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「きづきベル」の賛否はネットで議論しないほうが良いセンシティブ案件なのかもしれない

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「きづきベル」という有名な製品があります。こうやってサドルやハンドルなどに吊るしておくと、振動の多い路面では揺れて鳴動してくれます。チリンチリ〜ン、というほど明るいベルの音ではなく、もう少し控えめなリン、リン、という感じの音。熊よけの鈴を想像してもらえればわかりやすいかもしれません。

「きづきベル」の賛否はネットで議論しないほうが良いセンシティブ案件なのかもしれない

私はこの製品が好きで、以前から愛用してきました。どんな感じで使っているかというと、やむなく歩道を走っている時、前方で横並びに歩いていて道をふさいでいる高校生の集団とかに「気づいてもらえたらラッキー」くらいの意識。どけどけ、という気持ちは微塵もないですし、あくまで歩行者最優先。ほんとこちらに気づいてもらえたらありがたいという気持ち。

「きづきベル」の賛否はネットで議論しないほうが良いセンシティブ案件なのかもしれない

そういう意味で、便利でいいものだな、と思っていたのですが、先日「こんなもんダメだ、本質的には使ってはいけない自転車のベルと同じものであり、認められない」という意見が存在することを知ったのでした。

これはちょっと思いがけない意見だったので、急遽Twitterでアンケートを取ってみることにしました。

57% vs 43%。これは見事に割れましたねぇ!

同時に様々なご意見をいただきました。賛成派・反対派、様々ありました。拝読していて思ったのは、これはインターネットで議論しないほうが良い案件のひとつだ、ということです。

これはどんな気持ちで使っているか、どこまでなら自分は許せて、許せないか、という「温度差」と密接に関わってくるテーマで、文字コミュニケーションってそういう議論にはほんと向いていないんですよ。それは10年くらいCBNの運営をしてきて痛感したことのひとつです。こういう話題は、顔を見ながら声を使ってやったほうが意図が伝わりやすい。

個別の状況を想定して、精密な議論をしないと、このアイテムの賛否を巡ってはたぶん不毛な戦争が起こりますw そのため、私はこのアイテムの賛否、可否について今後はコメントしないと思いますが、想定していたよりもずっと多くの、半数に近い方々が「使わないほうが良いと思う」と回答されたことを踏まえて、今後はこの製品ともっと慎重に付き合わないとな、と思わされました。

この「きづきベル」をジャカジャカ鳴らしてオラオラどけ〜という感じで歩道を走るのは論外ですし、かりにこちらが遠慮がちに「すみません…」という感じで使っていたとしても、歩行者は威圧的に感じてしまう場合もありうるわけですよね。なかなか難しい。

ただひとつだけ言えるのは、山なんかではいいんじゃないかということ。これはTwitterでもご意見いただきましたが、クマ対策、イノシシ対策、ハンター対策としては有効ではないかと思います。

まあ「のんびりヒルクライム」ではなかなかいい感じに鳴ってくれなかったりするのですが、林道、トレイルでは良いものではないかと思います。それものんびり山歩きをされている方には騒音だったりするのかもしれませんが、いや、やはり動物が出ることを考えたら… これも異論が出るのかな。

たとえば東京西部に、多摩湖狭山湖林道というオフロードがあります。ここなんかとても静かで気持ちの良いところで、高齢の方がのんびりウォーキングを楽しまれていたりします。道の見通しは悪くないし、クマもたぶん出ないでしょう。ハンターもいない。そういうところでこれが鳴ったら、うるさいと思う人もいるかもしれない。

だから「林道ならいいんじゃない」とも一概には言えない。ネットだとこういう議論が少し難しかったりするんですよね。

とにかく「これは自発的に鳴動するものだ、自分で鳴らしているわけではない」というのはたぶん甘えで、免罪符にはならないのでしょう。それを踏まえた上で、うまく使わないといけないものだな、とあらためて思いました。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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