Tips & How-to心拍計

心拍センサーを付けるのって、「胸」と「腕」のどっちがいいの?

こんにちは。倉田恵…すみません、すみません、CBN Blog駄文担当、などかずです。

実走でもバーチャルライドでも、「心拍センサー」ってスポーツ自転車を楽しむときの必需品のひとつです(よね?)。今までなーんにも考えずに胸に付けるタイプを使い続けていましたが、最近では腕に付けるタイプもずいぶんと台頭してきている印象を受けます(n=1)。

そんな腕に付けるタイプの心拍センサーって、実際のところどうなんでしょう?

いま愛用している、胸にバンドで装着するタイプの心拍センサーに、不満があったりなんてことは全然ありません。気にしなければ、別に気にならない。それなら気にしなきゃいいじゃん、で終われる話。

なのですが、気になってしまうと、わたし気になります!(例の効果音)

ということで、腕に付けるタイプの心拍センサーを買って、装用感を比較してみました。胸バンド装着タイプの心拍センサーを、腕バンド装着タイプに買い換える。それは新しい地平を開く買い物になるのか、それともただの無駄遣いに終わるのでしょうか?

XOSSアームバンドハートレートモニター

結論から申し上げます。これ完全に個人の好みです。以上!

…というわけで、以下チラシの裏のラクガキです。

自分の中で噂の会社の、注目商品。

そもそも、なぜ唐突に腕バンド装着タイプの心拍センサーが気になったのか?というと、約3,000円なのに普通に使える激安GPSサイコン「XOSS G+」や

XOSS G+

爆安Bluetooth/ANT+両対応ケイデンス/スピードセンサー「XOSS新しい自転車コンピュータサイクリングケイデンスセンサースピードメーター自転車ANT + Bluetooth 4.0ワイヤレスサイクルコンピュータ」など

XOSS ケイデンスセンサー・スピードメーター

中華パワーをこれでもかと見せつけてくる製品展開によって、自分の中での注目度が爆上がりしているXOSS社が、これまた安価な腕バンド装着タイプの心拍センサーを出していることを知ったからです。

なにしろAmazon価格で「Wahoo TICKR FITハートレートアームバンド、Bluetooth/ANT +」が10,230円(執筆時点)なのに対して、「XOSSアームバンドハートレートモニターBluetooth 4.0&ANT +ワイヤレスハートレートヘルスアクセサリー」(XOSSの商品名記載は、どうしていつもこうなんだ!?)は、実に半額以下の4,780円(執筆時点)です。中華おそるべし。

そして、この製品と価格のことを知ったのは、不覚にも深夜残業中でした。ヘロヘロな状態で判断力が鈍りまくった脳が、ポインタを購入ボタンの位置に移動させて、右手人差し指をクリック操作させるよう信号を発しても、もう仕方ないとしか言い様がありません。悪いのは、自分じゃなくて社会!みんなビンボが悪いんやー!

XOSSアームバンドハートレートモニター

そういえば、同社は「読み方がわからない」ことでも自分の中で話題ですが、心の中では「ペケおっす」というアダ名を勝手につけています。失礼にもほどがある…。とはいえ、日本国内において思想及び良心の自由は憲法19条で保障されています。自分がXOSS社の製品を「ペケおっすの製品」と心の中の世界の中心でいくら呼んだところで、お咎めは無しですよね?

腕に付けるタイプの心拍センサーは、精度がイマイチらしいけど?

それはさておき、腕に付けるタイプの心拍センサー、心臓から遠く離れた場所でどうやって心拍数の変化をキャッチするんだろう、と思っていたらデータの取得方式が違うんですね。無知をさらけ出してしまいますが、ちっとも知りませんでした…。

ネットで見聞きしたことを、さも自分が知っていたかのように書いてしまうと、

胸に取り付けるタイプのセンサーは、電気式。心拍の電気信号を検出して、それを計測するようになっています。

それに対して腕に取り付けるタイプの心拍センサーは、光学式。皮膚の上から光を当てて、血流量の変化を読み取ります。…だそうです。

▼腕バンドセンサーの皮膚にくっつける側。上から充電端子、LEDと光学センサー、シリアル(フォトショ処理済み)。皮膚にLEDで光を照射して、光学センサで脈動を読み取る。とっても未来ズラ…。

XOSSアームバンドハートレートモニター

心臓をどっくんどっくんさせる電気信号を直接的に計測するのと、血管を流れる血液の量を光学的に(=見た目で)計測するのとでは、そりゃあどう考えても前者の方が明らかに正確性やレスポンスが高いはず。メーカー各社のページを見てみても、やはりそのように書かれているので間違いではなさそう。

とはいえ「そこまで正確無比な測定結果が必要なほど、シビアなコンディションで走っているのか?」と聞かれたら、首を千切れるほど大きく横に振らざるを得ないわけで、そうなったら

「使っていて、より快適な方を選ぶ」

というのが、意識低い系の自転車乗り的な結論になります。

使って快適なのは、どの方式?

自分の手持ち機材で、心拍センサーの計測方式と取り付け方式を整理すると大きく3つに分けられます。

センサー位置 取り付け方式 計測方式
バンド 電気 いわゆる普通の心拍センサー
接着 電気 ↑のセンサーをAIRFITで装着
バンド 光学 今回買った腕バンド式の心拍センサー

それぞれの特徴は、こんな感じです。

胸センサー+バンド取り付け

心拍センサーで最も一般的なのは、このスタイルでしょう。電気式の心拍センサーを、胸にバンドで固定して使用します。

CAT EYE HR-12

この方式の弱点は、胸に装着するためのバンド。たとえば屋外で走るのと違って、ZWIFTしまくっていると「汗だくになったバンドを洗って干す」というローテーションが1日に何度も発生します。なのでバーチャルサイクリスト的には、複数の予備バンドが必須です。

そして、その胸バンドなんですが、使っていると結構なペースで使えなくなります。内部の信号線が劣化・断線するせいかと思うのですが、徐々に心拍の変化を拾わなくなり、そのまま使っているとNo Signal。見た目には全然異常がないのに、使用不可能という状態に陥ります。これまで、もう何本の胸バンドにサヨナラしたことか…。

いまはCATEYEの交換バンドが、Amazonで1本593円(執筆当時)というリーズナブルプライスで入手できるので、常に予備の予備の予備を持っておく、という運用で対策は余裕。ではあるのですが、見た目になんの異常もない製品を捨てまくるのは心が痛みまくります。

▼予備の予備を買っても全然平気。ありがてぇ…。

CAT EYE 1603595 装着ベルト

胸センサー+接着取り付け

7ELEVEN CLIQQ ROADBIKE PHILIPPINESの金子大介選手を起用した、とてもユニークなTwitterプロモーションを展開している「AIRFIT」を使って、手持ちの電気式心拍センサーを胸に接着して使用すると「胸バンドなし」の運用が可能になります。

AIRFIT

「AIRFIT」はその名前の通り、心拍センサーの存在感を空気にしてしまいます。いやマジで。「胸バンドにはこれだけの圧迫感があったのか!」ということに、AIRFITを使うと思い切り気づけるでしょう。

▼イエローの剥離紙を剥がして胸に着ける。

AIRFIT

すんばらしい装用感で、バンド式の追従を許さない「AIRFIT」。なんですが、気になるのはランニングコスト。毎回装着用のシールを交換しなければならないので、走れば走っただけシール代がかさんでいきます。またAIRFIT本体も、かなり消耗品感がある印象。ヘビーユースするには、割と思い切りが必要かも。

▼シール無しだとこんな感じ。

AIRFIT

自分はさすがに日常使いできるほどの勇気が無く、イベントなどの「特別なライドの機会用機材」になっています。

ただ、「AIRFIT」の装用感は本当に唯一無二なので、皆様にもぜひぜひ体感してみていただきたいです。

腕センサー+バンド取り付け

今回買ってみた心拍センサーは、この方式。ZWIFTして試してみましたが、やっぱり「胸を締め付けられない」というのはイイですねぇ。

XOSSアームバンドハートレートモニター

確かに胸に付ける心拍センサーに比べると、計測値がリニアに追従してくる印象は薄いです。心拍の変化に、数値が追いついてきてないかも?というのは、素人でも明らかに感じます(光学式は精度が…という情報を鵜呑みにしているため、先入観による「気のせい」である可能性も否定はできませんが)。

とはいえ、それで思いっきり困ったことになるかというと、ちっとも困りません。

そして、胸にバンドで装着する方式に比べて、明らかに優位だと感じるのは先述のとおり胸を締め付けるモノが何も無い。つまり、「呼吸を一切妨げない」という点。

胸バンド程度の圧迫がライドのパフォーマンスに目に見えるだけの影響を与えるか、というと、そんなのはほぼゼロに近いのかもしれません。

とはいえ、「ある」のと「ない」のでは、超えられない壁があります。胸にバンドを巻くより、腕に巻いた方がストレスは少ないと感じます(個人の感想です)。

また1度バンドの長さを調整してしまえば、すでに輪っかになっているバンドを腕に通して、ずり上げる/ずり下げるだけで着脱できてしまうところも実は大きなポイントです。いちいちフックを引っ掛けたりする手間がなく、ものぐさ野郎的には「もう…最高…!」としか言いようがありません。

逆に、胸バンド取り付け方式に敗北するポイントですが、ひとつはセンサーがずり落ちそうな不安感に苛まれること。まぁ、これは慣れで済むでしょう。

あと、「いちいちスイッチを押して起動/終了させる必要ある」「充電する必要がある」というのが、地味に面倒かも。本品だけの仕様かもしれませんが。

▼XOSSの腕心拍センサー用の専用USB充電ケーブル。

XOSSの腕心拍センサー用の専用USB充電ケーブル

そして個人的に最もヤバイと感じるのは、長袖のウェアを着て出かけるときにセンサーを付け忘れてしまうと「もう一度、服を脱ぎ着する羽目になる」というところ。

自分は夏場にアームカバー一体型の長袖インナー、冬場には機能素材(今はなきGOLDWINブランドの光電子モデル)の長袖インナーを愛用しています。そして、へっぽこなので着替えるときに心拍センサーを付け忘れて玄関を出て、サイコンが心拍を表示しないのを見てようやく付け忘れに気付いた。という経験が、もう何度となくあります。

そんなとき!

胸バンド取り付け方式なら、服をべろーんとめくってバンドを巻けます。ですが、腕バンドだとどうでしょう。バンドを巻くためだけに、いちど服を脱ぐことを余儀なくされるでしょう。長袖インナーを脱ぐには、ジャージを脱いで、シューズを脱いで、ビブを脱いで、インナーを脱いで、ほぼ全裸になる必要があります。そして、もう一度全部のウェアを着る。め、面倒くさー!!!!

え?そんなの自分だけですか?そうですか…。

まとめ

というわけで、どの方式にも一長一短があります。最初にも書きましたが、もうこれ好みですよ。好み。

CAT EYE HR-12とXOSSアームバンドハートレートモニター

で、自分の中では、ローラーで日常使いするなら、腕バンド取り付け式。普段の外ライドには、胸バンド取り付け式。イベントなどの特別なライドには、AIRFIT。という使い分けになりそうです。

起動・終了の手間はありますが、腕に通してずり上げてしまえば使用可能状態になる腕バンド取り付け式の心拍センサーは、ものぐさ野郎の強い味方になってくれそうです。充電し忘れてバッテリー切れで、走行前にアウト確定!という経験はしそうですが…。

そんなわけで、

  1. 胸バンドの心拍センサーの使用感にモニョっている。
  2. 心拍計測に、そこまでの精度を求めていない。

という条件を満たす方であれば、胸の圧迫感から解放してくれる腕バンド取り付け式の心拍センサーは「買い」ではないかと思います(異論は認めます)。

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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