サイクリング動画の撮影やVlogに便利なGoPro。しかし多くの方が頭を悩ませるのはウィンドノイズ(風切り音)ではないでしょうか。本体をスッポリ覆うスポンジ状のカバーを使ったり、内蔵マイクの口に「モフモフ」を貼り付けたりという裏技もありますが、限界はあります。そこで私はHero9/10共用のMedia Modを導入して外部マイクを使用することにしました。
このモジュラーがあると外部マイク・ライト・ディスプレイモジュラーが使えるようになります。逆に言うとこれがないと外部マイクは使えません。
本記事ではこのMedia Modの全体的な使い勝手と、外部マイクの使用方法(セッティング)を紹介します。
GoPro本体との接続
取り付けは意外に簡単で、GoPro 9/10の本体左側のドアを取り外し、Media Modに滑り込ませます。Media Mod側のUSB-C端子がGoPro本体に入って合体・通信できるようになります(写真下)。
GoPro本体のマウント用の脚はあらかじめ折りたたんでおき、Media Modの装着後に再び展開します。取り外す前にこの脚を畳むのを忘れがちで、そこが面倒と言えば面倒です。
そしてMedia Modを使う上での最大の短所は、GoProが熱暴走してフリーズした場合、本体を取り外してバッテリーを抜かないと再起動できないところ。筆者のHero 9もやはり熱には弱いらしく、屋外では必ず1度はフリーズしてしまいます。Hero 7の頃から慣れてしまいましたが、初めてGoProを使う方には大きいストレスだと思います。これはもう諦めるしかありません。
外部マイクを接続する
さて、背面には3つの端子を覆うカバーがあり、その下にはmicro HDMI・給電用USB-C端子・3.5mmマイク端子が並んでいます。ちなみにこのMedia Modを使うとGoPro本体の防水機能は失われます。Media Mod自体も防水対応ではないので、そこも大きい欠点とは言えます(外部マイクを使う場合は防塵防滴カメラでも同じなので欠点は言い過ぎかもしれませんが)。
Hero9/10 Media Modを装着すると、映像設定オプションの「PROTUNE」で「背面・前面・カメラ内蔵マイク」の3つから入力ソースを選べるようになります。Media Mod内蔵のショットガンマイクを使いたい場合は「背面・前面」のどちらかを選びます。Hero 8用Media Modでは「ステレオ」が選べたのですが、仕様が変わったようです。
私の場合は、Media Mod内蔵のショットガンマイクは使いません。このショットガンマイクは指向性で、カメラに向かって話しかけるような使い方ではHero 9の内蔵マイクよりは音声の拾い方も良く、中低域のウィンドノイズもまあまあ処理してくれます。酷評されていますが、Hero 9本体のマイクよりはだいぶ良いと思います。
Rode Laverlier GOは自転車Vloggerにおすすめ
しかし私が使うのはRode Laverlier GOという有線のラベリアマイクです。これを3.5mmマイク端子に挿します。
このLaverlier GOは最近かなり気に入っているマイクです。というのも、首下〜胸元に付けておくと音声をクリアに入力できるのは勿論、環境音の入り方のバランスも良く、ウィンドノイズにも予想以上に強いからです。取り付け位置にも左右されますが、強めの風に吹かれた場合でも動画編集ソフトのイコライザー処理で「使える」音に仕上げられます。
ライド中、チェストマウントやハンドルマウントに取り付けたGoProから胸元に線がビヨ〜ンと伸びているのが気になる人はRode Wireless Goと組み合わせることが多いと思いますが、落車でもしない限り筆者はこのシンプル運用で問題ないだろうと判断しています。併用しているミラーレス一眼とも共用しています。
さて外部マイクを使用する場合、GoPro本体側で設定が必要になります。Media Modに外部マイクを接続すると、Protuneの「メディアモジュラー」という項目がグレーアウトし、選べなくなります。これで外部マイクが正常に認識されていることが判ります。
次に「ユーザー設定」の「モジュラー」に移動します。ここには「標準マイク・標準マイク+・動力マイク・動力マイク+・ラインイン」の5つの選択肢があり、自分でどれかを選ぶ必要があります。Lavelier Goのような電源不要のマイクなら「標準マイク」を、Wireless Goのようなパワードマイクは「動力マイク」を選びます。それぞれ「+」を選ぶと感度が20db上がります。
最近はこの運用でサイクリング動画の音声収録がかなり楽になりました。Hero 7の時は防風スポンジを使ったり、ICレコーダーで音声を別録りしたりしていましたが、後処理が少なくなるのはありがたいですね。Laverlier GOは全指向性なので、ナレーションも環境音もいい塩梅に入ってくれます。音質も個人的には好みで、さすが定番製品といった感じです。
マウントスクリューは使いやすくない
しかしこのMedia Mod、着脱自体はHero 7時代のケースほど面倒ではないのですが、マウントスクリューの固定には苦労します。下の写真でわかるように、スクリューヘッドを掴みにくいので強く締めるのが困難です。指を全方向にかけられないんですね。
オフロードライド中にズレてしまうようなら、やはり小型のプラスドライバーを持っていたほうが良いです。下は私が愛用しているVESSELの製品。GoProを持ち出す時はいつも携帯しています。
GoPro Media Modはこんなふうに「相変わらず詰めが甘い」と感じる部分も多いですが、そもそもこれがないと外部マイクが使えないのでやはりありがたい製品です。GoPro自体がフリーズしてバッテリーを外す必要さえなければ、個人的には合格の製品。
ただ、Amazonのユーザーレビューを読むと「GoProがMedia Modを認識しない」というトラブルが散見されるので、購入時は不安でした。私の場合はうまく認識されたのですが、購入直後に動作確認し、もし認識されないのでれあれば返品・交換要請をしたほうが良いでしょう。
Amazonの場合、電子機器については「返品」はできても「新品交換」のオプションが表示されない場合がありますが、その時はカスタマーサポートとのチャットで不具合を説明するとすぐに交換品を送ってくれます(私は他の電子機器で交換対応してもらったことがあります)。