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Wahoo KICKRからついに異音発生。でも修理には出さずに自分で解決しました【異音は大体緩みから】

Wahoo KICKRを気に入って愛用しているのですが、先日はじめてクリック音系の異音が発生しました。結論から言うと自分でいろいろいじってみた結果、問題は解決しました。

異音解消の基本は「緩んでいるものを探して締めなおす」です

なお私のWahoo KICKRは「KICKR ’18」と呼ばれる現時点では最新のタイプで、2019年8月頃に購入しました。購入から大体7〜8ヶ月です。これまで通信系のトラブルは経験しましたが、こうしたハードウェア系のトラブルは初めてです。

参考 Wahoo KICKRのイヤーモデルの見分け方

症状

症状は特に前触れなく、いきなり発生しました。最初の症状は、BBが緩んだ時のようなガリガリッ、ゴゴゴゴ、コッコッコッコッ…という感じの低いノイズで、特に下死点に向けてトルクをかけて踏むような時に顕著になりました。

下の動画の1:05あたりからの異音によく似ています。

私の場合はここまでひどい症状ではなく、またコースティング中は異音は出ませんでしたが、異音の傾向としてはこんな感じでした

ペダル、BB、チェーンリングのボルト、クイックリリース、カセットスプロケットのロックリング、全てチェックしました。でも問題なし。ここでようやく理解しました。

あの有名なKICKRの異音が、うちにもやってきたのか…!

自分で何とかしたい

Wahoo KICKRの異音トラブルは以前から有名です。しかしDCRAINMAKERによればWahooは2018年9月24日にこの問題を解決したらしく、2019年8月に私が新品購入したKICKRは恐らく異音対策済みのロット…と思いたいところです。

私のKICKRはまだメーカー保証期間内です。ショップを通じて国内代理店に品物を送ってチェックしてもらえば、恐らく新品交換になる可能性が高いでしょう。

しかし、仮に代替品が国内ですぐに手配できたとしても2週間から1ヶ月ほどZWIFTをやれなくなるのは間違いありません。運悪く海外から代替品を輸入…となると、現在の物流状況を考えるともっと長く「乗れない」期間が増えるリスクもあります。

外出自粛ムードのこのタイミングでスマートトレーナーを修理に出すのはちょっと避けたいところです。なぜこのタイミングで調子が悪くなった…

しかしグッドニュースとしては、KICKRの異音は(いくつかタイプはあるものの)既知の問題であり、ネット上には解決に役立つ様々な情報が残されていることです。そんなこともあり、とりあえず自力でなんとかならないか、調整してみることにしました。

分解して中身をチェック!

自転車関連製品で異音が発生する場合、考えられる原因で最有力なのは「振動や負荷によるネジ・ボルトの緩み」です。というわけで、何か緩んでいないかをひとまずチェックしてみます。

アクセスするのはここ、ドライブサイドの大きいプーリー(カセットがついている部分)の下のカバー。表側に3つのボルトがあります。1と2は2.5mmのヘックスボルト。3はプラスネジです。まずこれらを外します。

Wahoo KICKR ’18

次に裏側のネジを2つ外します。ひとつはここ、プラスネジです。

Wahoo KICKR ’18

そしてもうひとつ。これが外しにくい。プラスネジですが、ハンドルとフライホイールのあいだにドライバーを入れる必要があります。あとこのネジはかなり細くて、ネジ山も小さいので精密ドライバーで作業したほうが良いです。先端が少しだけ嵌合しているネジですが、一応ナメないように気をつけましょう。

Wahoo KICKR ’18

5本のボルトを外したら失くさないようにしっかり保管しておき、カバーを外します。すると下のようなメカが露出します。後で詳しく見ていきましょう。

Wahoo KICKR ’18

この部分の構造は、KICKR COREもほとんど同じです(※ボルトの形状が違ったりしています)。ぱっと見、複雑に見えるかもしれませんが実際はシンプルな機構です

プーリー固定ボルトが緩むことがあるらしい

私がよく聞いていたのは、下の画像の5mmのヘックスボルトが緩んでいることがあるので、ここを増し締めすればいい、という話です。

Wahoo KICKR ’18

このボルトを増し締めしたらなおった、という人は多いようです。まずここからやってみるのが良いでしょう

だがしかし。うちの場合はプーリーを固定しているこのボルトを増し締めしようとしても、それ以上締まらない感じです。おかしいぞ、これは緩んでいる感じではないな… ううむ、では何が原因なんだろう。

一度このボルトとベルトプーリーを外して分解してみよう。というわけで、まずベルトを外すために下の画像の中でテンション調整用のプレートを固定している4mmのヘックスボルトを軽く緩めます。それから、ベルトテンション調整用の2.5mmヘックスボルトをどんどん緩めていって、だるだるになったベルトを外しました。

Wahoo KICKR ’18

テンション調整ボルトはかなり緩めないとベルトは外れません。思い切って緩めてOK

そこでさっきは「増し締め」しようとしたあのボルトを、今度は外そうとするのですが、フライホイールを片手で抑え込んでレンチを回しても、これが固くて外れません!

ここでチューブド・クリンチャータイヤ用のインナーチューブをフライホイールに巻きつけ、左手で動きを封じた上で右手でヘックスレンチを反時計回りに。今度は外れました!

Wahoo KICKR ’18

KICKRのこのボルト、締めるにしても緩めるにしてもフライホイールが動いて困ると思いますが、こんなふうにチューブを使うとすごくラクでした。この作業が必要になったら是非やってみて下さい!

ウッドラフキー(半月キー)が飛び出ていないかをチェック

はい、これで5mmのプーリー固定ボルトが外れました。すると中はこんな感じになっていました。これは、恐らく2018年9月以前のKICKRとは若干部品のかたちが違うと思いますが、基本的に同じ構造です。

Wahoo KICKR ’18

画像中、”Key”としているパーツは、「ウッドラフキー(woodruff key, 半月キー)」と呼ばれるものです。

調べてみたところ、このキーが緩んで外側に飛びしている場合も、KICKRの異音の原因となるようです。

そしてこのキーは「内側の軸とツライチまたはツライチよりも少し引っ込んでいる状態がベスト」であるらしいことがわかりました。

下の動画では8分21秒あたりからこのキーについての説明があります。この方はWahooから直接この修理方法を聞いたとのことなので一応信頼できると思います。

(Wahooからの)インストラクションによると、このキーはここの軸とツライチになってないといけない。でもこれは少し飛び出ているよね

と言っています。

次の方も動画の8分53秒頃から、

このウッドラフキーはシャフト表面の後ろにこないといけません

と言っています。

もうひとり、この方もWahooのサポートに連絡した上でこの作業をしていて、7分21秒頃でこのキーについて説明しています。

このキーは適切に引っ込んでいないといけません

このウッドラフキーと呼ばれるパーツが飛び出していたら押し込んだり、一度バラして組みなおしたりすると異音が治る、という方は海外のネットを調べていたところかなり多いようでした。

結局何をやったら解決したか

しかしです。私のKICKRのプーリーを固定しているこのウッドラフ・キー、特に飛び出してはいなかったのでした… 内側の軸ときれいにツライチになっています(写真下)。

Wahoo KICKR ’18

もしこれが緩んで飛び出しているのであれば、マイナスドライバーを当ててプラハンマーなどで優しくコツコツと叩いて少し押し込むと問題は解決するらしいのですが、飛び出していないのでそんなことをする必要はなさそうです。

ここで外側のプーリーを引き抜こうと試みたのですが、固くて抜けません。これは上で最初に紹介したYouTube動画の方も同じで、どうもKICKRの最新ロットのプーリーは抜けにくくなっているのかもしれません。

しかし、そもそもウッドラフキーが飛び出しているわけでもないので、ここであえてプーリーを無理に引き抜こうとするのは意味のない探求であるように思えたので、やめておきました。

If it ain’t broke, don’t fix it – 「壊れていないなら治すな」という格言があります

ここで外した5mmのヘックスボルトとワッシャーを戻します。ネジにはまだ青いロックタイトが十分残っていますし、ボルトが緩んでいたわけでもないので、特に何も塗らずにそのまま戻します(規定トルクに関する情報などは見つからなかったのですが、Wahooサポートの指示で作業している最初の動画の方は16Nmで締めています。個人的には納得感のある数字です)。

あとはベルトを張って、ベルトテンションを適当に調整しました。この時「どのくらいのベルトテンション」が適切なのだろうと思っていろいろ試してみましたが、テンション不足になればなるほどクリック・ノイズが増えていくことがわかりました。つまりベルトテンションの張りがイマイチの場合も異音は出ると思います。

最終的に私がやったことは、

  1. カバー内のベルトプーリーを固定しているボルトを外し、また戻して締めなおした
  2. ベルトテンションを調整しなおした(何度か乗りながら強くしていき、最終的に異音が消えるところがあったのでそこまで締めた)

以上の2つです。これで異音は消えました。

推測ですが、私のKICKRが異音を発するようになった原因は、

長期使用による振動が原因で、ベルトテンション調整ボルトが緩み、プレートを固定するボルトも緩んでしまった。その結果、トルクがかかる時にベルトがわずかに斜めにずれてしまい、フライホイールに斜めからの負荷がかかるようになった

からではないか、と考えています。プーリー固定ボルトやウッドラフ・キーの緩みといったものは、私のKICKRの場合は関係がなかったのかもしれません(私のKICKRは、購入時期を考えるとウッドラフ・キーの緩みは対策済みのロットである可能性が高いです)。

Wahoo KICKR ’18

正確な原因は結局わからずじまいですが、その後は異音も発生していませんし、仮に今後また再発したとしても「緩む可能性がある箇所はどこなのか」を理解できたので、次も自分で対処できると思います。

電気系統が原因だともうお手上げですが、こんな感じでメカに問題があるらしいことが理解できたので、今後は逆に安心してKICKRを使い続けられるような気がしています。

17万円もする製品がユーザーに強いる作業ではないと思いますけどねw

使用頻度にもよると思いますが、半年から1年に1度くらいはこんな感じでどこかのネジが緩んでくるものなのかもしれないですね(最近あまりこういう話を聞かなかったのですが、私はちょっと運が悪かったのかな?)

私の場合はペダリング時のみ異音が発生していましたが、脚を止めている時に高周波ノイズが出る場合もあるようです。フライホイールのアラインが斜めになっていることがあるらしく、その場合も上で紹介したプーリー固定ボルトやウッドラフ・キーをチェックして、緩んでいれば組み直すと治ることが多いようです。

なおこうした作業の結果メーカー保証が無効になる可能性もあるので、まずは購入ショップまたはWahooに連絡した上で次の手をどうするかを考えたほうが良いと思います。本記事はユーザーによる分解作業を推奨するものではなく、いかなる結果にも責任を持ちませんのでその点ご了承下さい

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マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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