ここ1〜2日、Wahooの財政が危機的な状況にあることが海外メディアで報じられ話題になっています。格付け会社のS&Pグローバル・レーティングがWahooの評価をCCCからCCC-に引き下げ。資金源が不十分であり、今後12ヶ月間に必要なキャッシュを十分に用意できないのではという評価を下したのです。
この話題についての海外サイクリストの反応をピックアップしてご紹介します。まずRedditのスレッドから。
- Wahooは気の毒だと感じる。私はKickr v6で軽微な接続失敗があったけれども、彼等は新品を送ってくれた。いつも良い対応をしてくれた
- Wahooは急速に拡大しすぎたか、十分な利益マージンを作らなかったように見える。彼等のフィットネスサービス全体を見るだけでも競合他社に比べて安すぎると思う
- Sarisは買収されるまでほとんど事業停止しかけていた。同じことがWahooにも起こると思う。Wahooは潜在的な買い手にとっては、Sarisよりも魅力的に思える
- SarisはWahooのように図体が大きくはなかった。WahooにはSarisよりもはるかに多くの製品があるし、SpeedplayやSufferfest, RGTもある
- (上の人に)そうですね。もし私が投資家なら、Wahooをまるごと買うのは躊躇すると思う。Wahooにはブランド価値があるが、サイズを考えると売却は難しそうだ
- SufferfestとSpeedplayは春までにはなくなるんじゃないかと思っている
- WahooはZwiftよりもずっと大きい会社のように見えるから、ZwiftがWahooを吸収するのはかなり難しいだろう。ZwiftはSarisの買収機会を見送ったのだから、Wahooを買うとは思えない
- StravaがWahooを買えばいいのにね。すると値上げも正当化できる
- 残念だ。Wahooは良い製品を作っている。Elemnt, Tickr, 最近ではSystmも私にとっては全部良かった。この嵐を乗り切ってくれることを期待したい。レイオフの発表は間近かもしれないけど
- S&Pは、Wahooはもう後戻りできない地点を越えたと考えている
- Wahooが倒産するとは思わないが、いくつかのサービスや製品は間違いなく終了すると思う。何をやめるのかが気になる
- Kickrは購入初日からびくともしないくらい丈夫で大のお気に入りなんだけどな、残念だ
- Peloton同様、パンデミック下での成長がずっと続くと思っていたのだろう。でも最初のWahooを新品で買ったら毎年買ったりしないよね
- Pelotonのようだ。ロックダウンで需要が高まり、それに応えるべく過剰に拡張、その後需要が消滅してこういう結果になった
- SufferfestやSpeedplay(とパワーメーターのR&D)、最近ではRGTの吸収など、かなり大胆なことをやっていた。こういう手法は収益を生むまで時間を要する。この間、外部からの資本注入が必要だ。うまくいくといいのだが。RGTにはZwiftの代替として高い期待を持っていた。Zwiftは好きだがモノポリーは消費者のために決して良くはない
road.ccの記事のコメント欄から。
- 前年比の50%しか売れていないのなら、どんなビジネスでも行き詰まる。彼等の製品は素晴らしいから、規模を適正にして生き延びてほしい
DC Rainmakerの記事のコメント欄から。
- Wahooは苦しい戦いを強いられると思う。現時点で、さらに魅力的なトレーナーを作る余地は多くないし、Wahooの既存のユニットは故障していない。中古品でもWahooはカジュアルユーザーにとってはまだハイエンドすぎるし、裕福な人はもう誰でも既に1台持っている。さらにWahooのトレーナーを買った人の多くも、本当は必要ではなかった人達で、市場は飽和しているというより過飽和状態で、中古市場も過飽和状態だ。(…)トレーナーについて言えば、Kickrは到達点であり、恐らく必要以上に完成されたものだったのだ
Wahooはビジネスの拡大を急速に推し進めすぎた、という批判はあるものの、Kickrをはじめとする製品群やカスタマーサポートには高い満足感を示しているユーザーが多いことに改めて驚かされます。どちらかというと「頑張れWahoo」という声が多いです。
スマートトレーナーに不具合があってもすぐに無償で新品と交換してくれた=Wahooのカスタマーサポートは素晴らしい、とする声がある一方で、不良品の発生率が高く交換コストもかさんでいた可能性を考えると、品質管理上の問題もまた資金難の原因のひとつではないかと考察する人も見受けられました
Speedplay製品やRGTの運営に影響が出ないかも心配です。DC Rainmakerの考察によると、大きいリストラを伴う外部からの資本注入、連邦破産法第11条の適用による会社再建、他社への会社とブランドの売却などのシナリオが挙げられています。既存のWahooエコシステムにすぐに影響が出るわけではありませんが、何とかうまく乗り切ってほしいところですね。
それにしてもSarisの次はWahooですか。Wahooはさすがに消滅はしないと思いますが、2023年は大小様々な自転車関連会社が消えていきそうな気もします。大波乱の1年になるのではないでしょうか。