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「特大荷物スペースつき座席」って、「新幹線輪行の終わりの始まり」なのかも?

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「東海道・山陽・九州新幹線で、特大荷物の持ち込みが予約制になる」という発表。いろいろな記事を読む限り、鉄道会社のスタンスとしては「輪行を否定するものではない」とのこと。

それなら事前にスペースが確保できる分、自由度は減りますが確実性は高まるので歓迎すべきなのでしょう。

▼iPhoneで流し撮り

iPhoneで流し撮り

なんですが、輪行袋に入れた自転車。特にサイズの大きなロードバイクの取り扱いについては、もにょった感じを残している印象が否めません。

というわけで、新幹線に乗ってサイズ測ってきました!

座席後ろのスペース、サイズを測って見た結果

座席の後方スペース、どれぐらいのサイズなの?

いろんな記事を読んでみましたが、どうもハッキリしません。ここはもう「百聞は一見にしかず」でしょう。というわけで、東海道新幹線の「特大荷物スペース」予定地の面積を、こだま号に乗車して測ってきました。

▼車内は無人。まぁ、上りの始発列車、しかも先頭車両の指定席ですからねぇ。

新幹線指定席

▼人目が皆無なので、思いっきり測りまくり。奥行きで、いちばん狭い箇所は約490mm。

座席の後方スペースの奥行き

▼手すりまで含めると、3列座席の横幅はだいたい1,570mm。

座席の後方スペースの横幅

とまあ、こんな感じでザックリとした計測をもとに、作図してみました。精緻とは言いがたい感じですが、実サイズと大きくかけ離れてはいない…はず(自分、つくづくこういうの向いてません…)。

そこにオーストリッチのWEBサイトに書かれていた輪行袋のサイズをもとに、特大荷物スペースを自転車がどれぐらい占有するかざっくりシミュレートしてみました。

▼3列側

特大荷物スペースを自転車がどれぐらい占有するかざっくりシミュレート

▼2列側

特大荷物スペースを自転車がどれぐらい占有するかざっくりシミュレート

うーむ、大型トランクと輪行自転車を共存させようとすると、スペースが普通に足りなくなるのではないでしょうか? 縦型でコレですから、ましてや横型ならなおさらです。

予約した特大荷物スペースに巨大トランクが置かれていて、輪行袋入りの自転車を置くにはスペースが足りなくて詰む

とか

輪行自転車とトランクが収まったとしても、リクライニングできなくなってイヤな顔される

なーんてことになったりしそうな雰囲気が、今の時点でもプンプンしますよ?

デッキに新設される「荷物コーナー」に置けばいい?

今回の制度に合わせて、デッキに「荷物コーナー」が新設されることも発表されました。座席後ろがスペース不足なら、そっちに置けばいいんじゃね?と、思ったりもしたのですが、公開されている図を見ると大きなトランクを縦積みで収納する想定になっています。

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/190829_01_nimotuokiba-1.pdfより引用

デッキに「荷物コーナー」が新設される

設置場所の図だけ見ていると、奥行き方向は3席分近くありそう。輪行袋入り自転車もなんとか収まってくれるのではないか、という期待が持てます。

なんですが、イメージイラストのほうを見てみると、あっれー?どうやら上下方向のサイズが、明らかに不足してそうな雰囲気じゃないですか。

正式なサイズが判明するまでは断言できませんが、新設の「荷物コーナー」は輪行自転車の置き場としてあまり期待できなさそうです。

「特大荷物スペース」を予約すれば、本当に安心して輪行できる?

そうなると、やはり最後尾席後部の「特大荷物スペース」が自転車を置く場所になるでしょう。

最後尾席後部の「特大荷物スペース」

事前予約さえしておけば、スペース確保は確実。それに帰路だって、多少乗車時刻をずらして、特大荷物スペースが空いている列車を予約してしまえば何の問題もありません。

と、安直に考えていたのですが、JR東海のサイトの記述を見ていて、少し、いや、かなり不安になりました。

「特大荷物スペースつき座席」のルール、一見当たり障りなさそうな記述ばかりに見えます。なんですが、よくよく読んでみると「お前ら、もう新幹線で輪行禁止な!」と間接的に言われているかのような、ヤバい規定になっていないでしょうか?

「特大荷物スペース」は5名での共用。だがしかし…!

輪行袋に入れたロードバイクは、2〜3座席分の横幅を確実に占有します。最後尾座席後ろの「特大荷物スペース」は5名での共用なので、その点に問題はありません。

根拠は以下。

特大荷物スペースつき座席 事前予約|JR東海 より引用

「特大荷物スペースつき座席」(最後部座席)をご予約の方(5席・5名様)で共用

「特大荷物スペースつき座席」(最後部座席)をご予約の方(5席・5名様)で共用いただくこととなります。ゆずり合っての荷物収納をお願いいたします。

と、共用であることがハッキリ明示されています。

荷物の横幅が自席の幅を超えることで、文句を言われる筋合いは一切無いように思えます。

…なんですが、別項の「特大荷物持ち込みの流れ(2020年5月ご乗車分より)」の項目を見てみると

特大荷物スペースつき座席 事前予約|JR東海 より引用

特大荷物持ち込みの流れ

2.乗車後、指定された「特大荷物スペース」(予約した座席の後ろ)に荷物を置いてください。

つまり「特大荷物の置き場は、自席の後ろであるとする見出しが、オレンジの太文字で記載されています。

しかも、それだけではありません。「特大荷物スペースつき座席」のルールが適用されない自由席においても、こんな記述が。

特大荷物スペースつき座席 事前予約|JR東海 より引用。

「特大荷物スペースつき座席」のルールが適用されない自由席のルール

自由席など、「特大荷物スペースつき座席」の設定のない車両最後部スペースについても、今後はその直前座席のお客さまに優先してご利用いただくようお願いいたします。

ええーっ!制度適用後は、すべての車両の最後尾スペースが「これまでのような、早い者勝ちではなくなる」のかい!?

「(予約した座席の後ろ)に荷物を置いてください」
「直前座席のお客さまに優先してご利用いただく」

これだけの記述を見てしまうと、確かに「共用」と規定されてはいるものの、そこはあくまでも「鉄道会社からのお願い」の範疇でしかないような印象。

N700系新幹線

あえて悪い方にだけ解釈と想像を膨らませてみると、結局のところ

自分のスペースであることを堂々と主張できるのは、自席後方の横幅1座席分のみ!(それも自由席だとしても例外にならず、全車両で!)

という空気が支配的になりそうなんですが、そんな風に思っちゃうの自分だけですか?

輪行サイクリストは、思いっきり不利な立場に?

そうなるとデフォルトで自席後方の横幅を思いっきりハミ出す荷物を持った輪行サイクリストは、乗車したその瞬間に「他の最後尾席に座っている方に譲歩をお願いする不利な立場」に否応なく立たされることになります。

座席の後方スペース

自分の自転車が邪魔になってしまったら、荷物の置き方を調整するために頭を下げることが間違いなく必要になるでしょう。

自分はスペースを譲り合うことに、なんの抵抗感もありません。お互い気持ちよく旅ができれば、完全にWin-Winだと思っています。ですが、こちらから調整をお願いすることになった場合、相手が同じように思ってくれる確証は残念ながらゼロです。

新幹線発車時刻の電光掲示板

もちろん、「ルールでオッケーなんだから、堂々と置いてオッケー!」ではあります。

たとえば「2列席後方のスペースを予約したけれど、3列席後方のスペースに自転車を置く」というケースだって、「特大荷物スペースは5名で共用する」というルールなのでNG要素は一切無いはずです(5人分の荷物が収納できれば)。

とはいえ、案内に大きく書かれている特大荷物の置き場は「自席の後ろ」。しかも、自由席においても「直前座席に座っているお客様が優先」となっています。

ルールとしては「共用」。なんども書きますが、ここは間違いありません。だとしても、優先されるのは「直前の座席」なんです(自由席だとしても!)。

特大荷物スペースつき座席の制度に、しれっと紛れ込んでいるこの「自席後方最優先規定(勝手に命名)」。これが「自由席を含む、すべての車両」で適用されてしまう。

そうなると指定席にいようが自由席にいようが、隣の席に座った方に「自席の後方はアテクシだけのスペース!ムキー!!」と頑なに主張してこられると、もう、どこにも勝ち目がなくなりますよね。

やっぱり輪行自転車は邪魔者扱いで追い出される流れになってないですか?

「輪行を否定するものではない」って、本当にそうなの???

東海道・山陽・九州新幹線で輪行すると、特大荷物スペースつき座席どころかその設定がない自由席でも、「自席後方の横幅をはみ出す輪行自転車」は常に恐縮・萎縮しながら輪行せざるを得ない状況になりそうです。自分が悪く考えすぎなだけ、かもしれませんけどね。

東海道・山陽・九州新幹線で、不安なく輪行するには?

2列側の「特大荷物スペースつき座席」を、2名で予約する。

面倒を避けて輪行するなら、もっとも確実な方法はコレでしょう。もちろん3列側を3名で予約する、というのも同様です。

自席の後方を、仲間内で占有してしまう。これならルールにだって、完全に合致します。誰からも文句を言われる筋合いが無い、完璧としか言えない布陣です。

ただし!そこには、とてつもなく…とてつもなく高くそびえ立つ壁が、行く手を阻みます。

そう、自席の後方を占有するには「一緒に輪行ツーリングに行く同行者がいること」が、100%の前提になるからです。

えっ…!あなた、一緒にライドに出かける友達…誰も…いないの!?

ちょ、ちょっとそこの人!哀れみの視線でこっち見るのやめてぇぇぇー!!(号泣)

ぼっち輪行は、「始発駅で自由席に並ぶ」のがいちばん現実的?

「特大荷物スペースつき座席」の制度が適用になることで、輪行視点ではどうやら「荷物スペースを着実に抑えられる」というメリットよりも「自席の幅をハミ出す自転車を持ち込むことで、むしろ面倒に巻き込まれそう」という不安要素の方が大きくなるのではないか? そんなふうに思えてなりません。

ロンリーロンリーロンリーロリー♪な、ぼっち輪行サイクリスト。そんな自分が面倒を避けて輪行する方法は「特大荷物スペース付き座席」はもちろん、その適用がない車両の指定席や、自由席でも無くなってしまいました。

N700系新幹線

いずれにしても、面倒に巻き込まれる可能性がゼロじゃない。どれを引いてもババ。その限られた選択肢の中でもっともマシなのは、いろいろ考えた挙句「始発駅で列の先頭に並んで、自由席の2列側最後尾座席を真っ先に確保することだろう」という結論に至りました。

横浜在住なので東海道新幹線だと新横浜が最寄り駅なのですが、「東京駅まで戻って、自由席が設定されている列車に並んで、2列側の最後尾席に乗車する」ということになりそうです。

東京〜新横浜分の往復運賃が余計にかかりますし、全席指定の列車は選べなくなってしまいます。

新幹線発車時刻の電光掲示板

が、この方法であれば隣に座った方に「自席の後ろが優先!邪魔だから荷物どかせコラ!」と強硬に主張されない限りは、面倒に巻き込まれるリスクを最小にして目的地にたどり着けそうです。

あと車椅子席のある車両は、車椅子の方が乗ってこられなければ1座席分のスペースがガラ空きだったりしますが「輪行のためにその席を抑えよう」というのは、さすがに発想が下衆すぎると思いますね。

ブロンプトンなら…ブロンプトンなら!

「特大荷物スペースつき座席で、ロードバイクの新幹線輪行」は、ぼっち輪行野郎の自分にとって分が悪くなることがもはや確定!そんな不安がつのります。

ですが、絶対に、確実に、100%の確率で、不安を払拭できる方法があります。もちろん、妄想なんかではなく現実に。

そう、ブロンプトンです。

BROMPTON CHPT3

ロードバイクじゃなくて、ブロンプトンで輪行すればいいのです。そうすることで、あらゆる課題は雲散霧消して一気に解決します。

畳んだブロンプトンなら、そもそも特大荷物に該当しないサイズ。特大荷物スペースでなく、座席に持ち込んだとしても余裕ありまくりです!

ブロンプトンを買った自分、大・勝・利!!
ドンドンドン!パフーパフー!

…そう思っていた頃が、自分にもありました。

新幹線に乗車して、実際に試してみました。畳んだブロンプトンは、座席前のスペースに入ります。余裕で。まあ、これは想定内ですよね。

…なんですが、横幅は1座席分をわずかに超えていました。

ガーン!なんということでしょう! 窓際席にブロンプトンを横置きにすると、隣に座った人の膝にサドルが当たる可能性が思いっきり大きいのです。

ブッブー、ですわ!

▼はいアウトー!輪行警察だ!迷惑輪行行為の罪で貴様を処刑する!!

ブロンプトンでの新幹線輪行

いかにブロンプトンと言えども、座席に持ち込むことはできないのでしょうか…?

まだだ…まだ終わらんよ!

諦めちゃダメなんだ!その日が絶対来る!

そう「横置き」がダメなら、「縦置き」にすればいいんです。自分のあしもとスペースは半分以上埋まってしまうものの、隣の人には絶対迷惑をかけません。

というわけで、ブロンプトンを回転させてみました。…成功です!

あれ?でもよく見てみると、これだと隣の人に迷惑はかけませんが、前の人がリクライニングできなくなっちゃいますね…。

ブッブッブー、ですわ!

▼はい、ツーアウトー!輪行警察だ!迷惑輪行行為の罪で貴様を処刑する!!

ブロンプトンでの新幹線輪行

もはやブロンプトンですら、東海道・山陽・九州新幹線には大手を振って持ち込めなくなってしまう…のか!?

だがしかし!!降りてきたぞ!ギリギリで…!悪魔的閃き…天啓が…!

気付けば何のことはありません。前に座ってる人がリクライニングできなくて困るなら、前に座る人がいない座席を選べばいいじゃないか、いいじゃないか!!!

そう、最前列窓側席。そこなら、誰にも迷惑をかけずに、ブロンプトンを席まで持ち込めます。輪行警察に連行されて処刑される心配も、もうありません。

▼やった…やったの? 夢じゃないよね…ハッてならないよね?

ブロンプトンでの新幹線輪行

そして、ブロンプトンなら「特大荷物スペースつき座席を予約して、自席後ろに置く」ことだって、ストレスフリーで実現できてしまいます。なにしろこのサイズですから。こうすれば「そんなちっさい荷物を特大荷物スペースに置くな!」以外のツッコミは入らないでしょう。

若干の制限はありますが、悶着が起きる不安皆無で輪行できる選択肢として、やはりブロンプトンはキラキラと眩しく輝きます。

やっぱりブロンプトンを買っていた自分、大・勝・利…!?

(輪行先で長距離&坂ありライドをすると、ロードで行くのとは比べものにならないほどヒドイ目に合ってしまうという現実からは、あえて目を逸らしておこう…)

ま…まとめ?

というわけで「輪行を否定するものではない」とするのであれば、JR東海、西日本、九州の各社さんには「特大荷物スペース」について輪行自転車を置くことを含めたより現実的な運用の事前検討(場合によっては輪行関連のルール変更まで)を期待したいところではあります。

そして自転車雑誌さんとか、自転車雑誌さんとか、自転車雑誌さんとかには、この辺のより深い検証や鉄道会社への厳しいツッコミをどんどんしていただきたいものです。

自分みたいな個人がネットで戯れ言をいくら垂れ流したところで、状況が変わることなんて絶対に無いんだし。

あと、個人的な感情としては、この先JR東日本さんがこの動きに追従しないことを、心の底から願ってやみません。

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著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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