このタイヤのクリアランスは十分と言えるでしょうか? 隙間はこれしかないけれど走っても大丈夫でしょうか? という質問投稿を海外掲示板で頻繁に見かけます。つい最近も立て続けに3件の関連スレッドを見かけたのですが、有益と思われる内容がいくつか含まれていたのでご紹介します。
主張1:タイヤが入るなら走れるんだよ
まず「言わせてもらう。クリアランスは二進法(binary)だ」というスレッドがありました。「二進法」とは、ここでは「Yes or No」つまり「タイヤが入るかどうか」「入るなら走っても問題ない・入らないなら走れない」という考え方を指します。スレ主さんは「入るなら走ってもいいんだよ、深く考えるな。俺はずっと問題なかったぞ」というオピニオンを投稿していたのでした。
タイヤが入り切る(clears)か、入り切らないかだ。俺は3台のバイクで2mm以下のクリアランスで10,000マイル走ってきた。これはメーカーが推奨する最大実測幅(WAM=Width As Measuredの略)より5〜8mmも広い。「でも万一、石を拾ったらどうするの…」と言う人に言いたい。大丈夫だって。もっとワイドなタイヤを履かせてもいいぞ
これに対しては複数の方から「その程度のクリアランスだと、大パワーで踏んでいればホイール(リムやスポーク)が容易にたわむからフレームに接触するよ。君は大パワーで踏んでないからそんなことが言えるんだよ。あとオフロードで乗ってもいないだろ。だから、そういうアドバイスは良くない」と反論されていた印象があります。
主張2:タイヤが入るから走れるというわけではないんだよ
次のスレッドは「タイヤのクリアランスは二進法ではない」というタイトル。これは明らかに上のスレッドへのカウンター、アンサーとして立てられたものでした。
(自分と友達)みんなのタイヤは十分なクリアランスがあったのだけれど、その日の夜にすごい嵐になって、道にぶあついマッドが生まれてクリアランスなんかなくなってしまった(※グラベルレースで泥道の脇を自転車を抱えて走っている3人の写真が添えられている)。だからUSPSの小包みたいに「規定サイズ内なら発送できる」という類のものではないんだよ。ドライコンディションなら大体は公称値よりも大きいタイヤでも行ける、特にフォーク側はね。でもウェットやズルズルなコンディションでそれをやるのは、火遊びみたいなものだよ
入る・入らない、走れる・走れないというバイナリーな判断がドライコンディションで成立しても、極端なマッドコンディションでは無効になる、という、これも普通に説得力のある意見ですね。
さらにこのスレッドでは泥がサンドペーパーのようにフレームを削ってしまうという話題で盛り上がっていて、走行不能になること以外にフレームへのダメージについての議論も発生していました(この点でチタンフレームは摩耗に強く、グラベルやMTBバイクの素材として素晴らしいのではないかという指摘がありました)。
カーボンフレームでは特に注意すべきことだけれど、摩耗は摩耗なのでアルミ・スチールでも気を付けたほうがいいという意見も見られました。
走れてもフレームにダメージが生まれることも
最後に個人的にいちばん気になったのが数時間前に立てられたばかりの「心配すべきでしょうか?」というタイトルのスレッド。添えられている写真からは、Canyon Grailのチェーンステイ内側に塗装剥げができているのがわかります。

image from reddit, posted by stucow
Canyon Grail Gen 1を持っていて、リアに推奨最大幅の42mmタイヤを使っています。リア(※チェーンステイとシートチューブの接合部付近)に、マッド(泥)が擦れてできたと思われる塗装の剥げがあることに気付きました(※両サイドにある)。これは実質的なダメージなのでしょうか、それともコスメティックな(=見た目だけの)問題でしょうか?
この塗装剥げはまさにひとつ上で紹介したスレッドでも議論されていたことで、カーボンフレームの場合は見た目にとどまらないダメージに繋がることも多く、Unboundなどのグラベルレースではチェーンステイに穴が開いてしまった人を見たことがあるといった報告も見られました。このスレ主さんのチェーンステイのような状態ならとりあえずテープを貼るなどして症状悪化を防ごう、というアドバイスが見られました。
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