よみもの

離島に行ったら花粉症はラクになる?

先の9月、伊豆大島にサイクリング旅行に行きました。1泊2日という短い旅行だったのですが、東京・竹芝客船ターミナルに戻り、帰宅すべく自転車を組み立て走り出してすぐ、

ウェーックシャァン、ウェーーイwww ウェッ。

と、盛大なクシャミが出ました。そして気付きました。

そういえば… 大島ではこんなことなかったな…

夕刻の元町港(2019年9月)

夕刻の元町港(2019年9月)


 

すぐに体感できるアレルゲンの不在

私は花粉症持ちです。春のスギ・ヒノキはもちろん、秋はおもにカモガヤを中心とするイネ科の植物にも反応する体質になってしまったため、ここ数年は1年の3分の2は花粉症の薬を飲まないといけないような状態です。

それでも、自転車で走っている時にクシャミや鼻水が出てもおおむね問題なく、夜から翌日にかけて倦怠感が出ます。サイクリング中はなんとかなっているのが不思議です。

三原山山頂の明日葉とハナムグリ(2019年9月)

三原山山頂の明日葉とハナムグリ(2019年9月)

伊豆大島に行く前日までは喉が炎症を起こしているような感じだったのですが、今になって思うと島に着いてからすぐに、と言っても誇張でないほどに症状が軽快していました。

翌日はさらに快調でした。花粉症やアレルギー持ちの方はわかると思いますが、アレルゲンが近くになければ症状は短時間で劇的に改善されるものです。

三原山山頂の明日葉(2019年9月)

三原山山頂の明日葉(2019年9月)

なら、大島のような離島で暮せば花粉症はなくなるのだろうか… と思い、調べてみたところ、大島にも杉は生えていて、花粉症に悩む方もいるようです。大島の杉以外にも、伊豆半島がかなり近いので風に乗って花粉がやってくるらしい。八丈島くらい離れるとだいぶ良いようなのですが、大島=花粉症とは無縁の楽園、というわけでもないようです。

下は大島一周道路の西側にある「地層切断面(通称バームクーヘン)」から、利島(としま)をバックにススキを撮ったものです。ススキはイネ科の植物で、9〜10月が開花期。

千波地層切断面(通称バームクーヘン)から利島を望む(2019年9月)

千波地層切断面(通称バームクーヘン)から利島を望む(2019年9月)

私はカモガヤにアレルギーを持っているのは間違いないのですが、同じイネ科のススキに反応するかどうかはわかりません。花が咲いたら、もしかしたら反応するのかもしれません(ススキでいっぱいの秋の荒川河川敷を走っても体調に変化はないので、大丈夫だと思いたいところですが…)。

同じ離島でも、伊豆諸島なら八丈島くらい本土から離れていると花粉症の影響が少なくなるそうです。

伊豆大島・サンセットパームラインにて(2019年9月)

伊豆大島・サンセットパームラインにて(2019年9月)

離島も花粉症と無縁ではないが本州よりはだいぶいい

しかし。伊豆大島に杉が生えているからといって、あるいは本州から花粉が飛んでいるからといって、あるいはススキが生えているからといって東京と変わりがないかというと、これはやはり全然違うな、と思います。

旅行から戻ってそろそろ1週間経ちますが、外に出た途端にクシャミが出ますし、喉がイガイガします。こんなことは伊豆大島では、なかった。離島にはアレルゲンが皆無である、とは言えないにしても、やはり圧倒的に環境が良いのは間違いないのではないかと思いました。

花粉症で悩まされている方は、離島にサイクリング旅行に行ってみてはどうでしょう。私のようにたった1泊2日でも違いを体感できると思います。1週間も滞在したら相当違うんじゃないでしょうか。

ツール・ド・フランス覇者も苦しむ花粉症

プロサイクリストでも花粉症に悩まされている選手は結構多いらしく、アルベルト・コンタドールは特に有名です(仏語記事)。花粉症はツール・ド・フランスの覇者でさえ克服できないアレルギー疾患であり、身体を鍛えればなんとかなる、というものではありません。

自分にはコントロールできない遺伝的資質、そして環境要因がまずいタイミングで組み合わさってしまった時、誰でも花粉症を発症してしまい、それはアスリートであっても回避できるものでないことがコンタドールの事例からもわかります。

花粉症は投薬治療の他にも、べにふうき茶を飲むといいとか、ヨーグルトを日常的に摂取することで腸内細菌叢を整えると良い効果がある、という話を見聞きします。私は乳製品を摂取するとお腹が張るので残念ながら続けられなかったのですが…

様々なアレルギー症状はヒスタミンと関係があると言われています。そしてヒスタミンは肥満、体脂肪と深い関係がある。なら自転車を乗りこむことでどんどん体脂肪を減らしていけば花粉症とも無縁に! と思ってしまいますが、あのアルベルト・コンタドールのどこに余分な脂肪があるというのでしょうか!

私はサイクリングの他に糖質制限をして筋トレもしていますが、花粉症が改善される兆しは一向にありません。

アレルギー症状のない自分を知る

私は自転車レースをやりませんが、花粉症がレース・パフォーマンスに大きい影響を与えるのは間違いないだろうと思います。世界各国を転戦するプロロードレースならなおさらでしょう。ツール・ド・フランスのゴール、パリでもマロニエの花粉に悩まされている人が数多くいると聞きます。

花粉からずっと逃れているわけには行かないのですが、一定の期間花粉症から離れることはこういう離島に行くことによって可能なので、アレルギーのない状態の自分の身体パフォーマンスはどんな感じなのかを知ることもできます。これは、アレルギー持ちの方にとってはかなり貴重な経験になりうると思います。

花粉症持ちのサイクリストの方、たまに離島に行ってみてはどうでしょうか。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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