小ネタです。インスタのおもしろミームアカウントFeedzone Newsにこんな投稿がありました。題して「52の在庫がある店主、あなたのサイズが52であることを確信」というもの。
店主さん、自信に満ちた表情ですw これは違っていても断りにくいですねぇ!(笑)
必ずしも在庫処分ではないことも
つまり在庫処分したい52サイズのロードバイクなどがあり、お店に来たお客さんの適正サイズが52でなくとも売りつけようとしている店主、という設定の冗談です。笑えた方は何らかの心当たりがあるのではないでしょうか。
私自身はショップでこうしたことを言われたことはありませんが、他のお客さんが似たような状況に陥っているのを目撃したことはあります。
なるほど、あなたの身長なら乗れないことないですよ! 最後の1台でお買い得ですしね、これでも大丈夫ですよ!
だがしかし。必ずしもその店主が適当なことを言っているとは限りません。
実際に自分の身長や股下といったいくつかの基本的なパラメーターに適合するフレームサイズが2つある場合、一般的には(あくまで一般的には、ですが)小さいサイズのほうが乗りやすい・扱いやすいと言われます。
そのため自分はいつも54なんだけどなぁ… という方に52がおすすめされても特におかしいことではない状況もあるでしょう。
そういう状況を見越してか、上の投稿にはこんなコメントが寄せられています。
適正なサイズの自転車を売ろうとしているのに、あるネットミームのせいで信じてもらえない、なんてことがあるとたまらないな
それに対して投稿者はこんなふうに回答。
もし誰かがこんなミームを参考に購入の意思決定をしたら… えぇぇぇぇぇぇー
シートチューブ長と水平換算ホリゾンタルトップ長
それはさておき、そもそもこの「52」のようなサイズは大まかな目安にしかならないのも事実です。
一般的にこれらの数字は「シートチューブ長」が何cmかを表していますが、その計り方も下はBB中心からだったり、BB上からだったり、上はシートチューブ上端だったりトップチューブ上端だったりとメーカーによって違いますよね。
そのため「私はメーカーAの52に乗っているからメーカーBでも52を選べば間違いない」とは言えません。参考にはなりますが、決定のための最終的な数字にはなりえません。
「シートチューブ長」よりも参考になるのは「水平換算ホリゾンタルトップ長」です。これはトップチューブがスローピングの場合でもホリゾンタルの仮想値を示したもの。一昔前までは、この「水平換算ホリゾンタルトップ長」を参考にフレームを選ぶのが一般的でした。
リーチとスタック
しかし近年では「リーチとスタック」で選ぶ、という考え方がより普及しています。
- リーチ:BB中心からの上方向への垂線とヘッドチューブ上面中心からの垂線とのあいだの距離
- スタック:BB中心からの上方向への垂線がヘッドチューブ上面中心からの水平線に交差するまでの高さ
と、言葉にするとややこしいのですが(垂線はいずれも地面に対して)、図で見ると一発でわかります。下はCannondale CAAD13のジオメトリーから。
最近はこのリーチとスタックの値が載っているジオメトリ表が多いので、それを参考にすると自分がいつも乗っているフレームと比較して検討することができます。
だがしかし。最初の1台を選ぶ方にとっては、自分に適性なリーチもスタックもわからないはず。
ここがショップの腕の見せどころで、身体の各所を採寸してくれたり、どんな乗り方・楽しみ方をしたいのか聞いてくれたり、身体の柔軟性について聞いてくれたりするのはまっとうなところでしょう。
その上で「在庫処分中のサイズ52」があなたにぴったりです、という話になることもあるでしょう。
さて上の投稿に対して別のコメントを紹介します。
(店主)スプリンターは小さいバイクが好きなんだよ。君は遅い人じゃないだろう? 遅くわけないだろう?
え、ええ…遅くは…ないですよ! この52、ください! などと見栄を張ってはいけませんw 小さめが良いことが多い、とは言っても小さすぎても問題です。ちゃんと数字の話をした上で、簡単でもいいのでバイクにまたがった状態の姿勢についてアドバイスをもらったりするのが良いですね。