よみもの

自転車旅にはフィルムカメラを持っていこうね、という投稿がじんわりと人気に

友好的なお知らせ・自転車旅には小さいフィルムカメラを持っていくのを忘れないように…という投稿を海外掲示板のバイクパッキングコミュニティで見かけました。

リンク先のスレッドでは、スレ主さんが米国ユタ州・ロックハート峡谷付近で撮影した思われる、とてもいい感じのフィルム写真を5枚見られるのでまずそちらをご覧ください。コメント数が多く、気になる方が多いようです(フィルムを使ったことがない人がたぶん大多数なのかも)。

出典 Friendly reminder to pack a small film camera with you on your trips.

目立ったコメントからいくつかご紹介します。

  • あなたのクリエイティビティのほうがより大事だと思います、あなたが良い目を持っているので、カメラがそれに追随しているのです(84いいね)
  • これは素晴らしい写真ですね、しかしこの温かさと「低解像(low-res)」感も好きです。エピックな旅だったようですね!(18いいね)
  • 美しい写真ですね! 土の色がすごく好きです、何のフィルムを使いましたか?(24いいね)
  • (スレ主さん)これは(Kodak)Gold 200でした(22いいね)
  • 写真家ではない者から素朴な疑問です。古いフィルムカメラで撮った場合、スマホで撮って粒子・フィルムフィルターをかけた時と違うフィールやスタイルが得られるのでしょうか?(5いいね)
  • (スレ主さんが上の方へ)間違いなくそうです。光がケミカルに対して行う反応は、CMOSセンサーへの反応とは全然違います。フィルムだとシンプルでユニークなトーンと露出が得られます。個人的には、フィルムには好みの特徴があるのと、結果がすぐにはわからず、1000枚撮って最高の1枚を選ぶ、ということができないのがとてもいいし、それは自転車に乗るというアナログ精神と相性が良いと考えています。勿論、必要は100%ないものですけれど(20いいね)
  • こういうものを撮るのに小さくて良いカメラのおすすめリストがあれば嬉しいな!(6いいね)
  • (スレ主さん)Olympus XAシリーズがいいですよ!(8いいね)
  • 俺もどのライドにもXAを持っていくぜ。大好きだ!(5いいね)
  • 予算にもよるけれど、一般的に言って古いContaxは素晴らしいですよ。Olympus 35spも間違いないチョイス。マジでガチでやるならFuji 645かFuji GF670。35mmレンジファインダーより少し大きいですが、中判(ミディアムフォーマット)としてはかなりコンパクトで中判の美しさをそのまま得られます(6いいね)
  • いい写真ですね!私は普段Nikon L35AF, Canon EOS 30v, それかFuji 645を自転車旅に持っていきます(3いいね)
  • デジカメはライドを撮影会にしてしまうことがありますが、フィルムカメラだとライドはライドのままにしてくれますね。何枚撮るか計画しておかないといけないところ、旅が終わるまで結果がわからないところが好きです(1いいね)
  • (スレ主さん)(フィルムカメラは)2024年ではかなりバカらしいメディアですが、遅れてやってくる満足とフィルムの特徴のせいで使い続けてしまいます。私は写真家ではなく、これはただ出かけた時のスナップショットです(13いいね)

私自身もカメラ・写真好きなのですが、ここ数年はフィルムで撮影したことはありません。しかしこのスレッドを見て、久々にフィルムを使いたくなってうずうずしてしまいました。スレ主さんが愛用しているOLYMPUS XAは、私も数モデルを使っていたことがあります。手のひらサイズのコンパクトカメラとして、世界的に名機として認知されていると思います(可愛くて集めたくなるから要注意。レンズは35mmタイプと28mmタイプの機種がありました)。

考えてみると、音楽の世界でもシャープでカリカリしたハイファイな音質以外に、ローファイ(Lo-Fi)なサウンドが再評価されていたり、ビニールレコードやカセットテープの売上が伸びている、みたいな話とも少し関連がありそうな気もします。キーワードは「アナログ」なのでしょうか。

実際にフィルムカメラで撮影し、現像・プリント・整理するのはデジカメに比べると結構手間になりますし、出費もかさみます。デジタルでも保管しようとなるとさらに大変になるので、フィルム未体験の方は「デジタルと同じような利便性」を求めてしまうとたぶんやめてしまうと思うので「全く新しい体験を楽しむ」ためのものと考えたほうが良いとように個人的には思います。

ある意味で不便さを楽しむところもある自転車旅・ツーリング、キャンプ趣味と共通するところも間違いなくあると思います。すぐに結果を求めるのではなく、計画やプロセス自体を楽しむというところも似ているのでしょうか。うまく説明できないのですが、なんとなくキャンプ・ツーリング趣味と通底したものは感じます。

フィルムカメラはだいぶ前から完全に消滅すると言われてきたのですが、フィルムメーカー各社は製品の製造終了を発表したかと思えば、数年後に再販を発表したりしています。興味深い現象ですね(さーて何を買おうかな… EktarもPortraもTri-Xもまだ普通に売られていることを知って驚き)。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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