでいるところなのに、先行した皆さんが気持ちよさそうにダウンヒルしてくるのを目の当たりにさせられるのです。そこには圧倒的弱者と、絶対的強者の決して埋まることがない隔たりがある。究極の格差社会、ここに極まれりです。

すべてを出し切った搾りカスになって、ようやく折り返しのロープウェー乗り場に到着。ここの給水所では、地元・福井屋菓子店の「八海羊羹」が提供されました。カラカラの身体に、沁みわたる甘さ…最高…。

そして、ここで折り返したらダウンヒル。さっきまで圧倒的弱者だった自分が、絶対的強者にクラスチェンジです。登坂中の参加者の皆さんとすれ違いながら「脚が重いだろう!息が苦しいだろう!心拍がキツいだろう!!アーッハッハ!!」という、ついさっきと真逆の思考に陥りました。最低!

長野や伊豆半島のほうが地獄!

確かに登坂はキツかったですが全体を通してみれば平坦に近い緩斜面も多く、激坂ゾーンの距離だって「グランフォンド小諸」などのあたおか本格登坂イベントに出てくる登坂に比べれば、そこまで長くはありません。

「登っても登っても登坂が終わらないよう…たすけて…」と、涙目になることは多々ありました。それでも少なくとも10%超えが延々と続く、伊豆半島によくある悪魔的な登坂は皆無。「南魚沼グルメライドの登坂はキツいけれど、長野や伊豆のほうがほんとうの地獄だ…!」というのは間違いのないところ。

登坂に自信のない方でも、南魚沼グルメライドなら100kmコースだって完走できると思いますよ!(ニヤリ)

カロリー摂取過多なのでは?デブるのでは?

炭水化物満載のエイド食と、甘いものとの連続攻撃。いくら登坂ありで100km走るとはいえ、これは明らかに摂取カロリーが消費カロリーを上回るパターン…走るとデブってしまうイベントなのでは?という不安に駆られたので、確認しました!

ChatGPT(GPT-5 Thinking)に画像を読み込ませて算出した推定値ではありますが、エイド食と給水所で提供された甘味の合計カロリーは2,180kcalになります。そして走行して消費したのはStravaによると2,544kcal。

なんと、実質カロリーゼロどころか、実に364kcalものカロリーがマイナスだったのです!

なるほど!あれだけ食べていても、ゴール後すぐ空腹になった理由がわかりました。近くのマクドナルドに飛び込んで、ダブルチーズバーガー2個とポテトのLとコーラ(カロリーあり)を食べちゃいましたが、これなら仕方ありませんね。

そのほか、南魚沼グルメライドの推しポイント。

市長の肝いり。

スタート前に、南魚沼市の林市長が登壇。ご挨拶ではこのイベントにかける想いや夏場の渇水の苦労話なども交えて語られ、地域行政に真摯に取り組まれている姿勢を感じました。

沼津市長と小諸市長に続いて、南魚沼市長の個人的好感度も爆上がりです。

沿道の応援がゴイスー。

コースの沿道では地元のみなさんがご自宅の前に椅子を出して、参加者に声をかけてくださっていました。それはもう子供から大人まで、あちこちで応援多数。おそらく、事前にしっかり広報されているのでしょう。

しかもルート中の序盤から終盤まで、ことあるごとに応援の方がいらっしゃいます。こういうのって、だいたいスタート後しばらくだけなので、これには驚きました。

案内充実。

分岐箇所や方向転換箇所は、案内看板や誘導の方が配置されています。ナビなし、事前のコース予習なしで走っても、これなら迷わないでしょう。

またカーブ前や要注意ポイントには、注意喚起の案内看板がしっかり設置されていました。安全面への気配りは、相当なものを感じます。そしてこの看板、2014年開催時から使用されているみたいなので、もう10年選手!

完走したのに、完走証がもらえない!どうして?

ゴール受付で渡されたのは、完走証ならぬ「完食証」でした。さすがグルメライド。

お土産の入ったサコッシュも一緒にもらえるので、自走してゴールから駅に向かうときも折り曲げずに持ち帰れます。運営様、わかってらっしゃる!!

まとめ

南魚沼グルメライドは、

「景色(黄金色の稲穂と山の稜線!)」
「エイド食(炭水化物総攻撃!)」
「しっかりした運営(さすが開催10回目!)」
「走りごたえ(激坂に泣いてないとは言ってない)」

の全部が揃った、非常に充実したサイクルイベントでした。

米どころの底力を「目」と「脚」そして「胃袋」で、しっかり「完食」させられる。しかも地元の皆様からの歓迎まである!とてもとても、ハッピーな1日を過ごせています。これは来年も参加するしかない…!としか思えません。

そうそう、浦佐駅周辺で食事をするなら駅前の「ファミリーダイニング小玉屋」が、このテの地方ファミレスとは思えないレベルの高さなので、超オススメです!!

蛇足:最強のエイドは自宅にあった。

ゴールでは完食証、あまさけと一緒に、サコッシュとお米(多分、南魚沼産コシヒカリの新米)をいただいたのですが、このお土産のお米が実に凄い!

普通の炊飯器で普通に炊いただけなのに、色ツヤが明らかに違うことがパッと見でわかります。たまにその場で精米したチョイ高めなお米を専門店で買って食べたりすることもありますが、そんなお米とも別格に感じるほど。あまりにも美味い!美味すぎる!!うーまーいーぞー!!これ、自分至上最も美味しいお米なのでは?

イベント参加のバイアスがあるのでは?とも思いましたが、南魚沼に行ってない嫁様まで目を見張っていたので、やはり相当やべーおいしさのお米がお土産になっていたと言えるでしょう。わたくし、このお米を買うためだけに、南魚沼に行ってもいいです!

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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