前回の!ラb…第一部で、伊豆箱根鉄道・駿豆線サイクルトレインの概要と利便性について学んだnadokazu。第二部では、実際にサイクルトレインに乗車。西伊豆サイクリングにおける、超絶な利便性を現地で走って確認します。
▼ 第一部
というわけで、本日の駄文はこちら!
実際に乗ってみた。
伊豆箱根鉄道・駿豆線サイクルトレインが、西伊豆サイクリングによさそうだ!ということは、よくわかりました。それでは実際に乗車して、静岡県沼津市の内浦エリアに向かうことにしましょう。
早起きは、輪行でラクをするために。
まずは東海道線の沼津行きに乗車して、三島駅に向かいます。朝早くて泣きそうですが、あとの時間帯だと小田原止まりだったり熱海止まりだったりで、乗り換え必須になってしまいます。自転車を運んで乗り換える手間と早起きを天秤にかけたら、もう早起き一択です。
三島駅では、伊豆箱根鉄道の1日乗り放題切符を購入します。理由はわかりませんが、非常にカラフルなイラストが描かれた券面でした。
駅員さんから切符を受け取って、その場で輪行解除。サイクルトレインは先頭車両からの乗車なので、改札を抜けてホームを押し歩きします。
わかっていたけど、圧倒的にラクチン。サイクルトレインは、本当にありがたい施策です。自転車を乗務員室の後ろに立たせたあとは、手持ちのストラップで車体を固定して万一の転倒を予防します。
三島を出てから5駅目の、韮山駅で下車。係の方がいらっしゃらなかった(韮山駅は駅係員時間帯配置駅)ので、改札手前のインターホンを使って係の方とお話ししてカメラに切符を提示。確認していただいてから、改札を抜けました。
駅前で自転車に跨がって、そのまま走り出します。サイクルトレインにはもう何度も乗っていますが、押し歩きでホームから改札に移動するのは未だに不思議な感覚を覚えますね。
快走&写真撮りまくりの、内浦サイクリング!そして…
坂もストレスも一切無しで、内浦エリアの入口とも言える口野口交差点に到着できました。沼津駅出発とは、比較にならないスムーズさです。これは素晴らしい!次に内浦へ行くときも、間違いなくこのルートを選びますね。
空には少しだけ雲が出てますが、気持ち良い冬晴れの朝です。太陽光が波に反射してキラキラ輝く様子を見ていると、多幸感に包まれまくり。とんでもなく澄みわたった水面が織りなす内浦湾の景観には、何度来てもいちいち感心させられます。味方なんだ、空も、この海も!!
ちょっとだけ失敗だったのが、到着時間が早すぎたこと。お店も施設もまだまだ営業時間前で、どこも開いてる様子がありません。
でもまぁ、このエリアは海沿いをダラダラ走るだけで、十分以上にハッピーになれます。それに、海の向こうの富士山も今日はバッチリ。このまま大瀬崎のあたりまで走って戻ってくる頃には、営業開始時間になっているでしょう。
お店が開いたら内浦を舞台にしたリアル脱出ゲームでも買って、現地で遊んでみましょうか。うーん、夢が広がりんぐ!
あちこちで自転車を止めては写真を撮って、海沿いをゆるゆると走行。しばらくすると、県道127号線との分岐に到着しました。
「凛は知ってるよ!ここを左折すると、凶悪な斜度の登坂がずっとずっと続いてるってこと!」脳内星空氏が、緊急警告を発します。
そうなのです。県道127号線に向かうと、真城峠と戸田峠を経て西伊豆スカイラインに至ります。そこは斜度10%超のやべー坂が延々と続く、まさに地獄の一丁目。
以前ロードバイクで迷い混んでとんでもない目に遭ったのは、消えない負の遺産として記憶に刻み込まれています。そのうえ今日の自転車は、フロントシングルのTyrell Ive16。峠越えなんて、設計時の想定用途に絶対入ってないですよね。
おかしい…坂には行かないはずでは…?
私は、ツラい思いをする登坂がイヤです。ジャージに背負った「Flat Road Lovers」の登坂禁止エンブレムに誓って、坂方面には行きません!峠も登坂も、ダメ、ゼッタイ!
…それなのに!
どうして目の前に、垂直に立ちはだかる高い壁みたいな坂道があるんだろう?
どうしてずっと、立ち漕ぎを続けているんだろう?
どうして腕も脚も心臓も、断末魔の叫び声をあげているんだろう?
正直に申し上げます。わたくし、調子に乗りました。
「このところ体重も減ってきたし、いまの脚の状態なら西伊豆スカイラインまで割と労せず登れちゃうんじゃね?」
とか、舐めたことを思っていました。自転車の神様、心から懺悔します。だから…だから…タスケテ…お願い…。
このルートで最悪なのが、真城峠を越えるとしばらく下りになるところ。血を吐く思いで獲得した位置エネルギーを強制的にポイ捨てさせられた挙句、そのあと下った分&プラスαをもう一度登らされます。しかも、どぎつい斜度のエグい坂。これ、なんていう賽の河原の石積みですか?
爽やかに自分を抜いていくロードの方に嘲笑されつつ(一方的な被害妄想)、ようやく西伊豆スカイラインの絶景ポイントに到着。やっぱり富士山が見えると、全然違う景色になりますねー。苦労が報われる瞬間です。
▼ 参考記事
特典満載!駿河湾フェリーで清水港へ!
さてさて、ここまで来てしまったら、もう引き返さず先に進んでしまいましょう。だって、この先にもう登坂は無いのですから!
船原峠に着いたら、土肥までダウンヒル。土肥港から清水港まで、駿河湾フェリーに乗船することにしました。
もちろん、事前に電話で運航状況と空席状況は確認しています。坂を下ったあとに欠航中とか空席無し!とかだったら、再び地獄を味わうことになりますからね。しかも、ここまでの登坂でライフを全喪失した脚で!
チケット売り場で渡された用紙に、住所・氏名・往訪した静岡の観光地を記入して提出したところ、なんと半額の割引が適用されました。どうやら期間限定で、半額割引のキャンペーンを実施中のようです。
大人運賃 通常2,300円のところが、半額の1,150円!
自転車運賃 通常500円のところが、半額の250円!
なんと合計1,400円の割引!通常運賃で実に50%相当となる、とんでもない金額がお得になっています。そりゃ半額キャンペーンですからね。
公式 駿河湾フェリー公式サイト 【新年も延長します!】1月1日以降の半額割引キャンペーンについて
それだけではありません!
県道223(フジサン)ロゴマークの入った、サコッシュがプレゼントされました。こちらは先着1,000名のサイクリスト限定キャンペーンのようです。
公式 駿河湾フェリー公式サイト サイクリスト限定!ノベルティプレゼントキャンペーン
いただいたサコッシュは、厚手の生地に入口を留めるボタンが配されています。プリントや縫製もしっかりしていて、普通に売り物になるレベルのクオリティで安っぽさ全然なし。本当にコレ、タダでもらっていいんですか?
別料金の豪華ルームで船旅がより快適に!
しばらく待っていると、フェリーがやってきました。で、でか!! 東京湾フェリーの1.5倍ぐらいのサイズに見えます(実際は駿河湾フェリー約83mに対して東京湾フェリー約79mなので、そこまでの差ではないみたい)。
自転車専用の待機スペースに自転車を置いて、指示を受けたら乗り込みます。車両甲板での固定は、係の方にお任せでした。
船内には別料金の特別室「オーシャンルーム」があって、500円で利用することができます。半額になった運賃を充当すれば全然ペイできてしまうので、つかの間の上級国民気分を味わうべく潜入してみました。
通常船室とは違う、リクライニングする大ぶりのシート。ふかふかソファー。さらに「ぽんこつポン子」の全巻ラインナップと、値段相応の豪華ルームです。
無料のコーヒーサービスがあるので、これ実質無料ですわよ、奥様!
湾内航路とはいえ、駿河湾は太平洋にほぼ直結しています。運航中は、結構な揺れがありました。とはいえリクライニングシートに身を委ねていると、それはただの1/fゆらぎ。登坂の疲れと早起きもあって、瞬く間に眠りに落ちました。
気付くともう清水港。下船後は静岡駅まで10kmほどを走行して、新幹線で自宅へ戻ります。サイクリングに船旅をプラスすると、より楽しくなることは認識していましたが、駿河湾フェリーは思ってた以上にすごくイイです! オススメ!!
▼ 参考記事
まとめ
伊豆箱根鉄道 駿豆線のサイクルトレイン利用によって、フロントシングル小径車でも西伊豆スカイライン越えが可能であることを、期せずして証明してしまいました。
ド貧脚の自分にこれがクリアできたのですから、普通の脚力をお持ちの皆様なら天城峠を越えて河津へ抜けたり、松崎や波勝崎など伊豆半島のさらなる奥地を目指すことだって、じゅうぶん視野に入るでしょう。間もなく、本格的な自転車シーズンがやってきます!ぜひチャレンジしてみてください!(生きて戻れるかは不明)。
私?伊豆箱根鉄道のサイトで紹介されている、沿線の名所旧跡スポットを巡るサイクリングをゆるーく楽しみます!