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Route Werksハンドルバーバッグのまがい物を買ってしまった人々の末路【泣き寝入り必至】

昨年の暮れ、Route Werksというアメリカ・ロードアイランド州のスタートアップ企業がKickstarterにてハンドルバーバッグのプロジェクトを開始しました。下の記事で詳しく紹介していますが、私もこのバッグがとても魅力的に思えたので購入申込みしています(今月中か来月初旬くらいには届きそうです)。

Route Werksのハンドルバーバッグ これは最終解すなわちファイナルソリューションでは…
Kickstarter案件なのですが、超絶に使い勝手が良さそうなハンドルバーバッグが彗星の如く登場し、海外で大変話題になっています。何でも開始後6時間で250人が最初のプレッジに申し込み、プロジェクトのファンディングが達成されたのだそうです...

しかしRoute Werksのこのバッグ、優秀すぎるスペックであまりに話題になりすぎたせいか、主に中華圏で「まがい物」が続々と登場。そしてそれらを買ってしまった人々は結局のところ、泣き寝入りせざるをえない結果になりました。

出典 The curious case of the handlebar bag scam – CyclingTips

全然似てないモノが届く

CyclingTipsが伝えるところによると、詐欺業者は「KickstarterにあるRoute Werksバッグのクリエイティブ(商品画像など)」を盗用し、海外の通販サイトにそのまま掲載。しかし”Route Werks”の商品とは言わずに販売する、というもの。

Route Werksのハンドルバーバッグは$179ほどですが、こうした詐欺業者はこれらを$19〜49という破格の値段で販売していました。9分の1〜3分の1くらいの値段で売られていたわけです。

しかしこの詐欺の巧妙な点は、お金を受け取ったらバックレる、のではなく、ちゃんと品物を送ってくるところです。

では何が送られてくるのかというと…「Route Werksのデザインに頑張って寄せてみたけど残念品質の中華バッグ」ではありません。もしそうだったとしたら、そのほうがまだ良心的な(?)詐欺だったかもしれません。

実際のところ騙された人々が受け取ったのは、Route Werks製品とは似ても似つかない「蛍光グリーン色のドラム型のハンドルバーバッグ」だったり、安っぽいボックス型のバッグだったそうです。

詐欺業者がこのように実際にモノを送ってくるのは、

  • 実際に商品を発送した
  • 荷物の追跡記録もある

というアリバイを得るためであり、その結果、PayPalで購入した人々が苦情を申し立てにくくなるからだろう、と同サイトは指摘しています。

被害を受けたのは「Route Werksの本物だと思って謎の海外サイトで購入した」人々だけでなく(値段で察しましょう、という感じではありますが)、Route Werksもまたそうした人々から続々と苦情を寄せられ、弁護士に相談したりと対応に苦慮することになったのでした。

泣き寝入りさせるための仕組み

ではPayPalは本当に返金してくれないのか、というと、そういうわけではありません。もし「受け取った商品が説明と違っているものだった」場合は(いわゆる”Item not as described”)、異議申し立ての正当な理由となり、PayPalも対応してくれます。

しかしここでまた問題があります。PayPalに返金してもらうためには、購入者はFedExなどの追跡可能な方法で返品する必要があるということです(元記事の読者コメント欄からの情報)。

しかも返送料は自己負担。まがい物を$19で買った人の場合、FedExで返送してPayPalに$19を返金してもらうよりも、「泣き寝入り」したほうが金銭的ダメージが少ないのは明らかです。

こうした模造品詐欺グループはこの流れを完全に想定した上で悪事を働いているわけです。

Kickstarter自体にもリスクは付きものですが、Kickstarterで話題の商品の模造品をありえないほどの低価格で海外サイトから購入することには、さらに大きいリスクがあると考えておくべきでしょう。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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