よみもの

フィニッシング・キットの世界

CBN BlogはAmazonアソシエイトとして適格販売により紹介料を得て、良質なコンテンツの作成とサイト運営のために役立てています。当サイト内のリンク経由で Amazonにてお買い物 していただくと、大変助かります。いつもご支援ありがとうございます

フィニッシング・キット(Finishing Kit)と呼ばれるサイクルパーツ群があります。定義に幅がありますが、多くの場合ハンドルバー・バーテープ・グリップ・ステム・ヘッドセット・サドル・シートポスト・シートクランプが含まれます。ペダルが含まれることもあります。

THOMSON Elite Stem

フィニッシング・キットとは

逆にフィニッシング・キット以外のものは何かというと、フレーム・フォーク・ホイール・駆動系コンポーネントやブレーキシステム。ということは、ざっくり言ってこれら以外のパーツはすべてフィニッシング・キットと呼んでしまっても良いのかもしれません。たとえばマッドガード。

ただボトルケージやサイクルコンピュータのマウント、ライト類はフィニッシング・キットには含まれないことが多いようです。それらはアクセサリーと呼ばれることが多いです。

フィニッシング・キットは字義通りには「仕上げキット」という意味ですが、サドルやハンドルバーだけ考えても個々人の嗜好がかなり強く現れるので、英語で言う”last but not least”な(最後ではあっても軽視できない)パーツ群ではあります。

フィニッシング・キットで有名なメーカー

さてこのフィニッシング・キットを提供しているメーカーにはどんなものがあるでしょう。すべてを網羅することはできないのですぐに思いつく有名なものだけ挙げてみます。

  • 3T
  • Cinelli
  • Deda
  • Easton
  • Fabric
  • Fizik
  • FSA
  • ITM
  • Pro
  • Profile Design
  • Prologo
  • Ritchey
  • Thomson
  • ZIPP

ペダルも作っているTIME, LOOK, SHIMANOなどの大メーカーは除外しました。あとサドルだけ作っているメーカーも外しました。

現在の資本が変わっているところもあるかもしれませんが、3T, Cinelli, Deda, ITM, Prologoはイタリア系のブランド。FabrikはUK。Proはシマノ系ブランド。それ以外は大体アメリカ。これだけ見るとイタリアン・ブランドが多い印象を受けます。

勿論、他にももっとあります。MTB系だとHopeなどが有名ですね。

さらに通販ショップ各社によるプライベートブランドも続々とこのジャンルに参加していて、激戦区になっています。有名どころではWiggle/CRC扱いのPrimeなどがあります。

フィニッシング・キットの選び方

スポーツサイクル初心者の方はどのような基準でフィニッシング・キットを選んだら良いか悩むことも多いと思います。正解はもちろん存在しないのですが、同じメーカーの品で統一する人が多いです。

THOMSON Elite Seatpost

見た目の統一性の問題もありますが、ハンドルとステム、シートポストとシートクランプなどは同じメーカーで揃えたほうが組み付け上の問題が起こりにくい、ということもあります。

Dedaの31.7mm問題

たとえばDedaのオーバーサイズハンドルのクランプ径は31.7mmと表記されており、Dedaは自社のハンドルには自社のステムを使うように、他の組み合わせは保証しない、などということを謳っていたりします。と言ってもこれはユーザーの囲い込みを意識した表記のような気がします。

「デダの31.7mmハンドルは他のメーカーのステムに付けられるのだろうか」という疑問が古今東西のサイクリストを悩ませてきましたが、Dedaの31.7mmハンドルを他社製の31.8mmクランプのステムに付けても… 私の場合では問題が発生したことはありません。

そもそもオーバーサイズ・ハンドルのクランプ径はミリではなくインチではじまっていて、それが1.25インチ。ミリにすると31.75mm。多くのメーカーがこれを上に丸めて31.8mmとしたのに対し、Dedaは31.7mmと呼んだだけ、という話があります。

フィニッシング・キットが統一されていない人

美観上の問題から、あるいは締結のマッチングの問題などから「フィニッシング・キットは同じメーカーで揃えるのが当たり前」という風潮があるにはあるのですが、長年自転車に乗ってきて各パーツにこだわりが出てくると、ハンドルはFSAが好きだけどステムはどうしてもDedaが好き、ということも出てきます。

Eastonのハンドルを使っているけどFizikのバーテープは譲れない、という人もいます。

フィニッシング・キットにいろいろなメーカーの製品が混在している人はかなり乗り込んでいて自分の好みを知り尽くした上でそうしていることが多いと思います。そういう方のバイクと話をするとなかなか勉強になることも多いです。

走行会やイベントで他のサイクリストとフィニッシング・キットについて話をしてみるのも面白いと思います。特に自分が使ったことのないメーカー製品を見かけたら、印象を聞いてみるといいかもしれません。

shop Finishing Kit – Probikekit
shop Finishing Kit – Ribble Cycles

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

マスターをフォローする
タイトルとURLをコピーしました