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Stravaの仕様変更に対する国内サイクリストの意見。ルート作成にはこれから何を?

先日Stravaがセグメント・リーダーボードのフル表示やルートビルダーをはじめとする人気機能を有料会員限定にする仕様変更を行いました。下の記事で詳しく紹介してあります。

Stravaがサブスクリプションモデルへの本格的な移行を発表。主要な機能の多くが有料化へ
今朝「Stravaから重要なお知らせ」というメールが届いていました。読んでみると、Stravaは今後サブスクリプションモデルへと本格的に移行していく、という内容でした。 無料で使える主要な機能の多くが今後は有料となります。 参考...

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その後の海外サイクリストの反応を観察していたのですが(redditやInstagramのコメント欄など)、総合的にはこの変更、大変不評です。

ざっくりまとめると、

貴重で優れたサービスにお金を払うのは構わないし、喜んでそうするが、収益性の改善が必要だったとしてもStravaには他にもっと良いやり方があったはずだし、ユーザーやサードパーティアプリ開発者へのコミュニケーションがあまりに乱暴だ。それに同社はこれまでもユーザーからの改善要望に耳を傾けてこなかった

という意見が多勢を占めているように私は思いました。

では日本の皆さんは今回のStravaによる仕様変更をどのように受け止めたのでしょうか?

Stravaにお金を払う? 払わない?

いちばん気になるのは、Stravaはお金を払ってでも使う価値のあるものだと考えている方がどのくらい残るのか、というところです。アンケートを取ってみました。

現在既に有料会員なのでどの選択肢に投票すれば良いですか、というご質問をいただきました。これは説明不足ですみませんでした。しかしざっくり見てStravaはお金の払う価値のあるサービスである、と考えている方は投票者の25%という結果です。

既に有料会員の方で「有料会員になると思う」に投票して下さった方、投票を躊躇された方もいると思いますが、それを踏まえても恐らく今後継続的に課金してStravaを使い続けるユーザーは30%前後ではないかと推測します。

リーダーボードで毎日友達や仲間のアクティビティや成績をチェックするヘヴィユーザーの方、そして競技志向の方は継続使用されるかもしれませんが、それ以外のライトユーザーを中心とした層は少しずつ他のサービスに流れていきそうな気はします。

そうするとStravaからは今後、ゆるやかなフィットネスSNS的な色合いが薄れていき、より競技志向・トレーニング色を強めていくことになるのかもしれませんね。

ルート作成はこれから何を使う?

Stravaを無料で使う場合、今後はリーダーボードが1位から10位までしか見られなくなるほか、ルートビルダーも使えなくなります。

Stravaのルートビルダーは世界的にも人気ですし、日本国内でもルートラボの終了以後はルート作成の代表的なプラットフォームになりつつあったように思います。

では今後、ルート作成ではどんな代替サービスが使われていくことになるのでしょうか。皆様にお聞きしました。

結果はやはりGarminユーザーが多いせいかGarmin Connectが、そしてRide with GPSが同率1位になりました。

「その他」としてはLEZYNE、ブライトン、Garmin Basecamp、自転車ナビタイムといった回答も。

海外情報を見ても今後はRide with GPSを使ってルート作成するという声が多く見られました。あと日本ではほとんど浸透していませんが、Komootを推す声もわりと見られました。

国内サイクリストの意見

今回のStravaのメイン機能有料化について、皆さんはどう思われたのでしょうか。Twitterで目に入った多様なご意見をランダムに掲載してみます。

吉と出るか凶と出るか

国内サイクリストの皆さんのご意見を眺めていても、ほぼ海外での意見と同じ感じであるように思えました。あらためてまとめると、

  • Stravaは便利だ
  • Stravaにお金を払うのは構わない
  • 無料で使える機能を減らすのではなく有料版を魅力的にする方法を取るべきだった
  • ルート作成は今後Ride with GPSにするかな

という感じでしょうか。

Twitterでのご意見にもあったように、Stravaの今回の発表に観測気球的な意味合いが含まれているのかどうかも気になるところです。世界的に批判のほうが大きいので、今後もしかしたら無料版で使える内容に多少の変更があったりするのでしょうか。

ただ、今回の変更は「無料か・サブスクか」という点を超えて、Stravaのプラットフォームの質と方向性が明らかに変わっていくことを意味するので、経営陣がそこまで考えて決定したのであればこの方針が簡単に覆ることはないかもしれませんね。

いずれにしても、一部ではStravaは儲かっていないどころか倒産の危機さえあるという話も出ているので、同社の経営もいい感じに落ち着いて欲しいところではあります。

今回の出来事を見ていて個人的に痛感するのは、

  • 有益なサービスを作ること
  • それを良いビジネスに育てること
  • ユーザーにどう物事を伝えるか

これらには、それぞれ全く別の才能・能力が必要なのだろうということです。Stravaは後者の2つがあまり得意ではないようです。今後の良い展開に期待しましょう。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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