サイクリストにも人気の激安ウェアー小物をラインナップする「おたふく手袋」の「ボディータフネス 冷感・消臭 パワーストレッチ 長袖ハイネックシャツ JW-625」を使ってみました。簡単な感想を書いてみます。
おたふく手袋 ボディータフネス JW-625
入手したのはamazonで「おたふく手袋 ボディータフネス 冷感・消臭 パワーストレッチ 長袖ハイネックシャツ JW-625 ブラック」とされている製品です。カラーは他にもネイビーとホワイトを選べます。
CBN読者の方のあいだでもロングセラーになっているので気になっていました。私が購入したのはサイズMで、メインスペックは以下の表にしてみました。
製品名 | 本体 | メッシュ部分 | 価格 |
---|---|---|---|
おたふく手袋 ボディータフネス・パワーストレッチ JW-625 |
ポリエステル85% ポリウレタン15% |
ポリエステル100% | ¥863 |
1枚863円はとりあえずすごい
最大の特徴は何と言っても1枚863円という驚異的な安さでございましょう(筆者購入時)。とは言え私が買った時は「最低購入数3枚から」の縛りがあったので、3枚同時に購入しました。3枚買っても2,589円、という驚異的な安さなので躊躇することなく注文。
これだけ安いと品質や使用感が気になりますよね。というわけでちょっと外観を見ていきましょう。
うなじをカバーしてくれるのが良い
まず首まわりなのですが、バックがハイネックになっているのは好感が持てます。うなじは日焼け対策を忘れがちなところで、うっかり日焼け止めを塗り忘れた時に活躍してくれそうです。
縫製はまずまずOK
縫製はほつれているところもなく、OK品質と感じます。パールイズミのような高級品と比べるとやや目が粗く耐久性はどうなんだろう、と思ってしまいますが、粗悪な印象は全く受けません。
サイドは腋の下まで一直線にメッシュが入っています。このメッシュ部分以外はすべて同じ素材(ポリエステル85%, ポリウレタン15%)になっているようです。
生地はやや薄手。コンプレッションというより程よくぴったり
本体部分の生地は、わりと薄めに感じます。
この製品はストレッチする微弱なコンプレッションウェアという感じで、ぴったりフィットしてくれますが本格的なコンプレッションではないです。またいわゆるタイトフィットというよりも、素材が伸縮するのでズレにくい、という感じ。そしてそれがなかなか良い具合。
汗の消臭効果がどれほどあるのかは実感できていないのですが、冷感効果については確かにあると思います。特に汗をかいて風を受けるとひんやり感が出ます。
一応UVカットを謳っていますが、パッケージにはUPF50+等の表示はありません。これは自信があれば表示したほうが有利なはずなので、実際どうなんだろうという疑問は湧きます。
パールイズミのコールドシェイド・ロングスリーブとの比較
ここで同じカテゴリーの高級品、パールイズミの「コールドシェイド・ロングスリーブ 110 メンズ ブラック」と少し比較してみます。
アームカバーとインナーウェアが一体化したようなこの製品については下の記事で先日詳しく紹介しました。
まずは素材のスペックを見比べてみます。
製品名 | 身頃 | 外袖 | 内袖/腋 | 価格 |
---|---|---|---|---|
パールイズミ コールドシェイド・ロングスリーブ 110 メンズ |
ポリエステル90% ポリウレタン10% |
ナイロン85% ポリウレタン15% |
ポリエステル80% ポリウレタン20% |
¥7,541 |
下表のおたふく手袋との比較でわかるように、パールイズミではいちばん日焼けしやすい外袖の部分にナイロンが85%使われている点が素材面での大きい違いです。
ナイロンのほうがUVカット機能的には不利である、という話をよく目にするので、UPF50+を謳うパールイズミ製品が腕部分にナイロンを使うのが不思議ですが、外袖の生地の厚みはあきらかにパールのほうが上。
製品名 | 本体 | メッシュ部分 | 価格 |
---|---|---|---|
おたふく手袋 ボディータフネス・パワーストレッチ JW-625 |
ポリエステル85% ポリウレタン15% |
ポリエステル100% | ¥863 |
素材自体へのUV加工以外に、紫外線カットには生地の厚みも効いてくると言われています。いずれにしても、1人の人間が同じ日にウェアをとっかえひっかえしてUVカット効果を比較… というのができないので、この点での正確な評価はできないのですが、現時点では「おたふく手袋もパールイズミもUVカット効果に大きい違いはないのではないか」と感じています。
外観を比べてみると、パールイズミのほうがパターンが複雑で縫製もより手間がかかるものであるのは間違いありません。あとは身頃(胴体部分)とアーム部分の素材が違っていて、身頃は少しメッシュになっているからか着用直後から暑苦しさはなく、腕はやや厚手ですがそのぶん日焼け止め効果は高そうな印象を持ちます。
パールイズミは腰の部分が少し長くなっていて、より自転車に適した作りです。インナーならこの形状でなくてもいい、という方もいるかもしれませんが、個人的にはインナーもこの形状のほうが歓迎です。
猛暑ならどちらでもOKですが、ロングライド中の雨やヒルクライムの下りでは地味に効いてくる部分です。
おたふく手袋は「安かろう・悪かろう」か?
どちらの製品もまだ数回しか使用していないので耐久性については全く語れないのですが、本記事で紹介した「おたふく手袋 JW-625」が「安かろう・悪かろう」な製品かというと、決してそんなことは言えない製品らしいことにまず驚かされます。
製品のつくりを見ると耐久性ではパールイズミのコールドシェイド・ロングスリーブにはかなわないでしょう。着用時の上質な肌触りもパールイズミが確実に上です。
ただ、方や863円。方や7,541円と、9倍近くのも価格差を考えればそれは当然のことでしょう。パールイズミの製品は、たまにはずれもありますが、やっぱりよく考えられていてコストもかけられているという気がします。どちらも中国製ですが、お金かけてるなという印象。
しかし冷感効果やUVカットといった機能面で、「パールイズミのコールドシェイド・ロングスリーブ」は「おたふく手袋 JW-625」より9倍近く優れているのか、というと、それもそんなわけはなく、いまのところ「冷感効果」も「UVカット効果」もいい勝負ではないか、と感じています。
(もうしばらく使ってみないとわかりませんが、UVカット効果はパールイズミのほうが上ではないかと思っているんですけどね。パールのほうが外腕部分の生地に厚みがあり、それが効いてきそうです)。
袖を通し、シャツをお腹の下までグッとおろした時の肌触りの上等さ、そして走行時の汗の乾燥の速さ・べたつきの少なさはパールイズミのほうがやや上と感じます(特に着心地については9倍近い価格差を正当化できるだけのものがあります)。
逆におたふく手袋のほうは、着た直後から不思議なひんやりした感じがあり、走行中に汗をかいて風を受けると確かに冷感効果を感じます。あと明らかなアドバンテージがバックハイネック。うなじの日焼けを防止してくれます。これはパールイズミにはない特徴。
こうなるとどちらを買ったら良いのかわからないから、安いほうにしとこう、という結論に至る方も多いと思います。実際、それでも良いでしょう。
個人的にはライド頻度が月に2回とか、週に1回という感じであれば肌触りの上質なパールイズミを選んだほうが良いと思います。良いものを着ている時の満足感、幸せ感が確実にある製品です。
逆に2〜3日連続で毎日外で乗る、という方や通勤通学で使いたい方にとって、このおたふくがコスパ抜群の優良製品であるのは間違いないでしょう。ツーリングの着替えとしても便利。
価格帯があまりに違いすぎるので比較するのがそもそも問題かもしれませんが、どちらも良い製品であると思いました。
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