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自転車旅行は鬱病のセラピーになるのでしょうか? —“Go outside, you’ll feel better.”(海外掲示板から)

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自転車旅行をしていると、メンタル面での問題を抱えている人たちと多く出会うように思うのは私だけでしょうか? という投稿を海外掲示板の自転車ツーリングコミュニティで見かけました。とても面白いコメントがたくさん寄せられていたので観察してみましょう。

東京・神津島村にて(筆者撮影)

出典 Touring as therapy?

以下、スレッドの概要です(抜粋・抄訳)。

  • (スレ主さん)何年も自転車ツーリングをしてきて気付いたのですが、出会った他のツアラーの相当な数の人たちが、鬱や不安、燃え尽き、総合的な感情の張り詰め、もしくは感情面の未成熟、といった問題と格闘しているように見えました。私自身も鬱があり、ツーリングでかなり改善されたのでそういうことに気付きやすいのか、それとも長距離ツーリングは自分が抱えている問題に対処したり、リセットしたり、癒しを求めている人たちを惹きつけるものなのだろうか、と不思議に思っています。私のように感じた人たちは他にもいるでしょうか、それともこれは単なる選別バイアス・小サンプルな知覚にすぎないでしょうか? オートバイが自己のアイデンティティや帰属の感覚、男同士の絆、ビール休憩で群れになることを求めている男たちを惹きつけるように、自転車ツーリングは静けさ、動き、頭の中のことを整理する方法を探している人々を惹きつけるのでしょうか?
  • (自転車ツーリングは)自分の脳を黙らせてくれる唯一の活動です(29いいね)
  • 自転車旅行は逃避(escapism)の一形式です。自転車旅行をすると人は普通の「毎日の生活」から完全に切り離されます。なので普段何かに苦しんでいて心をリセットしたり、現実に対処するための時間を得たい人にとっては魅力的なものかもしれないと思います(35いいね)
  • それから(乗り)逃げたいと思っている何か、はみんな持っているのです。毎日の生活、仕事、メンタル上の問題、家族の問題、等々(5いいね)
  • 自転車ツーリングが逃避である、と言っている他の方々に同意できるかどうかはわかりません。ビーチでのバケーションは、逃避です。なぜならそれは頭の中をショッピングやレストランでの食事、日光浴等でいっぱいにして家の生活を忘れたい人たちがやることだからです。しかし自転車ツーリングは、それとは違います。自転車に乗っていると、世界がより小さくなるのです。2時間も経つと、そこにあるのは自分と道路だけなのだ、と脳が気付きます。心は乱されず、より現在的なものに、より静かなものになります。私にとっては瞑想のようなものです。それに、困難を克服して柔軟性を養うこともできます。路上で何が起ころうとも、それがどんなに悪い日だったとしても、あなたは生き延びるし、また挑戦するし、翌日にどんなにひどいことが起こっても世界が終わるわけではない、ということを教えてくれるのです(81いいね)
  • (上の人に)同意します、ツーリングには何かからの逃避以外の多くの理由があります。たとえば、好奇心とか。私は何かから逃避していたり、落ち込んでいるツアラーに多く会ったことはありません。全く逆です(11いいね)
  • 私の父がうまく表現していました。「外に行ってこい、気分が良くなるから(“Go outside, you’ll feel better.”)」と。ツーリングをすると一日中、一晩中、外にいることになります。気分が良くなっていきます(70いいね)
  • (上の人に)その言い方はすごくいいですね。私はミッドライフ・クライシスの頃に10代の子どもたちが荒れ狂っていて妻は情緒不安定だったのですが、35年前にはじめたMTBに救われました。いま私は70で、気分が良くない時は自分に言い聞かせます。外に行け。気分が良くなるぞ、と(12いいね)
  • セラピーになると思います。周囲の環境に完全に没入しますから(たまに白昼夢を見ているけれども)。スマホなし、インターネットなし。ただ自然の中にいて、クールなものをあれこれ眺めて、登ったり下ったりする。あとケーキを食う(6いいね)
  • 無限スクロールしたり、テクスティングしたり、スマホの通知をチェックしたり、チェーンスモーキングしたり、間食したり… 無駄で有害な多くのことはライド中にはできません(7いいね)
  • 砂漠の真ん中でスマホを持たずにいた時に、癒しを覚えました。そのとき私が関わっていたのは自分自身だけで、道路が癒しのように感じられました。一日中、2週間ライドしたところ、かつてないほど健康的な気分になりました(4いいね)

バイシクル・ツーリングをしている人にはメンタル面での問題を持っている人が多い、という統計的な判断を下すのは難しいかもしれませんが、自転車旅行をすることによって気分や精神状態が大きく改善され、より健康になって日常生活に戻ってこられる、と考えている人はとても多いようです(私自身もそう思います)。

上の中で個人的にいちばん共感したのは、スマホなしで砂漠の中を走っていた時、道路が癒しのように感じられた、というコメントでした(”I just know that when I was in the middle of nowhere in a desert without a phone. The only thing I was dealing with was me, and the road felt healing. “)

ネットから遠ざかる、いわゆるデジタル・デトックスも同時に実践している人も多いようです。昔々、インターネットが最高に輝いていて面白かったころ、世界中の誰もが「接続されている(connected)」状態に焦がれ、コネクティッドであることは大きい喜びでした。

しかし現代では逆に「切断されていたい」という欲求を持つ人が日増しに増えているように感じられることは、本当に興味深いものがあります(控えめに言って世界の状態はあらゆる面で相当荒廃してきているのだと思います)。

読んでいるだけで次の自転車キャンツーに出かけたくなってきました。複数日にわたる自転車旅行をしたことがない方で、日々の生活で悩みやストレスを覚えている方、なんとなくハッピーでないと感じている方は、挑戦してみてはどうでしょう。これから涼しくなったら自転車ツーリング、キャンプツーリングデビューに最高の季節が訪れます。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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