Tips & How-toカメラ関連

スマホでも「それっぽい」自転車写真を撮りたい俺のための、へっぽこ撮影テクニック

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こんにちは。佐伯美…すみません、すみません!

CBN Blog駄文担当、nadokazuです。

自分の自転車と、出かけた先の風景を一枚の写真に収めること。それは自分にとって、ライドの大きな楽しみのひとつ。ですから自転車でに出かけるとき、デジタルカメラは「絶対に忘れてはいけないアイテム」です。

▼Panasonic DMC-GM1+M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8(ƒ/10 1/400 45mm ISO200)

Panasonic DMC-GM1+M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8(ƒ/10 1/400 45mm ISO200)で撮影

なんですが、シャッターを切るたび直視させられる「残酷な事実」には、怒りや悲しみを通り越して、笑ってしまうほどの絶望を感じざるを得ません。

そう、いくら撮ることが大好きでも、自分には「写真のセンス」が中性子1個ほども無いのです。どれだけ時間をかけようとも、どれだけ機材を揃えようとも、いい写真を撮るために最も必要で重要な「センス」が欠けていてるので、すべて意味ナッシング。

初めてデジタルカメラを買ってから、もう10年どころじゃない時間が積み重なっているのに一切の進歩がありません。そうなると、これから先も「へっぽこカメラ好き」のままでいるのはもはや確定事項。どれだけ足掻いて足掻いて足掻きまくっても、宇治橋の上で「うまくなりたーい!」と泣き叫んでも、「持たざる者」である自分に「いい写真」は撮れないのです。

そんな悲しい事情もあり、これまで自分は「機材の力に頼り切ってそれっぽく自転車を撮る」ことを、唯一の生存戦略としてきました。戦争は数。自転車と写真は機材だよ、兄貴!

だがしかし!

このところ、進化しまくっているスマートフォンのカメラ性能のおかげで、そんな「機材の力に頼り切った写真」であれば、「ある程度のところまで」ならスマホだけで撮れてしまうようになりました。なんということでしょう…。

というわけで、本稿ではへっぽこな撮影能力しかない自分が、スマホを使って自転車を撮るときのへっぽこなテクニックをご紹介していこうと思います。

それっぽい自転車写真を撮るには?

それっぽい自転車写真(「いい自転車写真」ではない。涙)を撮るポイントは、2つあります。

ひとつは、「背景をぼかして撮る」こと。

そしてもうひとつが、「背景にあるものが、なるべく大きくなるように撮る」ことです。

海に面した公園で、横浜ベイブリッジを背景にブロンプトンを撮ってみました。普通、スマートフォンで写真を撮るとこんな感じですよね。

▼iPhone11 Pro Maxで撮影。冬の早朝で、しかも海沿い。凍死寸前の極寒模様。

iPhone11 Pro Maxで撮影

それでは、同じ「ブロンプトン」「横浜ベイブリッジ」を一眼デジカメで「それっぽく」撮ってみましょう。

▼Nikon Z6+AF-S 70~200mm F2.8 VR2(ƒ/2.8 1/1600 200mm ISO100)

Nikon Z6+AF-S 70~200mm F2.8 VR2(ƒ/2.8 1/1600 200mm ISO100)で撮影

それっぽく撮った自転車写真が、なぜ「それっぽく見える」のか。それは、「普通の撮影機材だと撮りにくい写真」になっているからです。

「背景がぼけていて、背景にあるものが大きく写っている」という写真を撮るには、

  • 焦点距離が長い
  • 値が小さい

という、2つの条件を満たす機材、要するに「明るい望遠レンズ」が必要になります。

普通のコンパクトデジタルカメラや、スマートフォンのカメラでは、この条件を十分に満たすことができません。つまり、それっぽい写真は「普段使いのカメラでは撮れない写真になっている」からこそ、「それっぽく見える」というわけです。

それさえわかれば、あとはカンタン。

  1. 一眼デジカメと、明るい望遠レンズを買う。
  2. 絞り優先モードにして、絞り開放で撮る。

以上!

あとは条件さえ揃えば「それっぽい写真」は、誰にだって撮れます。センス不要。必要なのは「機材」ただそれだけ。さあ、一眼デジカメと明るい望遠レンズを買うのです…買うのです…買うのです…!!!!(沼の底から)

「スマホしか持ってねぇよ!」という時に、それっぽい自転車写真を撮るには?

マスターさんの記事にも書かれているように、近頃のスマートフォンのカメラ性能の進化はすさまじいものがあります。とはいえ、光学的な条件はソフトウェア的に変えようがありません。明るい望遠レンズを使わないと、「背景がぼやけて」「背景にあるものが大きく写る」という2つの条件を満たした写真は撮れません。

なんですが、それっぽい写真のポイント「背景にあるものが大きく写っている」という条件を片方だけ満たした写真なら、スマホでも撮れます。以下の作例をご覧ください。

▼iPhone11 Pro Maxで撮影。

iPhone11 Pro Maxで撮影

背景にある横浜ベイブリッジ、まったくボケてはいませんが、記事の冒頭部分で掲載した作例よりも全然大きく写せているのがわかると思います。

こんな感じに撮るには、

  • 自転車からなるべく離れて
  • なるべく拡大して

シャッターを押せばオッケー。

この写真はiPhone 11 Pro Maxの標準カメラアプリで「2倍」を使って、さらに撮影時のピンチ操作で4倍ぐらい相当にまで拡大して撮りました。フルサイズミラーレス一眼の明るい望遠レンズで撮った写真に、背景のボケ具合以外ではかなり近づけているかと思います。

「フルサイズ+明るい望遠レンズ」で、同じように撮ってみた写真は以下です。ベイブリッジとブロンプトンの大きさの比率が、同じぐらいになっていることがわかると思います。

▼Nikon Z6+AF-S 70~200mm F2.8 VR2(ƒ/2.8 1/2000 92mm ISO100)

Nikon Z6+AF-S 70~200mm F2.8 VR2(ƒ/2.8 1/2000 92mm ISO100)で撮影

この撮影方法の弱点は、「元の画像よりかなり拡大してしまっているので画質の劣化が避けられない」という点。パソコンで見比べると、もう明らかにノイジーです。ただ、用法用量を守っておけば、結構使えるテクではないかなー。と、個人的には思います。

ポートレートモードはどうよ?

じゃあ、もうひとつのそれっぽいポイント「背景をぼかす」はどうでしょう?

iPhone 11 Pro/Pro Maxの「ポートレートモード」は、とんでもない進化を遂げていて、テーブルフォトは一眼デジカメと見分けがかなり付きにくいレベルになっています。それが自転車写真だと、どれだけの効果を発揮するでしょうか?

同じ場所で同じ被写体を撮ってみました。ポートレートモードを使うと、こんな感じです。

▼iPhone11 Pro Max(ポートレートモード)で撮影。

iPhone11 Pro Max(ポートレートモード)で撮影

ベイブリッジは小さくなってしまいましたが、バッチリボケています。「それっぽい感じ」は、かなりのレベル。

だがしかし…よく見てみると、ソフトウェア処理の弱点が露呈していました。これはちょっと拡大したら、わかってしまいますね…。ホイールの内側から見える部分が、まったくボケていません。さすがのポートレートモードも、そこまでは認識しきれていないようです。

▼拡大したところ。ホイールの内側は一切ボケてない!惜しい!!

iPhone11 Pro Max(ポートレートモード)で撮影

超広角は使える…かも!?

iPhone 11 Pro/Pro Maxは、3つのカメラを搭載しています。そのうちのひとつが、焦点距離13mm、視野角120度の超広角カメラ。「普通の撮影機材では撮れない」という条件なら、このカメラを使えば満たせます。

自転車を撮ってみると、どんなことになるのか試してみました。

▼iPhone11 Pro Max(超広角カメラ)で撮影。

iPhone11 Pro Max(超広角カメラ)

なんか、想像以上にイイ感じになってる気がします。シーンは限定されそうですが、超広角カメラは「結構使えそう」という印象を受けました。

それっぽい自転車写真を撮るための、小手先テクニック

あとは、スマホ撮影に限らず、自分が「それっぽい自転車写真」を撮ろうと思っているときの小手先のテクニック(というほどのモノでもありませんが)をご紹介します。

地面に這いつくばる

視点が変わって、普段は見ない角度になります。立って撮ると自転車の背景が地面ばかりになりますが、這いつくばることで山や空など「背景が大きく画面を占める写真」にすることができます。スマホの場合は、レンズが下にくるように回転させておきましょう!

▼地面に這いつくばってカメラを構えるときは、ミニ三脚があると便利。

それっぽい自転車写真を撮るための、小手先テクニック

背景の抜けがいい場所を見つける

自転車の後ろに柵や壁がない場所で撮れば、自転車と背景が整理されて、それだけでそれっぽい写真になります。

▼ZUND-BARで朝ラーメンした帰りに撮影。

ZUND-BARで朝ラーメンした帰りに撮影。

▼山中湖畔で撮影。

山中湖畔で撮影。

スマホではさすがに作例ほどのボケは出せないと思いますが、こういう場所で超広角カメラを使うとイイ感じに撮れそうです。

まとめ

「一眼デジカメ+明るい望遠レンズ」vs「スマートフォン」には、撮れる写真の「それっぽい感じ」に、まだまだまだまだまだまだ大きな大きな大きな差があります。

フルサイズ一眼はおろか、マイクロフォーサーズにも到底追いつきようが無い開きがあるのは否めません。

▼Panasonic DMC-GM1+M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8(ƒ/1.8 1/16000 45mm ISO200)。

Panasonic DMC-GM1+M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8(ƒ/1.8 1/16000 45mm ISO200)で撮影

やっぱり「それっぽい自転車写真」を撮る最高の機材は「マイクロフォーサーズ+M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」じゃないかなー、と従来の主張を繰り返したくなってしまいます。

だがしかし!

  • カメラを持ち運ばなくていい。
  • 若干の画質劣化に目をつむれば望遠レンズ風の写真が撮れる。
  • 使いどころは選ぶものの、超広角カメラが結構イイ感じ。

というメリットを持つ、iPhone11 Pro/Pro Maxの自転車写真カメラ機材としてのポテンシャルは、相当のレベルだと認めざるを得ません。

機材に頼り切ることで写真を撮っていた自分には、あまりにも過酷な現実がプラスオンされてしまいました…。

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著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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