Tips & How-toチェーン・チェーンリング・カセット

チェーンカッターが必要になるほどのトラブルはどんな時に発生するの?

外で実走中、チェーンカッターが必要になるトラブルを経験したことはありますか? Twitterで読者の皆様にそんなことをお聞きしてみました。

実は、私自身はまだ1度も外でチェーンカッターを必要としたことがありません。しかしこの夏に自転車旅行を計画している道に結構な悪路が含まれるので、チェーンカッターを携帯したほうが良いかな? と思ったのでした。

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実際、チェーンを切断して繋ぎなおすという作業はどの程度の頻度で発生するものなのでしょうか。

また、あらゆるリスクに備えてあらゆる道具を携帯するとなると、装備品は大変な重さになってしまいます。

しかしチェーンのトラブルは一度発生してしまえばライドがそこで終了する可能性が高い、影響度が甚大なリスクです。

走行不能になっても近所の50kmライドなら歩いて帰ってくれば良いだけですが、大金を払って数泊するような自転車旅行なら途中でライド終了、というのはちょっと寂しいですよね。

約2割の人が経験

アンケートの結果、20.8%、約2割の方々がチェーンカッターが必要になるトラブルを経験したことがある、ということがわかりました。ご回答いただいた991名の皆様、ありがとうございます。

5人に1人、というとなんとなく「多くない」感じもするのですが、このトラブルが発生した場合、先にも書いたように影響は甚大です。発生確率は少なくても適切なツールがなければ確実に詰む。と考えると、チェーンカッター、携帯したほうがいいかな、という結論に達しました。

チェーントラブルの原因について

ところでチェーンカッターが必要になるようなトラブルにはどのような原因があるのでしょうか。Twitterでお寄せいただいたコメントから考えてみたいと思います。貴重な経験談をシェアしていただいた皆様、どうもありがとうございます。

チェーンの劣化・寿命

まずはチェーンの自然な劣化、寿命に起因するチェーン断と思われる経験談がありました。特に負荷がかかる条件ではないのにチェーンが切れた、というような事例です。

ちなみに下のCTakesanさんのコメントには貴重なTipsが含まれています。出先でチェーンカッターはあるもののピンやミッシングリンクがない、という時に役立ちますね(無事帰還後はもちろん新品のピンを圧入しましょう)。

チェーンの伸びについて

チェーンはある程度使っていると「伸びて」きます。これは「チェーンチェッカー」というツールで測定可能です。定期的にチェックするのは忘れがちですが、久しぶりに輪行や自転車旅行に出る前、ロングライドや大切なイベントに出走する前に測っておくと良いと思います。

下は私が持っているチェーンチェッカーで、チェーンの伸びを0.75〜1%測れるものです。このツールの1%側の両端がリンクの中にスポッとはまってしまうようなら交換時期。0.75%も「そろそろかな?」という感じです。ライド条件やメンテナンスの頻度にもよりますが、一般に3,000〜5,000kmで交換時期が来ると言われています。

チェーンチェッカー

1%側でも0.75%側でも全然スポッと入らないのでこのチェーンはまだ全然使えることがわかります

こういうツールは数百円で買えますし、何年もスポーツサイクルに乗っている方ならいずれ必要になるものなので、持っておいたほうが良いです。半年か一年に一度とか、大掃除の時に伸びをチェックしておきましょう。変速の調子が悪い時にも測ってみると良いかもしれません。

ちなみにこのチェーンチェッカーには○スピード用、という区別はありません。何スピードでも自転車用チェーンのローラーからローラーの間の距離(=ピッチ)は12.7mm、1コマ(=外プレート・内プレートの組み合わせ。ローラー3個分)25.4mmというのは同じです。

整備不良

他にお寄せいただいた情報の中では、チェーンピンの取り付け不良に起因するものと思われるトラブルがありました。

チェーンピン(コネクトピン、アンプルピン、英語圏ではリベットとも呼ばれます)のインストールがうまく行かない場合、その原因の最たるものは「ピンをまっすぐ圧入できていなかったから」というものです。ピンの圧入は慎重に、よく観察しながら実行することをおすすめします。

もし出先でチェーンを繋ぎなおす必要がある場合は、ピンの圧入ではなくミッシングリンクで対応したほうが良いと思います。勿論、1つのチェーンで複数のミッシングリンクを使用するのが良いわけはないので、宿や自宅に安全に帰還したら速やかにチェーンピンを入れるのが良いですね。

坂道、トルクの急激な変化

ヒルクライムをしている時、近所の激坂を登っている時、交差点でゼロスタートする時、等々、急激なトルク変動が発生した時にチェーンが切れた、という経験をされた方は少なくないようです。

興味深いのは、トルクが増大した時にチェーンが切れた、という事例だけでなく、トルクが(恐らく急激に)減少した時にもチェーンが切れたという事例があるらしいことです。

トルク変動がより激しいと思われるMTB乗りの方はロードバイク乗りの方よりもチェーン切れの頻度は多いような気がします。

リアディレイラーが壊れたから

そして最も多かった原因は「リアディレイラーが壊れた・もげたから」というものです!

かなりの数のコメントいただきました。これは個人的にかなり驚きでした。チェーンの劣化とはほぼ関係がありません。

私自身はまだディレイラーハンガーがもげてリアディレイラーがホイールに巻き込まれるといったトラブルは経験していないのですが、これが発生した時のインパクト、被害の甚大さは容易に想像することができます。

そうしたトラブルが発生した場合、リアディレイラーを取り外し、任意のコグにチェーンをかけてシングルスピード化して帰還するという方法がありますが、その場合はチェーンの長さを詰めなければなりません。そして、その場合はチェーンカッターが必要不可欠、というわけです。

皆様の壮絶な経験談をここであらためて共有させていただきます。いや〜、ずいぶん多くの方々が経験されています(怖い!)。

結論:それはいつでも誰にも起こりうる

さて、これらのアンケート結果や体験談をお読みになってどのように思われたでしょうか。

これまで私のサドルバッグやツールケースにはチェーンカッターは入っていませんでしたが、考えを改めることにしました…

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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