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バッグ製品レビュー

ORTLIEBのフォークパックは素晴らしく便利だが 4.1Lと5.8Lのどちらが良いかは悩みどころだ

4.5

ORTLIEB FORK-PACK(オルトリーブ・フォークパック)の実使用レビュー記事です。本製品には4.1Lと5.8Lの2つの容量があり(生地違いの「PLUS」もあります)、どれを選んだら良いか悩まれる方が多いと思うので、特にその点に焦点を当てつつご紹介していきます。

そもそもフォークパックって何?

本題に入る前に、そもそもフォークパックとは何か、について少しご説明します。一般的には、サドルバッグやフレームバッグ、ハンドルバーバッグやリアパニア等の組み合わせをメインに使っている方が、プラスアルファでもう少しだけ何か運びたい時に増設される傾向があり、比較的軽量な荷物に適している、というコンセンサスがあると思います。

ORTLIEB FORK-PACKとFORK-PACK PLUS

カーボンフォークの場合は製品ごとに異なる耐荷重があり、それを超えてはいけませんし、耐荷重を超えない場合であっても荷物の量によってはステアリング性能がスポイルされることがあるので、軽めの荷物に向く、という原則は間違っていないと思います。

しかし実際はどう使ったって良いだろう、というのが私の考え。レインウェアや清潔な着替え、洗濯物を入れたドライバッグを放り込むのは勿論、ストーブ・ガス缶・シェラカップ等の調理器具を運ぶも良し。鍵や財布、お菓子とジュースを入れるも良し。アイデア次第でツーリングライドやポタリングの楽しさが増します。バイクにまたがったまま内部にアクセスできるのも長所ですね。

もう1つの長所は、このパックは付けたままでも輪行袋に入るところです。ただしペアで使う場合、パックが膨らみすぎているとハンドルを切った時に輪行袋の生地を引っ張りキツキツになることはあり、そこだけ要注意。ラック不要のマイクロ・フロントパニアバッグ、という表現もできるかもしれません。

ORTLIEB FORK-PACK

使用に当たっては、フォークがこのシステムに対応している必要があります。オルトリーブ製品の場合、アイレットが3つあるフォークならOK。穴が1つしかない場合、カーボン以外のフォークなら付属のバンド併用で使えます。サスペンションフォークも要件を満たすものなら可。アイレットのないその他のフォークでは使用不可(詳しくは取扱説明書を参照のこと)。

非常に使い勝手が良い製品なので、ツーリングライド寄りの方でフォークが対応している場合は、是非試していただきたいところですね。私は使ってみてすごく満足しています。ハンドリングは最初違和感が出ると思いますが、いずれ慣れますし、何を入れておくかという運用面が定まってくるにつれ、自転車のミニ旅が実に快適なものに変わります。

4.1Lと5.8Lモデルの比較

さてここから本題です。まずはラインナップの整理。ORTLIEBのフォークパックは本記事時点で、「FORK-PACK」と「FORK-PACK PLUS」という2つのラインナップがあります。さらに、それぞれに4.1L版と5.8L版が用意されています(公式サイトを見るとPLUSには5.8L版しかないのですが、実際は4.1Lも流通しています)。

ORTLIEB FORK-PACKとFORK-PACK PLUS

「FORK-PACK」と「FORK-PACK PLUS」の違いは、素材です。「PLUS」でないほうは、バイクパッキングシリーズと同じ素材でハニカム模様。サドルバッグ2とも同じです。

一方「PLUS」は摩耗により強いとされるコーデュラ生地で、少しだけ重くなっています。しかし公称値では、5.8L版同士で10gしか違わないので、あまり気にせず良いのではと思います。防水性能はどちらもIP64であり、耐荷重は4.1L・5.8Lともに3kgというのも同じです(バッグの耐荷重とフォークの耐荷重は別なので注意しましょう)。

筆者のFORK-PACK 4.1Lは実測重量282g(マウント・ボルト3本込み)。公式サイトの数字が290gなので、サイトの数字は概ね近いと思って良いでしょう。5.8L版(非PLUS)の公称値は、315gとなっています。4.1Lと5.8Lは25g程度の違いになりますね。いずれにしても、マウント込みでも見た目から受ける印象よりもずっと軽量です。

ORTLIEB FORK-PACKとFORK-PACK PLUS

4.1L 5.8L
FORK-PACK 290 g(実測 282 g) 315 g
FORK-PACK PLUS 現在カタログ落ち 325 g

内部構造は無印も「PLUS」も同じで、フォークマウント側に薄い板があります。荷物が少なくても、中の空気が抜けないようにロールアップすると型くずれしにくく、使いやすい。

ORTLIEB FORK-PACKとFORK-PACK PLUS

あと「PLUS」のブラックは、ベルト(ハンドル)の色もブラック。本体カラーは、無印も「PLUS」もブラック系(ブラック or ブラックマット)とレッド系(サルサ=ダークチリ or シグナルレッド)が用意されていますが、全ての選択肢がいつでも売られているわけではないので注意しましょう(欲しい組み合わせがあったら早めに入手したほうが良い)。

ORTLIEB FORK-PACKとFORK-PACK PLUS

さて4.1L版と5.8L版。1.7Lの違いは見た目的にも使用感的にも、数字から受ける印象以上に大きいです。

ORTLIEB FORK-PACKとFORK-PACK PLUS

フォークに装着して前からみたところ。どちらのサイズでもライド中に膝に当たったりはしませんが、フレームサイズによっては、5.8L版は乗降時に膝が触れることもあると思います(しかしストレスに感じるほどではないでしょう)。

ORTLIEB FORK-PACKとFORK-PACK PLUS

どちらのサイズを選ぶべきか?

結局のところ、4.1L版と5.8L版、どちらを買えば良いのか。私は悩んだ結果、4.1Lと5.8Lを1個づつ買いました。そしてどちらも気に入っています。どちらもそれぞれ良いところがあります。

容量のアドバンテージだけを考えれば5.8Lです。バッグが大きいと人は荷物も多めに入れてしまう傾向があるので、その点は要注意だとしても、5.8L版は開口部も広いので、内部へのアクセス面でも有利。本当にどちらか選ばなければならないとしたら、5.8L版を推すかなぁ、という気が少しだけします。

しかしパック装着時の自転車の外観は、4.1L版のほうがスッキリしますし、乗っていても心理的な軽快感はあります。これはこれで捨てがたく、荷物が少量なら4.1Lで十分とも感じます。自分にはどちらが向いているか、実際に両方使ってみないとわからないと思います。運用やライドの内容によっても印象は変わってくるでしょう。

大は小を兼ねる、で5.8L版を買えば間違いない… とも言い切れず、4.1L版のコンパクトさが気に入る人も多いと思います。どちらが正解、と言い切るのがちょっと難しいですね。

4.1L版を買って「もうちょっと入ったら便利なのにな…」となるか、5.8L版を買って「えっ思ったよりもデカいぞ」となるか。ただどちらを選んでも、大失敗になることはないだろうとは思います。何を入れるか頭の中であれこれ想像しつつ、あとは直感で決めてみて下さい!

▼ 無印のFORK-PACK(レッドも一時あったようですが現在はほとんど売っていない。本国サイトにもレッドは記載なし)

▼ FORK-PACK PLUS(ドイツ公式サイトには4.1L版の記載はないのですが、何故か流通しています)

なおオルトリーブ製品全般について言えることですが、流通が安定しているようには思えず、市場から姿を消すとしばらく買えなくなることが多いので、特に気に入った組み合わせのものは早めに買ったほうが良いと思います。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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