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Tips & How-toタイヤ・チューブ

自転車タイヤの空気圧単位 最も使われている単位と変換方法について解説します

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ロードバイクやMTBのタイヤに空気を入れる時、指定の空気圧には様々な単位が使われていることに気付くと思います。bar, psi, kPa, kgf, 気圧。と少なくとも5つの単位が代表的なもの。本記事ではどの単位がいちばんメジャーなものなのか、覚えておくと便利な単位の変換方法などをご紹介します。

代表的な空気圧の単位

まずスポーツバイクにおける空気圧の単位をあらためて並べてみます。以下の5つが代表的なものです。それぞれの読み方、書き方などとともにおさらいしてみます。

bar

バールと読まれます。BAR, barと大文字小文字どちらもOKですが、数字の直後では小文字で書くことが多いようです(例:100bar)。自転車用タイヤにはほぼ必ず書かれている単位です。

psi

ピーエスアイと読まれることが多いです(プサイと読む場合もある)。これは「重量ポンド毎平方インチ」を意味する”pound-force per square inch”の略です。これも自転車用タイヤにはほぼ必ず刻印されています。

kPa

キロパスカルと読みます。書き方はkPaというふうに、真ん中のPを大文字で書くのが正式。タイヤに刻印されているのは稀ですが、これも自転車の世界で使われることがあります。

kgf/cm2

「重量キログラム毎平方メートル(Kilogram/Square Centimeter)」を意味する略語。口頭では単に「ケージーエフ」などと言うことがあります。なおkgfはトルク管理でよく使われるkilogram-force(キログラムフォース)の略です。

気圧

気圧は現在の日本で主に使われる単位で、単位記号はatm。「大気」を意味する英語”atmosphere”から来ています。この単位の定義は昔と今とで変わりましたが、現在「1気圧」は「1bar」とほぼ同じ意味で慣用的に使われています。

サイクリストがいちばんよく使っている単位はどれ?

これらの単位のうち、いちばんよく使われているものはどれでしょうか。Twitterでアンケートをしたところ1,162人の方から回答をいただだきました。その結果がこちら。

bar(バール)が57%とダントツの支持率でトップに。次にメジャーな単位がpsiであることがわかります。ただkPaや気圧といった単位で考えている方もそれぞれ10%近くいらっしゃいます(Twitterアンケートは選択肢が4つまでのためkgf/cm2は除外してあります)。

なぜbarとpsiが人気なのか?

ではなぜbarとpsiの2つが人気の単位なのでしょうか。これはやはりタイヤサイドにこの2つの単位が刻印されていること、フロアポンプ等の空気圧計でもこの2つを採用しているものが多いからでしょう。下はMavic Yksion Pro USTのタイヤサイドでの空気圧表記。REC. 87 PSI / 6 BAR, MAX. 102 PSI / 7BARとあります(ちなみにREC.はRecommended, 「推奨」の意)。

自転車タイヤの空気圧単位 最も使われている単位と変換方法について解説します

空気入れのほうを見てみましょう。下は筆者所有のLEZYNE CNC Floor Pumpの圧力計です。内側でbar、外側でpsiの数字を読むことができます。フロアポンプではかなり多くのモデルがこの2単位を表記しています。

自転車タイヤの空気圧単位 最も使われている単位と変換方法について解説します

ちなみに下はRockshoxのサスペンションポンプですがこれも同様の表記法であることがわかります。

自転車タイヤの空気圧単位 最も使われている単位と変換方法について解説します

kPaやkgf/cm2って誰が使っているの?

ではkPaやkgf/cm2が表示されている空気圧計はないでしょうか。あります。例えば筆者も愛用している「Panaracer BTG-F 仏式バルブ専用アナログメーター」という有名な製品。外側がkPaで内側がkgf/cm2表示となっています。

自転車タイヤの空気圧単位 最も使われている単位と変換方法について解説します

ちなみにkPaはメートル法の後継となった国際単位系である「SI (Système International d’unités, システム・アンテルナシオナル・デュニテ)」の基本単位の組み合わせからできています。kgf/cm2は国際単位系には含まれないものの、メートル法で圧力や応力を表示できる単位です。

日本はメートル法の国ですし、国際的にも通用する単位であるkPaは理工系の方々に高く支持されている印象を受けます。kgf/cm2もメートル法の亜流ということがあって一定の支持を受けているものと思われます。というか、国際的にそれで統一してくれよ、という声もよく聞かれます。

ヤード・ポンド法への憎しみ、そして数字が大きいpsiの魅力

psiは「重量ポンド毎平方インチ」という名称からもわかるように、ヤード・ポンド法です。ヤード・ポンド法を公式に使用している国は2014年時点でアメリカ合衆国・ミャンマー・リベリアのたった3カ国のみという、本来はどマイナーな単位です。このヤード・ポンド法はかなり多くの人に嫌われていたりします。例えばこうしたご意見は決して珍しいものではありません。

私自身も、実はヤード・ポンド法が好きではありません。インチとかフィートとかマイルとか、直観的にわからないじゃないですか。米国人との会話でこれらの単位が登場すると脳内電卓がフル稼働して疲れます。

しかしタイヤの空気圧については例外で、私はpsiで計ることが多いのです。その理由は、数字の単位が大きいためより細かいコントロールができること(その必要性はさておき)、そしてフロアポンプなどにはPSIが大きい数字で書かれていることが多く、見やすいという理由です。

私のように感じている方が他にもおられて安心しましたw

各単位を相互変換する方法をおぼえよう

これらの単位をいつでも頭の中で相互変換できるようにしておくと、何かと便利です。基本的には、誤差はあるとしても

1 bar ≒ 1気圧 ≒ 1 kgf/cm2 ≒ 100 kPa

として覚えておくと実用上の運用で困ることはありません。

つまりロードバイクでよく耳にする「7気圧」とは「7 bar」とほぼ同じものです。

そしてそれはpsiでは「100」というキリのいい数字になる、ということを覚えておくと良いでしょう(正確には101.526psi)。

7気圧 ≒ 7 bar ≒ 100 psi

自転車タイヤの空気圧単位 最も使われている単位と変換方法について解説します

psiだけちょっとケタが違う数字になるので上のように基準を持っておくと便利です。ちなみにMavicのチューブレスレディタイヤ、Yksion Pro USTの推奨空気圧は6 bar。これは約87psiです。

名品「Panaracer BTG-F 仏式バルブ専用 アナログメーター」について

単体の空気圧ゲージとして大変有名な製品があります。CBNにレビューが多数投稿されているPanaracer BTG-F 仏式バルブ専用 アナログメーターという製品です。

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私も使用していますが現在生産されているものは、「kgf/cm2 / kPa」表示ではなく「bar / kPa」表示に変更されているようです。kgf/cm2がサイクリストのあいだで日常的にほとんど口にされていない単位であり、かつ上で紹介したアンケート結果ではbarがいちばん支持率が高いため、順当な変更と言えるでしょう。

ただ手に入れたものが流通在庫の旧タイプであった場合でも、1 kgf/cm2 ≒ 1 barと考えておけばまず困ることはありません。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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