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カンパニョーロが2024年のプロレースシーンから姿を消す ファンとアンチが喧々諤々の議論を展開

カンパニョーロは来年2024年、ワールドツアーチームに機材提供をしないそうです。最後のスポンサードチームだったAG2R CitröenがDecathlon-AG2R La Mondialeとなり、バイクはBMCからVan Ryselへ、コンポはカンパからシマノへ移行することになり、来年のレースシーンではカンパのコンポは基本的に見られないことになります。

このニュースについて、海外掲示板でカンパファン・アンチカンパの方々が熱い議論を戦わせています。

出典 Campagnolo out of the World Tour 2024

以下、目立ったコメントからピックアップしてみました。

  • (スレ主さん)あまりに傲慢すぎて、1991年に無から生まれたSRAMのような会社をガン無視しながら、メイド・イン・イタリーだからというだけで何十年も同じプロダクトを提供し続けると、窮地に陥ることになる
  • SRAMとカンパニョーロについて言うなら、カンパはエルゴシフターをザックス(現SRAM)と共同でデザインした。彼らはある系譜を共有しているんだ。「無から生まれた」というのは正確ではない。SRAMはそれ以前にあったものを吸収した。カンパニョーロが何十年も同じプロダクトを提供し続けているって? あんた何言ってんだよ。わかった、理由は何でもいいからカンパニョーロが嫌いなんだろう。カンパが地図から消えようとしているのはビジネス・デシジョンの結果であって、OEMの契約が取れなかったからとか、イノベーションやモダナイゼーションが欠落していたからではない。私はカンパのコンポが好きだけれども、北米への投資が十分でないから使わなくはなってきた。でもそれが唯一の理由だ。それに加えて、最近はフラットバー用のグループやツーリングバイク用の適切なギアリングがないことが理由かな(34いいね)
  • 歴史的に、カンパニョーロは3年か4年おきに新製品をリリースしてきました。彼らは時にシマノよりも革新的でした。レバーのデザインは特にずっと良かったですね。問題は、ミドルグレードやローグレード、あるいはMTB全体のグループセットのマーケットを全部失ってしまい、そのせいで財政が悪くなりチームをひとつもサポートできなくなったことです。ベローチェやアテナ、ポテンツァやチェンタウルを売る努力をもっとすべきだったと思いますが、それらはもう全部消えてしまいました。SRAMは遅くにやって来た会社ですが、1xでMTB市場を支配しましたし、今ではビッグ・ツーの1つです。私は2016年に、新型クランクが信じられないほど醜くなったので使うのをやめました(29いいね)
  • カンパのグループセットはすごく良いんだけれども、高すぎるんです。シロッコホイールのようなローエンド製品を作ることはできるのに、コンポではそれをやらなかったのは考えてみると奇妙です(10いいね)
  • SRAMはリムーバブル・バッテリーの特許を取得したところがクレバーだった。カンパは栄光の上に長く安息しすぎて、奇妙なシフトレバーや5000ドルのコンポを出していたけれども、今ではこれはどうだと示せるものがない。SRAMはカンパのワールドツアー撤退のニュースに超ハイテンションになっているだろうね、というのも他の唯一の競合が12年間爆発し続けたクランクアームをリコールしたばかりで、Dura-Aceのパワーメーターは文字通り使えないものだからだ。あとはどうすればちゃんとしたフロントディレイラーを作れるか考えるだけでいい(26いいね)
  • (上の人に)新型のRivalとForceのフロントディレイラーは素晴らしいよ(6いいね)
  • 笑えるな、何言ってるんだ? カンパは11, 12, 13スピードのコンポを最初に出したんだぞ(※筆者注:13スピードを最初に市場に投入したのはRotorでその点を他の方に突っ込まれる)。カンパのEPSはeTapよりずっと前から存在してきたし、カスタムシフト・プログラミングはDi2より先だ。13スピードの話は俺の間違いだが、正直、Rotorのフルコンポを実際に見たことのある人っているのかい?(82いいね)
  • カンパは今では超ニッチなブランドだから、完成車を売りたいのならカンパとパートナーシップを組むのは意味がないんだ。勿論、超ハイエンドモデルではカンパ組みもあるけれど、3〜5000ドルレンジでは1種類だけとか、ものすごく少ない(3Tにはいくつかあるかな? でも彼らもSRAMに移行しつつある)。自転車メーカーはラインナップ全体でカンパを売れず、基本的にトップエンド用のワンオフだから利益にはならないんだ(78いいね)
  • (上の人に)確かにそうだ… でもなぜカンパはコーラスをスペックするよう自転車メーカーを説得できなかったのかが不思議です。シマノやSRAMからのボリュームディスカウントに比べても高するからでしょうか(32いいね)
  • Bike24では、リムブレーキ・メカニカルのコーラス12スピードがShimano 105 Di2ディスクよりも高いから、〜95%のマーケットには売りにくいと思う(57いいね)

カンパニョーロが高級志向のニッチなブランドになりつつあるのは間違いないと思いますが、それが意図的なビジネス戦略の結果なのか、それともやむなくそういう状況に追いやられたのか、実情がどうなのか気になるところですね(両方なのかもしれない)。個人的にはシマノやSRAMと市場規模の面で争って中途半端に安っぽいものを出すよりも、倒産しない財政を保ちつつ、自社もファンも納得の行くこだわりの製品を出していくのは悪い方向性ではないような気もします。

ホイールについて言えば、ゾンダのようなコスパの良い製品を出すことも確かにできていましたし、確かにローエンド・ミドルグレードを充実させること自体はやろうとすればできたのかもしれないですね。MTB・フラットバー用コンポから撤退したあたりから、狭いところで戦うことにしたような気もします(ただの推測です)。再来年以降にまた戻ってくることは十分ありうるでしょうから、カンパファンの方はガッカリする必要は特にないのではと思います。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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