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長期の自転車旅行に出ている人はみんなどうやってお金の工面をしたのですか

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バイクパッカー、バイシクルツーリスト。呼び名は様々ありますが、長期にわたる自転車旅に出かけている人はいったいどうやってお金や時間を作ったのでしょうか、という質問を海外掲示板のバイキパッキング・コミュニティで見かけました。定期的に立てられるタイプのスレッドなので、多くの方が気になっているテーマなのだろうと思います。

私は30代半ばで、子供はいないし作るつもりもなく、経済的・物質的な富を集めることに興味がありません。できるかぎり多く世界を見てみたく、それを自転車に乗ってやってみたいと思っています。聞きたいのは、みんなどうやってそれをやれているのか、ということです。歯を食いしばって働いてしばらく貯金するのか、それとも旅をしながら仕事を見つけるのか。長期にわたって基本的にホームレス生活をする方向に持っていくのは自分にはハードルが高いので、アドバイスをもらえると嬉しいです

出典 How do people afford to bikepack?

以下、個人的に興味深く思ったコメントを拾ってみます。

  • バイクパッキングが趣味だという人の大部分は、数ヶ月にわたる長さの国境をまたぐような旅はやっていないと思うよ(331いいね)
  • (上の人に)同感です。私の「ビッグな」旅は2〜3週間の小さいかたまりで完結するものでした。「ロングライド」をやるには、リタイアするか宝くじに当たるまで待たないといけないでしょうね(103いいね)
  • 俺は24時間以内の一泊(S24O=Sub 24-hours Overnighterの意)か2泊旅行の男です。放浪ライダーになるつもりはないです。月曜の朝に仕事がありますから(52いいね)
  • 数年働いて、仕事をやめ、すべて売っぱらって自転車に乗って出発するんです。それから新しい仕事を見つけて、ミニマルなライフスタイルで数年過ごして、貯金してまた出かけます(111いいね)
  • 私達の大部分は、がんばって働いて、貯金して、しばらくバイクパッキングに出かけて… その繰り返し。このコミュニティでは、長期のバイクパッキングに出かける人はよく援助を仰いだり(beg=物乞い)、働くのではなく文化の寛容さを利用することが多いようだけれど、私の意見ではそれはカッコ悪いと思う(10いいね)
  • (上の人に)このr/bikepackingコミュニティにBegpackers(物乞いパッカー)がいるの? 僕もそれはカッコ悪いと思う(5いいね)
  • 夫といっしょに2年少し、世界を自転車で回りました。32ヵ国に行って、24,000マイル走りました。2019年に出発し、2年間旅を続けられるくらい貯金していました。2020年3月にはベトナムにまで辿り着きましたが、Covidが起こりました。家に戻り、貯金の大部分には手を付けませんでした。Covidが収束するまで3年待ち、ふたたび旅に出ました。3年間の休止期間のあいだ、二人ともリモートで働き、2回目の旅では移動しながらできるビジネスを確立しておきました(8いいね)
  • 自転車メッセンジャーだった頃、6ヶ月間ある男と一緒に仕事してました。彼は6ヶ月にわたる2回のインド旅行の途中でした。メッセンジャーは最低賃金よりはもらえましたが、あまり稼げませんでした。彼はビーガンで、米と豆を食ってました。どこにでも自転車で行ってました。友達の駐車場にあるバンの中で暮らしてました。彼がお金を使うのを見たことは全くなく、ただ一度だけ、ティムホートンズでベーグルを買うのを見ました。6ヶ月経つと彼はインドに向けて出発し、それ以来一度も会っていません(8いいね)
  • バイクパッキングは数ヶ月間の、大陸をまたぐような冒険以上のものです。用品を少し揃えて、週末にキャンプに行くといいです。1週間の休みを取って、数百kmの旅をやるといいです。そして仕事に復帰しましょう(7いいね)
  • 元カノと、合衆国をまわる4300マイルのロングツアーを4ヶ月かけてやったことがあります。彼女はジェントルメンズ・クラブのダンサーで、通りがかるすべての州でストリップをやっていくのが目標でした。ストリッパーはセクシー浮浪者のようなものです。パニアバッグのひとつは下着とメイク用品専用でした(6いいね)
  • (上の人に)この宝石のようなコメントにたどり着くまでスクロールした甲斐があった(3いいね)
  • 大部分の人は年次休暇を使って旅に出ている。すべてを捨てて、一回の旅で地球をめぐるような旅をする人は少数派だ。それに週末や、長めに取った週末の休みでも、楽しく短い旅をやれる可能性はたくさんある。生活というよりも、趣味としてやっていける。バランスが大事さ(5いいね)
  • 私も数年働き、すべてを売って1969年に出発しました。予定していた2ヶ月は45年のライドと仕事、20ヵ国での生活になりました。その間に得られた経験や、現地の文化に溶け込むこと、考え方を交換しあうこと、人々と繋がりを持つこと、風景、苦難とその克服、人間としての成長はプライスレスでした。私は1週間の給料と、リュックサック1個と自転車1台で出かけました。一文無しのような状態ではじめて、年寄りになった今でも文無しのようなものですが借金はなく、まだ自転車に乗っています。人生にはお金を稼ぐことより大事なことがあります。ガラクタでいっぱいの倉庫よりも、山積みの経験と思い出を私は取ります(8いいね)

スレ主さんは多分「バイクパッキングやバイクツーリング=何週間、いや何ヶ月、いや何年にもわたるスケールの大きい旅」という思い込みがあるのでしょうか。このことについては、1年ほど前に書いた下の記事も関係のある話題かと思います。

自転車旅行はエピック(壮大なもの)である必要はないという説
自転車旅行はエピック(epic, 壮大なもの)である必要はありません、というおもしろいタイトルの投稿を海外掲示板で見かけました。小さい旅だっていいんですよ、という主張です。 もう一人のお父さんと、両方の娘たちと24時間以下の自転車ツーリング...

小さい旅でも十分に楽しく、価値はある。ーーそれはさておき、数ヶ月や数年にわたる旅にも出てみたい。そんな時はどうすればいいか。

このスレッドが投稿されているバイクパッキング・コミュニティにはたまに、コメントでも言及されているように、募金を募ったり、ほぼ無一文で出発し行く先々で現地の人に食料をわけてもらったり、仕事を紹介してもらったりする人の投稿を見かけます(景気や世界情勢と関係があるのか、そういう投稿がここ数年で本当に増えた気がします)。

私はそういう人々の活動についての意見は全く持っていませんが、最初から他人のヘルプをあてにして出発することは、自分の力で・自分の責任で生きていくという意思と計画を最初から捨てているとは言えるでしょうし、その意味でカッコ良くはないだろうとは思います(途中で何らかのアクシデントに見舞われて、誰かに助けられたり助けたりというのはまた別の話。あと出発前にプロジェクトとして援助を募ったりするのは決してカッコ悪くはないと思います。行き当たりばったり、というのが、カッコ悪いかどうかというよりも、危険だろうし、それは幸福を求める行為というより、ゆるやかな自殺という印象が強い)。

自転車で日本一周や世界一周を実際にやっている方は、今回は北海道を回る、今回は四国だけ回ってくる、合衆国の横断だけやってくる、というふうに細かい単位にわけて取り組んでいる人も多いと思います。

すべてを一筆書きでコンプリートしなくても、その旅が中途半端だったとか、失敗だったということには決してならないと私は思います。

それはさておき、上で紹介したコメントでいちばんいいなと個人的に思ったのは「人生にはお金を稼ぐことより大事なことがあります。ガラクタでいっぱいの倉庫よりも、山積みの経験と思い出を私は取ります」というものでした。私も同じ気持ちです。自転車旅行に憧れる人、実際に自転車旅に出た人は、多かれ少なかれそういう気持ちを持っているのでしょう。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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