昨年からガーミンEdge820を使ってます。元は10万円の完成車である愛車との不釣り合い感はハンパなく、パワートレーニングなんて一生するつもりがない私は機能を持て余しまくり。心拍センサーとかいまだに着けたことないし。
しかし後悔は全くありません。だってこれ、ふるさと納税で格安でゲットしたものだから(*現在は返礼品から削除されました)。
サイクリーマン(サイクリストのサラリーマン)がめんどうな確定申告ナシでふるさと納税の恩恵を受けられるタイムリミットまで、あと1か月余り。
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今回はその「ワンストップ特例制度」の利用法や、自転車関連の返礼品をざっくりと挙げていきます。
細かいノウハウは後述する各種のふるさと納税ポータルサイトのQ&Aなどをご参照いただくとして、それらには載っていない体験談や豆知識をご紹介。
なおふるさと納税とは厳密には「納税」ではなく「寄付」なので、本稿ではそのように表現することもあります。
締め切りは1/10
毎年この時期から年末近くにかけ、街角で、スマホのバナーで、テレビCMで、ふるさと納税がらみの広告がやたら増えてきます。
どれだけ増えるかの定量的なデータはありませんが、「新型のエアロフレームは従来より剛性●%アップ、空気抵抗を●W削減」というメーカーのよくあるキャッチコピーと同じかそれ以上には自信を持って言えます。
その理由ですが、ふるさと納税をした給与所得者…要するに会社員が確定申告ナシで住民税(または所得税)の控除が受けられる「ワンストップ特例制度」を利用するには、「(納税した)翌年1/10までに」マイナンバーなどを確認できる書類を郵送で届ける必要があるからです。
つまりこれからの時期は、「今年はまだふるさと納税してないけど、なにか返礼品ほしいなあ」という諸氏が“駆け込み納税”するピークシーズン。そりゃあ宣伝にも気合が入ることでしょう。
ただ、住宅ローン控除や医療費の還付を受けるため、もともと確定申告をするつもりだった人は、2~3月の申告期間にふるさと納税のこともセットで税務署に申請すればいいだけです。1/10に間に合わせる必要はありません(寄付自体は12/31までに済ませる必要があります)。
ポイントもたまる
ワンストップ特例制度の利用法ですが、まずは
といったポータルサイトで「実質自己負担2千円で返礼品をもらえる上限寄付額」を計算してください。源泉徴収票があれば精密に計算できますが、自分の年収を大まかにでも把握していれば十分です。
その枠内でアマゾンでポチるような手順で寄付先を決め、クレジットカードなどで決済すれば、必要な書類が自治体から郵送で届きます。手続きが済めば、翌年6月からの税金が「寄付した金額-2千円」分控除されます。
税金控除の上限寄付額を超えてふるさと納税することも、当然可能です。それで得することもあります。
例えば「10万円の寄付でもらえる返礼品(市価3万円相当)が欲しいけど、自分の寄付上限額が9万円」という場合、あえて限界突破して10万円寄付すれば、3万円の商品を1万円(=10万-9万)で買ったのと同じことです。
ただし、その返礼品が値崩れしやすい(海外通販やセールで激安で売っている)ような商材だと損になることもありえます。
近年はポータルサイトへの手数料支払いを嫌がって離脱する自治体も出てきています。自治体に直接申し込んだ方が割のいい返礼品をもらえたりすることも。
他方でポータルサイト側も、独自ポイントまたはAmazonギフト券などの謝礼を上乗せするなど、寄付者集めに熱心です。
市長からのてがみ(こうか:とくになし)
手続きの話に戻ります。
寄付金支払い後、税金控除の手続きのための書類が自治体から届きます。ワンストップ特例制度を利用する場合も、確定申告する場合も、この書類の返送が必須です。
書類といってもA4用紙1枚で、住所氏名などを書く程度なので難しいことはありません。それに本人確認書類(マイナンバーカードは持ってなくても構いませんが、マイナンバーの記入は必要)のコピーを添えて返送すればOKです。この書類が1/10までに自治体に届いていれば、ワンストップの手続き完了と思って大丈夫です。
だいたいどの自治体も、この書類とセットで「市長(or町長or村長)からのお礼の手紙」を送ってきます。テンプレートな文言と、市長のサイン(のコピー)が印刷された1枚紙です。
税金控除の手続きには不要なので、読んだら(読んでなくても)捨てて大丈夫です。後々ご当地にツーリングに行って地元ヤンキーに絡まれた時に手紙を懐から出しても、水戸黄門のアレ的な効果は特にありません。逃げてください。
返礼品はこうした書類とは別に届くのが一般的です。
書類の返送後、「寄付金受領書」が送られてきます。
これはワンストップ特例の利用者(=確定申告をしない人)には使い道がありませんが、翌年の6月ぐらいまでは一応保管しておいてください。
また、ワンストップ特例制度の受付が完了したら連絡があるかどうかは自治体次第です。メールなどで連絡をくれるところもありますが、くれないところもあります。
ビッグプーリーは地場産品である
報道の通り、ふるさと納税はかねてから、換金性の高い・地場産業(ふるさと)と関係のない返礼品で寄付を募るやり方が国から問題視され、返礼品のバリエーションは年々縮小しています。
私のガーミンEdge820は、サイクリストフレンドリーを掲げるとある自治体からいただいたものですが、翌年には返礼品リストから消えてました。
まあ、外資系企業の商品なうえ、工場がその自治体にあるわけでもないんで、しゃーないとは思います。
しかし自転車そのものや、自転車関係の返礼品はまだまだいっぱいあります。
上記ポータルサイトで「自転車」と打ち込むと大量ヒットするので逐一は紹介しませんが、子供向けBMX、トルクレンチ、木製自転車ラック、サイコン、ライトなどなど実に多彩。
正直どういう理屈付けで返礼品にしているのかわかんないくらい、いまだに豊富です。
サイクリスト魂をくすぐられるのがビッグプーリー。愛知県日進市の返礼品です。製造元のカーボンドライジャパンが立地しているから地場産品という扱いなんでしょうかね?
ホテルの宿泊券など「コト消費」系の返礼品も多いです。
お泊りツーリングに活用…したいところですが「平日限定。しかもお盆と年末年始不可」となっていることが多く、社畜系サイクリーマンには無用の長物。
一番シビれるのが、広島県尾道市の工房「NAGI BIKE」製のクロモリロードで、必要寄付金額73万3千円也。
サイクルモードで試乗したことがあり、すごくいいなと思ったのですが、これを自己負担2千円で手に入れるには、年収が2千5百万円くらい必要です。oh…。
まあ商品定価自体は19万5千円(ティアグラ仕様、税別)です。「返礼品は寄付額の3分の1以下の価値のもの」という国のルールからすると至極妥当。
ちなみに各自治体が何を返礼品とするかは、割とちょくちょく変わります。その年の間でも入れ替わりはあります。これからピークシーズンですし、何にするか決断したら、申し込みはお早めに。
6月まで夜しか眠れない(?)
ちゃんと寄付額が税金から控除されているか…を公的に確認するには、自分が居住する自治体から「住民税決定通知書」が6月に届くのを待つ必要があります。例えば1~6月の給与明細なんかを見ても意味はありません。
しかも、住民税決定通知書自体に「あなたは〇円のふるさと納税をしたので住民税(または所得税)から△円を控除しました」などと書かれてるわけではありません。
税額の数字を見て、昨年以前の通知書と見比べるか、自分で本来の(控除前の)税額を計算して比較する必要があります。
まず大丈夫とは思いますが、もし役所の手違いで控除されてなかったら、定価の3倍でネットショッピングをしたようなものです。
それを心配すると夜しか眠れなくなりそうですが、そうなった場合は「寄付金受領書」を元に寄付先の自治体に問い合わせるなどして打開策を探ってください。ワンストップ利用者でも受領書はしばらく保管を、と上述したのはこのためです。
最後になりましたが、返礼品のあり方や、ふるさと納税という制度そのものへも近年批判が高まっていることは、私も存じています。そうした意見はじゅうぶん理解できます。
しかし、「都市と地方の財政力格差をどう埋めるか」や「税金の使われ方」といった問題を考えるうえで、いいきっかけになるとも思うのです。
ふるさと納税時に寄付分の使途を指定できる自治体は多く、例えば尾道市は「しまなみ海道の魅力向上」を選択肢に挙げています。
過去に旅行して気に入った自治体が大雨や地震で被災したら、復興支援でふるさと納税する―といった恩返しも可能になります。
将来的に返礼品制度はなくなっても、ふるさと納税自体はあり続けてほしいと願います。