今日まで全然知らなかったのですが、今年の5月25日に朝日新聞が「五輪会場、自撮り動画ダメなの? SNS投稿禁止に波紋」という記事を出していたんですね。
参考 五輪会場、自撮り動画ダメなの? SNS投稿禁止に波紋
参考 東京五輪、観客は動画のSNS投稿禁止 著作権の侵害?それとも時代に逆行している?
YouTubeを見ていたらホリエモンの動画がおすすめに上がってきていて、そこで取り上げられていたので知りました。
写真は私的利用ならOK。動画はアップ禁止
何がダメで何がOKなのかをまとめると、
- 五輪会場で観客が写真・動画・音声を撮影したり録音するのはOK→撮ること自体は問題ない
- ただしそれらの一切の権利をIOCに移転することに同意する→著作者人格権を行使できない
- 写真の私的・非営利の利用はOK
- 動画・音声をSNSに投稿するのはNG
ということになります。写真については、広告を貼っているブログには五輪会場で撮影したものはアップできないことになります。動画については、SNSへのアップが禁止です。
動画をYouTube等のプラットフォームに埋め込まずに直接自分の日記ブログに埋め込むような猛者はごく少数でしょうから、動画については事実上ネットにアップしてはいけません、と言えるでしょう。
SNSの定義も様々ですが、大まかに言ってFacebook, YouTube, Twitter, Instagramいずれも該当するものと思われます。
サイクルモード事件もこの流れ?
これを読んですぐに思い出したのが先の11月のサイクルモード。入口に「撮影禁止」の看板があって相当話題になった事件です。経緯については、下の記事で紹介してあります。
ということは、サイクルモードはこの「東京五輪の撮影禁止」という方向性を知っていて、それに合わせたのではないかという気もしてきます(※個人の推測です)。
東京五輪が多大な放映権料を支払っているテレビ局に配慮するのと同様、サイクルモードもサイトや動画でコンテンツ配信を行っている一部の出展者に配慮したのでしょうか。
ただこれも東京五輪の「会場」と書かれているので、施設管理権が及ばない市街地で行われるロードレースやマラソンといった競技を個人が撮影してYouTubeやブログにアップするのは止められないでしょう。
屋内のベロドロームで行われるトラック競技の動画アップは禁止になりそうです。
日本特有の現象?
上のホリエモンの動画でも言及されていますが、こうした動きはどうも日本特有のものである可能性が濃厚です。確かに屋外の音楽フェスなども日本では撮影が禁止されていることが多いようですが、海外では合法の国もあると聞いたことがあります(YouTubeにアップされているいろんな海外バンドのライブ動画で削除されないものがあるのもそういう理由らしいです)。
しかしIOCの著作物がYouTubeで消去されているのはよく見かけますが、Twitterでの動画投稿を取り締まるのは実際は難しそうです。
恐らく「実際に取り締まるのは無理だけれど、あらかじめ抑止しておこう」という感じなのかもしれませんが、このノリもサイクルモードの撮影禁止事件と何か似たものを感じます。特定の利権の保護が裏目に出ている感じです。
日本人・東京都民としてオリンピックは成功してほしいとは思いますが、果たしてこれで盛り上がるのか… とやや心配になるようなニュースです。
オリンピックにしてもサイクルモードにしても、これまでのビジネスモデルがもう限界に来ているのではないでしょうか。