スマートトレーナー大手のWahooが人気ペダルメーカーSpeedplayを買収するそうです。DC Rainmakerが伝えています。
出典 Wahoo Acquires Speedplay: Hints At Power Meter Pedal Future
内容をまとめると、買収の経緯や今後の展開は次のようなもの。
ラインナップの整理と販売拡大を目指す
- Wahooはカリフォルニア州サンディエゴに拠点を置くSpeedplayの全ビジネスを所有する
- この買収はペダル関連の24の特許を含む
- Wahoo FitnessのCEO Chip Hawkinsによると、買収の動機は「製品自体の魅力」と「ユーザーがどのペダルを選んだら良いのかわかりにくいことになっている」ことの2点だった
- Hawkins氏によるとSpeedplayは他ブランドのペダルよりも軽量で、エアロであり、より良いコーナリングクリアランスがあり両面式というメリットがあるものの、自身がトライアスリートであるHawkins氏がいざSpeedplayのウェブサイトで自分に合った製品を選ぼうとしたところ、選択肢が多すぎてどの製品が自分にとってベストなのかわからなかった
- このためSpeedplayの製品ラインナップをより単純化し、わかりやすいものにするつもりである
- 特許があるのでシクロクロス用ペダル、マウンテンバイク用ペダルを開発する余地もある
- Speedplayの既存の社員25名はサンディエゴにとどまり、業務も当分はそこで行われるが、生産能力を劇的に拡大したいと考えている
- Speedplayブランドは存続し、KICKRやELEMNTのようなWahoo製品の一部となる
- 自転車店でSpeedplay製品をより取り扱いやすいものにし、小売拠点を劇的に拡大したい
- Hawkins氏はSpeedplayベースのパワーメーターには間違いなく興味がある、と述べた
魅力的な製品、わかりにくいラインナップ
読んでいて面白かったのは、Speedplayの製品は非常に魅力的だが製品ラインナップがあまりに多く、かつ不透明でどれを選んだら良いかわからない、というもの。
記事中でも指摘されていますが、Wahooがターボトレーナー市場に参入してきた頃はTacxやEliteといった大手も数多くの「似たようなローラー台」を出していて、どれを選んだら良いのかわからない、という状況でした。
Wahooはこのあたりをきれいに整理して開発・販売戦略を立てることに秀でていたことが今日の成功につながっているようですが、その知見がSpeedplayのペダル製品群の整理に繋がればユーザーにとっては嬉しい話でしょう。Speedplayブランドが消えるわけでもありません。
パワーメーター内蔵Speedplayも
ただSpeedplayのラインナップ整理・透明化という初期〜中期的な事業目標の他に、要望が多かったらしい「パワーメーター内蔵型Speedplayペダル」の開発にも意欲的らしいです。
そういえば今年の春にGarminがWahooのライバルとも言えるTacxを買収しました。Wahooもこれから超巨大資本Garminと拮抗していくにあたって、今回のSpeedplay買収・統合のような活動を通じて経営地盤を強化していかないとまずい、という判断もあったのだろうか、などと思いました。Wahooはこの7月にもインドア・トレーニングビデオのThe Sufferfestを買収したばかりでした。
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