最近のロードバイクの値段は上がっているのか、下がっているのか。各メーカーとも勿論買いやすい値段のエントリーモデルは用意しているので、ハイエンドモデルについての皆さんのご意見をTwitterでお聞きしてみました。その結果がこちらです。
ここ数年のロードバイク完成車のハイエンドモデル。値段は高くなったと感じますか?
— CBN (@cbnanashi) 2019年6月23日
ここ数年のロードバイク完成車のハイエンドモデル。値段は高くなったと感じますか?
- 高くなったと思う
- あまり変わっていないと思う
- 安くなったと思う
高くなったと思う、と回答された方が全体の53%。あまり変わっていないと思う、が35%。むしろ安くなったと思う、と回答された方が12%という結果になりました。
企業が収益を上げるための3つの方法
一般論として、利潤を追求する企業が収益をあげるための方法は3つしかないと言われています。次の3つです。
- 顧客の数を増やす
- 1人あたりの購入回数を増やす
- 1回あたりの購入単価を増やす
ロードバイク人口が減ってきたら業界はどう動く?
ここ数年、ロードバイクをはじめとするスポーツバイクを趣味とする人々の数が減ってきた、という話をよく見聞きします。「弱虫ペダル」で最高潮に達したロードバイクブームも一段落し、ロードバイクに乗る人の数は、減りつつはあっても増えてはいない、という現状だと思います。
もしそれが本当だとすると「顧客の数を増やす」ことで自転車のメーカーが収益を上げるのはより難しい状況になっているでしょう。
すると次に考えられる方法としては「買ってもらう回数を増やす」があります。自転車の場合なら、
みんなロードバイクは持ってるよね。でもタイムトライアルバイクは持ってないよね。TTマシンで河川敷を走るのは楽しいぞ…!
という話になり、実際、数年前に自転車雑誌各誌で謎のタイムトライアルバイク推しが現れたりしていました。一時的な「やや不自然なMTB推し」や最近のグラベルロードの流行もこれと関係があるかもしれません。
しかしこの方法でも限界があるとしたら、何が起きるか。メーカーをはじめとする業界は「1回あたりの購入単価を増やす」方法を模索するはずです。
つまりロードバイク完成車の値段が跳ね上がる、ということが起きるはずなのです。
ハイエンド・ロードバイク完成車の値段は実際に高くなってきているか
ではハイエンド・ロードバイク完成車の値段は実際に高くなってきているのでしょうか。
何をもって「高い」というのかは少し難しいところはあります。その時々の物価との関係もありますし、「この性能にしては安い!」といった見方もあるでしょう。
データを取ってみても一概に意見を述べるのは難しいかもしれません。
私自身の印象としては、このアンケートをやってみようと思ったくらいなので当初は「最近のロードバイク、フラッグシップは高くなってきたんじゃないかな」という思いがあったのですが、よくよく状況を眺めているうちに
高くなってきた気はするけれど、極端に高くなってきたとも言えない気がするな。モデルによっては値段を下げてきているものもある。
と、少し歯切れの悪い印象に変わってきました。
たぶんメーカー各社は単価を上げたいでしょうし、そうでないとやっていけない感じもあるのかもしれませんが、そのわりに頑張っているのかな、と思ったりしました。皆さんがあらためてどう思われるのか興味があるところです。
有名メーカーのフラッグシップ・ロードバイク完成車の価格
少しだけ最近のフラッグシップロードバイクの価格を見てみましょう。すぐに思いついたメーカーの2019〜2020モデルの価格を表にしてみました。
メーカー・モデル名 | 価格 |
---|---|
Trek Madone SLR 9 Disc eTap | ¥1,220,000(税抜) |
Specialized S-WORKS VENGE DISC RED ETAP | ¥1,250,000(税抜) |
Pinarello DOGMA F12 DISK Dura-Ace Di2 | ¥1,370,000(税抜) |
Merida REACTO TEAM-E | ¥1,300,000(税抜) |
Giant PROPEL ADVANCED SL 0 DISC | ¥1,200,000(税抜) |
各社とも最高峰のモデルは120〜130万円台に持ってきている感じでしょうか。勿論すべて最高級カーボンホイールをはいていてコンポは電動式の完全なレース機材。そのままツール・ド・フランスを走っていてもおかしくないバイクばかり。定価ベースで見るとやはり高い印象は受けますが、果たしてこれからもっと高くなっていくのかどうか、注目です。
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