先日Stravaがセグメント・リーダーボードのフル表示やルートビルダーをはじめとする人気機能を有料会員限定にする仕様変更を行いました。下の記事で詳しく紹介してあります。
関連記事 「Stravaがサブスクリプションモデルへの本格的な移行を発表。主要な機能の多くが有料化へ」
その後の海外サイクリストの反応を観察していたのですが(redditやInstagramのコメント欄など)、総合的にはこの変更、大変不評です。
ざっくりまとめると、
貴重で優れたサービスにお金を払うのは構わないし、喜んでそうするが、収益性の改善が必要だったとしてもStravaには他にもっと良いやり方があったはずだし、ユーザーやサードパーティアプリ開発者へのコミュニケーションがあまりに乱暴だ。それに同社はこれまでもユーザーからの改善要望に耳を傾けてこなかった
という意見が多勢を占めているように私は思いました。
では日本の皆さんは今回のStravaによる仕様変更をどのように受け止めたのでしょうか?
Stravaにお金を払う? 払わない?
いちばん気になるのは、Stravaはお金を払ってでも使う価値のあるものだと考えている方がどのくらい残るのか、というところです。アンケートを取ってみました。
Stravaの今回の仕様変更を受けてあなたは今後どうすると思いますか?https://t.co/dO7qoumaDl
— CBN (@cbnanashi) May 19, 2020
現在既に有料会員なのでどの選択肢に投票すれば良いですか、というご質問をいただきました。これは説明不足ですみませんでした。しかしざっくり見てStravaはお金の払う価値のあるサービスである、と考えている方は投票者の25%という結果です。
既に有料会員の方で「有料会員になると思う」に投票して下さった方、投票を躊躇された方もいると思いますが、それを踏まえても恐らく今後継続的に課金してStravaを使い続けるユーザーは30%前後ではないかと推測します。
リーダーボードで毎日友達や仲間のアクティビティや成績をチェックするヘヴィユーザーの方、そして競技志向の方は継続使用されるかもしれませんが、それ以外のライトユーザーを中心とした層は少しずつ他のサービスに流れていきそうな気はします。
そうするとStravaからは今後、ゆるやかなフィットネスSNS的な色合いが薄れていき、より競技志向・トレーニング色を強めていくことになるのかもしれませんね。
ルート作成はこれから何を使う?
Stravaを無料で使う場合、今後はリーダーボードが1位から10位までしか見られなくなるほか、ルートビルダーも使えなくなります。
Stravaのルートビルダーは世界的にも人気ですし、日本国内でもルートラボの終了以後はルート作成の代表的なプラットフォームになりつつあったように思います。
では今後、ルート作成ではどんな代替サービスが使われていくことになるのでしょうか。皆様にお聞きしました。
Stravaのルートビルダーが今後有料化されます。
あなたは今後どのツールでルート作成したいですか?https://t.co/dO7qoumaDl— CBN (@cbnanashi) May 19, 2020
結果はやはりGarminユーザーが多いせいかGarmin Connectが、そしてRide with GPSが同率1位になりました。
「その他」としてはLEZYNE、ブライトン、Garmin Basecamp、自転車ナビタイムといった回答も。
海外情報を見ても今後はRide with GPSを使ってルート作成するという声が多く見られました。あと日本ではほとんど浸透していませんが、Komootを推す声もわりと見られました。
国内サイクリストの意見
今回のStravaのメイン機能有料化について、皆さんはどう思われたのでしょうか。Twitterで目に入った多様なご意見をランダムに掲載してみます。
収益を向上させようとする事は当然なので理解できるけど、ユーザーに一度与えたオモチャとり上げるのはそりゃ反発招くよね。strava運営は外部コンサルに依頼でもしたのかな? https://t.co/GLiNQaBzx1 @cbnanashiさんから
— Zoyoxp (@Zoyoxp01) May 19, 2020
Stravaがサブスクリプションモデルへの本格的な移行を発表。主要な機能の多くが有料化へ https://t.co/uXv3uRkb1U @cbnanashiから
まあユーザーは間違いなく減るだろうけど、どこまで減るかだね。
— かるのかのん (@kanon_carnot) May 19, 2020
今まで散々使い倒してきたから一年位は課金しても良いかと思い始めてきた
その間に色々考えるけどww#STRAVA #CBN https://t.co/OcTq42P5h7— ねりけし(見沼biker) (@minuma_biker) May 19, 2020
今もそんなフルで使いこなしてるわけではないから変わらない気もするけど、不便になったら課金より離れる方に傾きそう(*´-`) https://t.co/yxXySVca6X
— さるびあ (@karaage_GO) May 19, 2020
優れた有料コンテンツを新たに実装するならまだしも、今まで無料だったものを有料化したことは腑に落ちない。サービス開始から完全有料制にすべきだったのでは? https://t.co/pIvTE33R01
— くりっぱーさん@9/20サンポート高松? (@Clipper_Freedom) May 19, 2020
4月に自動課金されたばかりなんだが…
Stravaでルート共有できなくなるんだったらRWGのほうがルート機能優れてるし、そっちに課金したくなるよね
Stravaがサブスクリプションモデルへの本格的な移行を発表。主要な機能の多くが有料化へ https://t.co/emkGl9JCP0 @cbnanashiさんから— すぴか (@Petikoon) May 19, 2020
今まで無料で使える内容がかなり良かった。だからこそストラバを使っている人は多かった。有料で利用していたけど、ルート機能に関してはride with GPSしか使わないし、他の機能もお金を払ってまで使う内容か微妙なところだ。次回の更新はやめとくかな。 https://t.co/UlCTXMMxVy
— たあああくん (@taakuni) May 19, 2020
有料にするか。走行データ見れるならセグメント気にしてないから無料でいいか。 https://t.co/B9URtEqJlB
— Westlion69 (@westlion69) May 19, 2020
有料会員に新しく拡張機能つけるならまだしも無料会員から取り上げすぎではなかろうか。 https://t.co/iHobLRvBQE
— 白田氏(Shiranchi) (@T_Shira_Tashi) May 19, 2020
STRAVA有料化か。リーダーボードがTOP10しか表示されなくなるとモチベーションが亡くなるな。フィットネスデータをもっと詳しく知りたいと思っていたところだし、月額525円なら払うしかないか。 https://t.co/kJu1mFrMDi @cbnanashiさんから
— mfigure (@mfigure_jp) May 19, 2020
リーダーボードは皆見れた方が良いと思うのだけど…
取り敢えずお互い活動してるのが判ればいいから、このまま無課金で。
ルート作成ならride with gpsのが優秀なんで、ルート目的で課金するならソッチがおすすめ。 https://t.co/hpMEVcG5LH— 山のクマさん (@KuruttaPizzaMan) May 19, 2020
ルート作成が有料になるのは痛いな
ログも含めてお引越し先を考えないといけないか
無料であれだけの機能を良く提供してきたな、という思いもあるけど#STRAVA #CBN https://t.co/MjG4x9RMkq— ねりけし(見沼biker) (@minuma_biker) May 19, 2020
ルートラボ廃止してもStravaがあるからいいか、と思っていたが、考え直さなきゃな… https://t.co/7bB7HwpVBm
— 熱湯きなこ (@achichikinako) May 19, 2020
まーこれは批判されますわな
有料で付加されるものがあるなら払う人は多いけど既にあるものを没収は好意的な人さえ敵にするだけ
発表がアドバルーン込みなら多少の修正は来ると思うけど経営が厳しくて妥協が出来ないのならば逃げる人が出るね— ネコペン (@Elizabeth_4th) May 19, 2020
無料会員の機能を落とすのは悪手としか思えんなー
そもそも最初からが高機能過ぎたとは思うが https://t.co/11MpJpArHD— 非エアロな山田 (@elm_ao_nrbn_gst) May 19, 2020
Stravaのサブスク化は多分、失敗しそう:( ;´꒳`;)
無料だったものが有料化されるのはユーザーにとって反感を買うから、普通のアプリ運営としては今までのサービスは無料のまま、有料化で新しい機能をリリースする事が多いし……。 https://t.co/y2hYUwSbX4— よしみつ@なれ果ての夢。毎日旅写真を上げていく所存 (@yoshimituEdge) May 19, 2020
今までが無料でサービス良すぎたんだし今後も使うからサクっと課金 https://t.co/iNegUtGvU8
— もりそば (@_morisoba_) May 19, 2020
Stravaがサブスクリプションモデルへの本格的な移行を発表。主要な機能の多くが有料化へ https://t.co/WUoczVicO8 @cbnanashiさんから
悪質なユーザーが減るから歓迎だけどなぁ。日本国内だと明らかに信号無視でセグメント取ってる人たちが多いから。— minstrel🚲 12/12袖ヶ浦チャレンジ (@minstrelatElore) May 19, 2020
吉と出るか凶と出るか
国内サイクリストの皆さんのご意見を眺めていても、ほぼ海外での意見と同じ感じであるように思えました。あらためてまとめると、
- Stravaは便利だ
- Stravaにお金を払うのは構わない
- 無料で使える機能を減らすのではなく有料版を魅力的にする方法を取るべきだった
- ルート作成は今後Ride with GPSにするかな
という感じでしょうか。
Twitterでのご意見にもあったように、Stravaの今回の発表に観測気球的な意味合いが含まれているのかどうかも気になるところです。世界的に批判のほうが大きいので、今後もしかしたら無料版で使える内容に多少の変更があったりするのでしょうか。
ただ、今回の変更は「無料か・サブスクか」という点を超えて、Stravaのプラットフォームの質と方向性が明らかに変わっていくことを意味するので、経営陣がそこまで考えて決定したのであればこの方針が簡単に覆ることはないかもしれませんね。
いずれにしても、一部ではStravaは儲かっていないどころか倒産の危機さえあるという話も出ているので、同社の経営もいい感じに落ち着いて欲しいところではあります。
今回の出来事を見ていて個人的に痛感するのは、
- 有益なサービスを作ること
- それを良いビジネスに育てること
- ユーザーにどう物事を伝えるか
これらには、それぞれ全く別の才能・能力が必要なのだろうということです。Stravaは後者の2つがあまり得意ではないようです。今後の良い展開に期待しましょう。