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サイクリング

Japan peaks!日本各地でヒルクライムして、豪華賞品(多分)を貰おう!!【参加費無料】

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貧脚に生まれたnadokazuは、
ヤビツと湘南国際に虐げられて育った。

登坂を命じられたと思えば、
場所は冷酷無慈悲と噂の、富士スカイライン。
数多のヒルクライマーたちが
3mと持たずに逃げ出したという悪評の主だった。

斬り捨てられることを覚悟して
富士登山口の門を叩いたnadokazuの前に現れたのは…。

というわけで、本日の駄文はこちら!

Japan peaks!日本各地でヒルクライムして、豪華賞品(多分)を貰おう!!【参加費無料】

Japan peaksって、どんなイベント?

「ニッポンの名峰走破を目指す旅」というキャッチコピーを冠して実施されている、ライドイベント「Japan peaks」。運営は「サイクルボール」と同じく、ルーツスポーツジャパンです。

執筆時点では、2023年の8月11日(金)から11月12日(日)までの開催が「Prologue」として告知されています。このあとの展開が未発表ではあるものの、2024年に対象ステージを大幅拡大予定とのこと。

専用アプリを使った完走認定をはじめ、基本的なスタイルは「サイクルボール」と一緒。好きなときに、好きなコースを選んで走れます。

▼ 参考記事

サイクルボールを、つかもうぜ!エントリーも参加費も不要で、記念品&特典あり!【そうさ今こそアドベンチャー】
空を駆け抜け山を越え 青のマシンで 今日も(意識が)翔ぶのさ この世で一番弱いヤツ、nadokazuです。 というわけで、本日の駄文はこちら! ぼっち自転車乗りだけが持つ、圧倒的な自由。 気の合う仲間たちとワイワイ走って楽しく過ごす、リア充...

ではあるのですが、大きな違いがひとつ。

それは設定された全てのコースが、「坂」であること。Japan peaksは「参加する」と「登坂する」が、思いっきり等号で結ばれるイベントなのです。

坂

僅かな脚力を一切の容赦なく奪い去り、心肺に回復不能な大ダメージを与え、全身の筋繊維を引き裂く地獄の一丁目。これまで幾度となく酷い目に遭わされて、積年の憎しみが詰まった場所。それが「坂」です。

「人前に出てこない坂だけが、良い坂だ」

坂はゴブリン同様の忌むべき存在であり、私は坂の非道を決して許しはしません。

そんなエサで俺様が釣られクマーーーー!!

参加したが最後、確実にヤバい坂を登らされる。こんな悪魔的イベントなんか、ガン無視するに限ります。徹底的にハードに完全スルーするのが、唯一無二の正解です。

だってそうでしょう?地獄を見るのが確実な場所に、わざわざ行ってキツい思いをする。そんなの正常な思考能力を持っていたら、超弩級のマゾさんでもない限り普通に避けますよね?

なんですが!

Japan peaksの公式サイトに、こんな記述を見つけてしまいました。

「希望する賞品は抽選となりますが、必ず賞品が当たります。」

な、なんだってー!!

期間内で3ステージ以上の走破を条件に、「必ず賞品が当たる」。執筆時点だと賞品の内容は未発表ですが、「必ずもらえる」というのはおトク過ぎでしょう…。

辛い思いをする坂が心底イヤだ!
近づくことすらしたくない!!

坂なんて大嫌いなのに…。それなのに…!

どうしても登坂せずにはいられないニンジンが、目の前にぶら下げられてしまいました。

何度でも書きます!「必ず」もらえる完走特典!!

こういう参加費無料のイベントって「賞品はあるけど抽選!結構な倍率だから普通にハズレです!はい残念!!」というケースがほとんどのように思えます。

まぁ、そりゃそうですよね。だって、無料なんだから。

Japan peaksも、参加費無料。普通に考えれば「賞品は当選者のみ!」だったところで、誰も文句は言えません。にもかかわらず!「3ステージを走れば、賞品が必ずもらえる」という、大盤振る舞いにも程がある設定になっています。

1ステージでも完走すれば、かなりキッチリ作り込まれた完走カードがもらえる。

富士山スカイライン 完走カード

そして3ステージ以上走破すれば、豪華(希望的観測)賞品が「100%確実に」入手可能!!

もう何度だって、繰り返します。「Japan peaksは、3ステージ走破で賞品が必ずもらえる」のです!!

執筆時点だと、どんな賞品がもらえるのかは未発表。ですがサイクルボールをはじめ、ルーツスポーツジャパンさん主催の他のイベントを見てみると、期待は高まるばかりです。

「こんなかにタダで参加できんのに、迷惑だって思ってる奴いる!?」
「カードや賞品がもらえんのに、“登坂”に日和ってる奴いる?」
「いねぇよなぁ!!?」

参加方法は簡単&無料!

そんなJapan peaksですが「100%賞品がもらえる!(いい加減しつこい)」ことのほかに、特筆すべきはやはり参加の敷居の低さでしょう。

なにしろ、参加費無料ですよ?
エントリー手続きとかも一切不要で、専用アプリを起動させながら指定のコースを走るだけですよ?

事前に準備が必要なのは

  • Japan peaks公式のLINEアカウント(LINE ID:@792mfdsz)を友達登録する
  • 専用アプリ「ツール・ド」をスマホにインストールする

ツール・ド専用アプリ

それだけ!

あとは開催期間中なら、いつ・どのコースを走ってもオッケー。それこそ金曜日の夜に、週末の晴天を確信してからスタートを決めたって全然大丈夫です。

大切なのは、「モノ」じゃない!それは、わかっているけれど。

たとえば「富士山に走りに行きたい」と思ってルートを検討しているときに、

スバルライン → 完走しても何ももらえない。

富士スバルライン

スカイライン → 完走すると認定カードがもらえる。

こんな条件が追加されてしまったら、選ぶ答えはひとつだけです。すべての自転車乗りは、1人残らずスカイラインに行くことを選びます(全日本陰キャ自転車乗り協会調べ n=1)。

そもそも「走りに行きたい!」と考えているところに、「タダでモノがもらえる」という付加価値がつくのです。それがカード1枚だろうと「ある」のと「ない」のでは、大違い。絶対に超えられない壁が、そこにはあります。

もちろん大量印刷されたカードに、本来は価値なんてこれっぽっちもありません。けれど「完走した記念品としてもらう」という体験が加わることによって、そんなカードが「思い出の1品」になります。

大切なのは、モノより思い出。それはわかります。だとすると、モノに思い出が詰めこまれたら、それって最強じゃないですか!

たかがカード1枚だとしても、楽しい思い出が形として残ってくれる。少なくとも自分にとって、これがモチベーションの源泉にほかなりません。

「登坂するなら、たとえ紙切れ1枚でもいいから何かもらえるほうがいい!」
とか
「あわよくば、豪華賞品をタダで手に入れたい!」
とか
「自分だけ特別いい思いがしたい!ちょっとだけでもトクしたい!!」
などという、俗物的で下世話な感情は微塵もございません…よ?
【本当】【本当】【本当】

Japan peaksの難易度、実はチョロいのでは?

執筆時点で発表されているステージは「富士山」「赤城山」「霧降高原」「ヤビツ峠」「筑波山」の5つ。揃いも揃って、この世の地獄をこれでもかと味わえる設定です。山岳国家に生まれた運命を、愚痴らずにはいられません。

なんですがその内容をよく見ると、意外なチョロさに気づきます。

たとえば筑波山ステージは、北条大池から不動峠経由でつつじヶ丘まで登る定番的地獄ルート。

不動峠はもちろん、その先のアップダウンや風返し峠から先の斜度を思い返すだけで泣きそうになります。

でも!

そうは言っても、登坂のスタート地点では完全なサラ脚です。そしてピークに辿り着いたら、あとはほぼ下るだけ(ゴール受付は筑波神社の近くにある「筑波山観光案内所」なので、ゴール後もアップダウンはあります)。

これが「サイクルボールつくいち」だとアップダウンありで70km以上走ったところに、同じく北条大池からつつじヶ丘までの登坂がブチ込まれてくるんですよね。

脚が削られまくった後にやってくる、一切の容赦が無い地獄タイム。そのうえ筑波山を登った後にも、ゴール前に追加のドギツイ登坂が残っています。

あれれー? それに比べたらJapan peaksって、実はずいぶんチョロいんじゃなーい?(チョロいとは言ってない)

というわけで、

賞品が必ずもらえて、サイクルボールよりラクチンなJapan peaks。その実態は「とっても手軽で、それでいておトクなイベント」だと言えてしまうのです(ラクチンとも手軽とも言ってない)。

実際に行ってみた。

そんなわけで、行ってみました。選んだのは富士山ステージのロングコース。全ステージで最も長くて最も獲得標高が高い、最高難易度のコースです。

貧脚野郎の癖に、どうしてわざわざ一番キツいコースを選ぶのか?

理由は簡単。先着200名に、富士山ステージ限定のオリジナルボトルがプレゼントされていたからです。

Japan peaks 富士山ステージ限定のオリジナルボトル

賞品獲得条件である「3ステージ走破」のうち、ひとつがクリアできる。そのうえボトルまでタダもらいできるなら、登らざるをえませんよね。どう考えても。

スタート地点である「富士山樹空の森」は、駐車場のオープンが7時30分から(執筆時点)。じゃあ走行開始はそれ以降で…と思ったのですが、挑むのは距離30kmの登坂です。時速2kmで15時間かかったとすると、午後17時の施設クローズまでに走り終えることができない計算。そうなると、当日にボトルがもらえません。

それに出発が遅くなればなるほど、気温だって高まっていく一方。登坂の途中で干からびてしまう危険性だって、加速度的に高まります。

そこで富士山樹空の森近隣にある、無料駐車場にクルマを停めておくことにしました。スタートした時刻は、朝の5時。

スタートから3km程度は、ほぼ平坦。ですが左折して富士山スカイラインに入ると、途端に坂がその牙を剥きます。ギアは即座にインナーロー。

富士山

雲ひとつ無い早朝の青空をバックに、そびえ立つ富士山。さすがに美しいなぁ…でも、これからあの山の途中まで登坂するのか…。朝の光に染まった富士山を眺めながら、心は絶望に染まります。

しばらく登坂すると、道路脇には距離を示した標識を見かけるようになりました。登れる方には便利な指標になるのでしょうが、貧脚にはちっとも嬉しくありません。自分にとってこの標識は、「かなり登ったつもりだろうが、実は全然なんだよ!」という現実を強制的に思い知らされる「絶望メーター」です。

距離を示した標識

登坂していてホンの少しだけ救いだったのが、ドギツイ斜度の区間がそれほど多くないこと。心を虚無にしてペダルを回し、嵐が過ぎるのをひたすら待っていれば自動的に富士山スカイラインの旧料金所ゲートまで到着できます。そのうえ手前には少し平坦区間があるので、脚をわずかに休めることができました。ステキ…!

富士山

ゲートの先はマイカー規制がされているおかげで、バスやタクシー、管理車両以外はクルマが通りません。静まりかえった上り坂で、一人ただひたすらに、ペダル踏みマシーンと化して坂に耐えるだけの時間が過ぎていきます。

富士山スカイライン

旧料金所ゲートを過ぎてから、相当な時間が経過しています。そろそろ、ゴールが見えてもいい頃だな…と思っているところに見えた「三合目駐車場 標高2000m」の看板。ゴールはまだ永遠の先だったのか…。

そしてなんだか、心なしか斜度が…キツくなっているような…?ここまで登ってきた疲労と合わせて、ツラさがグイグイと増していきます。

「これ以上ゆっくりできねーよ!!こっちはもうとっくに限界だよ!!」

と、看板に心の中でツッコミを入れる気力もとうに失われました。

富士山スカイライン

ふと富士山のほうを見上げると、はるか上に見える建物。…まさか、あそこまで登るの?さらに上書きされる絶望(あとでググったら、ゴールのさらに上にある建物と判明)。

そしてこの辺りの木のてっぺん付近では、風上方向の枝がことごとく引きちぎられていることに今更気づきました。いったい、どんな風が吹き荒れたらこうなっちゃうんでしょうか。

富士山スカイライン

「もうすぐ着く…まだまだ先だった…」
「さすがにもうすぐ着く…全然そんなことなかった…」

わずかな希望的観測をことごとく打ち砕かれながら、ようやくゴール地点の富士宮口五合目に到着しました。浮かんだ雲の先に、駿河湾沿いの街並みが広がります。

ハハハッ!見ろ!人がゴミのようだ!!

富士山スカイライン

スマホアプリ「ツール・ド」を起動してゴール地点でのチェックインを済ませたら、あとはスタート地点に戻るだけ。

下山の途中ですれ違う自転車乗りの皆さんは、これから登坂の地獄をさらに味わい続けます。でも、自分の進行方向は下りだけ。一切の登坂が、もうありません。

人が恐れおののきながら 坂を登っていく…
泣きながら登っていくんだ 
その様を…坂を下りながら見ていると 
もうそれだけで…しみじみ幸せを感じられる…

普段感じることのできぬ「ダウンヒル」という名の悦楽…
「登らなくていい」ことの愉悦…!

最低な感情を心の奥底にひた隠し、必要以上に元気に挨拶しつつ坂を下って、瞬く間に「富士山樹空の森」まで戻りました。

ゴール地点

ゴール地点でチェックインしたら、これでフィニッシュ!売店でボトルとカードを受け取って、ミッションコンプリートです!!

まとめ

キツい思いをするし、首都圏からは遠征が必要。
よっぽどの理由がない限り、わざわざ登坂に出かけるなんてことはしたくない。
少なくとも自分は、ずっとそう思っています。

それなのに!

「Japan peaks」は、そんな自分ですら坂に引きずり出します。

参加は極めてお手軽で、クリア条件だって「ひとつの峠を登るだけ」。それでいて、3ステージクリアすれば100%賞品がもらえるのですから、恐るべき大盤振る舞いなイベントとしか言いようがありません。

富士山スカイラインとタイレル

これ、少なくとも首都圏近郊住みなら、走りに行かない方が損じゃありませんか?こうなったら、残りの4ステージも登るとしますか…心底イヤだけど…。

【おまけ】

下山途中に、信じられない光景を目撃しました。それは、さっき瀕死状態で登坂していた坂を、スイスイ登ってくる緑色の自転車。よく見ると自分のTyrell FSXよりもホイール径が遥かに小さく、超コンパクトなボディです。

この自転車の名前を、私はとてもよく知っています。

「Pacific Carryme」。

もう一度いいます。「Pacific Carryme」

あまりにキツい登坂に、いよいよ幻覚が見えるようになったのか? と思ったら、どうも幻覚じゃなかったみたい。

キャリミ乗りの皆さんは、やっぱり変たi…(原稿はここで途切れている)

▼ 参考記事

Pacific Carry Me。一般サイクリストを笑顔で沼に突き落とす、プリティでキュアキュアな「やばいやつ」。
私は鳴嶋ゆうm…すみません、すみません!! ギアがあっても脚力が足りてない駄文書き、nadokazuです。 Pacific Carry Me。CBN Blog読者の皆様方には、あらためてご説明する必要はないでしょう。極小径折り畳み自転車の、...
著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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