最近使いはじめたパニアバッグのレビュー記事です。Rhinowalkから出ている公称7Lの防水パニアで、カラーはブラックまたはイエロー、実勢価格は¥4,899。最大の特徴は「ありそうでないサイズ感」。例えばオルトリーブのフォークパック5.8L版と同スポーツパッカー(片側10L)またはグラベルパック(12.5L)の間くらいのサイズ、といえば伝わるでしょうか。
独Tubus社のTaraというフロントキャリアを取り付けている自転車があり、このキャリアにフルサイズの20Lパニアバッグや大型のオルトリーブ・バックローラー・プロ(XL)を装着しても何の問題もなく運用できるのですが、スポーティーなライドを楽しんだ帰路に少量の食料品を買って帰る時にちょうど良さそうなものを探していて、このバッグを発見したのでした。
受け取った時の第一印象は「やべっ、失敗したかも!」でした。手に持つと(勝手に)想像していたよりも小さく思えたのです。しかしこのバッグ、モノを入れはじめると外観が一変します。下はバイクに取り付けて広げた時のサイズ感です(※ホイールは650Bです)。当然ロールトップ式で、うまくやればフタを開いたまま大根3本くらいは縦に入れられそうです。
フタの閉じ方は2つあります。まずはロールトップをクルクルと巻いた後、バックル(片側オス・片側メス)をバッグの両サイドにはめる方法。
斜め後方から見るとこんな感じです。
もう1つはロールトップのバックル同士を上で締結する方法です。荷物が少なめの時はこのほうが使いやすい気がします。
斜め後方からの荷姿です。
バッグサイドには「ロード系サイクリストがゴールインしている姿(大阪の道頓堀で見られるランナーの姿にも似ている)」がプリントされており、これが反射材になっています。このバッグのターゲットユーザーは明らかにセグメントが違うと思うので、なぜこのモチーフにしたのか謎です。
バッグ裏側です。両サイドのバックル受けは、使わない時はこのように裏や表で繋いでおけます。こちらのベルトは長さを調節することでコンプレッションとしても機能します。
ハンドルやフックはオルトリーブ製品と同タイプ。Rhinowalkのパニアもオルトリーブのパニアも複数所有している筆者の感想としては、このアタッチメント部は「普通に使えるけれど使用感の上質さ・快適さはオルトリーブがはるかに上」という印象です。オルトリーブのフックまわりは動きが滑らか。Rhinowalkはややガコガコしている感じで、価格差を感じるところです。
Tubus Taraとの組み合わせではバッグ下部のフックが掛かる部分がピンポイントで一箇所だけという感じでしたが、ギリで問題なく使えています。またこれらのフック類、工具不要で調整できるのも良いところ(オルトリーブのエントリーモデルでは、この調整にはヘックスレンチが必要になる「QL1」というタイプが採用されていてRhinowalkの本製品のほうが上)。
内部を見ていきましょう。インナーポケットがあり…
その裏側には樹脂製のプレートが隠れています。
口にはベルクロテープがあり、少量のものを入れてフタを巻かずに短距離移動する時などにとても便利。オルトリーブのフォークパックにもこういうものがあったらなぁと思います。私はオルトリーブ製品が好きでたくさん持っていますが、このままではRhinowalkのような中国ブランド製品に負けていくのではないかと思うことがよくあります。
付属品はショルダーストラップと、バッグ内部の樹脂製プレートを固定するフィッティングの予備(?)が1つ。
収納力を見ていきましょう。この日は野菜を買ったのですが…
全部でこれだけの夏野菜が入りました。きゅうり4本・ナス大3本・ピーマン5個・オクラ10本・ししとう15本くらい・しそ・ミニトマト10個ほど。バッグを手にした時は「うわー思ってたより全然小さい…」と正直ややガッカリしたほどだったのですが、実際に使ってみたら「イメージ通りの容量でいい!」と評価が変わりました。
下の写真2枚は、上の野菜が全部入った状態の姿です。フタを閉じなければまだまだ入り、500mlの缶ビールを2本くらい追加できそうです。
リアキャリアでも使っていけない理由はありません。特にミニベロと相性が良いサイズではないかと思います。荷物が入っていない時はクタッとしてあまり格好良くはならないのですが、モノが入っている状態で荷姿を整えていくとカッコ良くなります。
他社製品ではあまり見かけないかなりニッチなこのサイズ感、ハマる方も結構いるのではないでしょうか。なお「ほぼ」同じ作りで20L版のオプションもあります(バックルが1つ多い。私はそれも持っていて、サイズ感以外の感想はほぼ同じです)。