Tips & How-toバッグ

ORTLIEB(オルトリーブ) パニアバッグのラックマウントパーツの調整方法【迷いやすいところ QL2.1/QL1】

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オルトリーブ(Ortlieb)のパニアバッグシリーズ(バックローラー・スポーツローラー・バイクパッカー・スポーツパッカー等)の「ラックにひっかけるパーツ」の調整方法を紹介します。製品マニュアルにすべて書かれている内容ですが、実際にやってみる時に「これどうなってるの? 本当にこれでいいの?」と戸惑いそうなところにフォーカスを当ててみます。

本文中に登場する「QL2.1」や「QL1」はQuick Lockというオルトリーブのマウントシステムのタイプです。いちばん普及しているのはQL2.1で、エントリーモデルではQL1が採用されていることが多いです。他にQL3.1というタイプもあるのですが、この記事では取り上げません

下部フックのスペーシング調整

最初にいちばんわかりにくいかもしれない下部フックのスペーシング調整について。ラックのパイプが太すぎてこの下側のフックがうまく入らない場合、内部パーツの位置を変更するとより太いパイプに対応できます。

下の写真はQL2.1システムの下部フックを分解したところ。ツールなしでここまでバラせます。バックローラー・シティ等のQL1システムの場合は分解に3mmヘックスレンチが必要ですが、パーツ構成・構造は同じです。

下部フックのスペーシング調整

注目したいのは丸で囲った下のパーツ。このパーツの場合は「WK461」という刻印が見えるのですが、初期状態では、この文字列は縦になるようにハメ込まれていると思います。

下部フックのスペーシング調整

この円盤を外して下の写真のように90度回転させると(文字列が上に来ているのが見えるでしょうか)、フックと土台のあいだのスペースが3mm増えます。QL1システムの場合は「WK461」という文字列ではなく「-」という記号になっています(筆者所有のものはそうなっている)。いずれにしてもこれを目印にして、90度どちらかにずらして組み直すだけでOK。

下部フックのスペーシング調整

なぜそうなるのか、観察してみます。下の写真はスペースが狭い状態。購入時はこうなっていることが多いと思います。

下部フックのスペーシング調整

先の円盤パーツを90度ずらすと、下の写真のように円盤と土台のあいだに隙間ができて、外側に少し持ち上がる感じになるわけです。ラックを交換したときに「なんかうまく入らないぞ?」という場合など、ここをチェックしてみましょう。

下部フックのスペーシング調整

上部フックの横位置調整

次に上部フックの横位置調整について。単純にラックにバランス良く引っ掛けたい時のほか、ペダリング中に踵や爪先がバッグに当たるような時、ここをいじるとバッグ位置を前後にずらせます。QL2.1ならツールなしで調整可能。QL1なら3mmヘックスボルトを使用します。

下の写真はQL2.1ですが、使いはじめはこの固定用のツメがめっちゃ固くて動かないことがあり、どの方向に動かしたらよいのか不安になるかもしれません。

上部フックの横位置調整

しかし正解は普通に下のように持ち上げるだけ。初回は指を2本挟みこんで力一杯持ち上げないと、上がらないかもしれません。しかし次第に馴染んできて、固さは取れてきます(オルトリーブの可動パーツにはこういう動きのものが多い印象があります。裏を返すと剛性が高くて丈夫とも言えますが…)。この部分については、QL1はボルト式なので力は不要です。

上部フックの横位置調整

上部フックのフックインサートの脱着

最後に上部フックのフックインサートの脱着について。オルトリーブのパニアバッグには、上部フックとラックのパイプの幅を合わせるためのパーツ(フックインサート)が付属しています(モデルによって2〜3種類)。

下の写真はフックインサートを入れていない状態。これでラックに入って問題なくライドできるならそれで良いのですが、ラックのパイプとこのフックのあいだの隙間が大きい場合、オフロード走行中にカタカタと異音が出て気になる場合があるかもしれません。

フックインサートの脱着

その場合は、下のように付属のインサートでサイズの合うものを選んで入れます。入れる時は、フックのツメを解除するハンドルを持ち上げる必要があるので、まずそこに注意。あとインサートには前後があります。インサートとフックの形状を観察すると、迷わないでしょう。

フックインサートの脱着

着脱は、公式マニュアルによると横側(水平方向外側)から。しかし外す時はメッチャ力が要る場合もあります。3分の2くらい押し出せたら、残りは「少し斜め下」に押し出すようにすると外れやすいかもしれません。入れる時は、個人的には下側からのほうが楽です(いずれも正しい方法ではないかもしれません)。ここも何度かやっているうちに馴染んでくるところではあります。

なおQL2.1とQL1のフックインサートは形状が全く違い、使い回しはできないので念のため気をつけましょう。下の写真は左がQL2.1、右がQL1のフックインサート。

QL2.1とQL1のフックインサートの形状の違い

他に下部フックの土台自体を上下反転させることもできます。ラックとフックが噛み合う位置がどうしても見つからない場合は、試してみると良いかもしれません(ドライバーとヘックスレンチが必要です)。

オルトリーブのパニアバッグシリーズ

オルトリーブのパニアバッグシリーズ中、最も人気が高い定番はバックローラー系。悩んだらこれ。付属のストラップを使わず左右のバックルをてっぺんで繋いだりもできます。なお「プラス」や「フリー」など、生地の材質の違いにより呼称が違うことがあります。ペア40L。

大容量が必要な場合はバックローラー・プロ系。マチ(depth)が特に広く、外側にポケットがあります。ペア70L。

バックローラー・シティはQL1のエントリーモデルで、ロールトップのフックが両サイドにしか入らない・ストラップが付属しない・本体内側のボルトの頭がでかい・トランクバッグと接続できない、等々の短所もありますが、実はすごく軽いという長所があります。

スポーツローラー系はバックローラー系の小型版。フロント側・ローライダーで使いやすい(バックローラー系でもフロントで使えないわけではありません)。ペア25L。

スポーツパッカーやバイクパッカー等「パッカー」と名の付くモデルはロールトップ式ではなくトップリッド式で、内側の入口をドローコードで縛るなど、登山用のザックに似た作りになっています。スポーツパッカーのほうがフロント向き(ペア30L)、バイクパッカー(ペア40〜42L)がリア向き。

グラベルパックはスポーツローラーをより軽量にしたイメージ。下部のフックが2個あり、オフロード走行でガッチリ固定できるのも長所。ペア25L。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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