外で実走中、チェーンカッターが必要になるトラブルを経験したことはありますか? Twitterで読者の皆様にそんなことをお聞きしてみました。
実は、私自身はまだ1度も外でチェーンカッターを必要としたことがありません。しかしこの夏に自転車旅行を計画している道に結構な悪路が含まれるので、チェーンカッターを携帯したほうが良いかな? と思ったのでした。
実際、チェーンを切断して繋ぎなおすという作業はどの程度の頻度で発生するものなのでしょうか。
また、あらゆるリスクに備えてあらゆる道具を携帯するとなると、装備品は大変な重さになってしまいます。
しかしチェーンのトラブルは一度発生してしまえばライドがそこで終了する可能性が高い、影響度が甚大なリスクです。
走行不能になっても近所の50kmライドなら歩いて帰ってくれば良いだけですが、大金を払って数泊するような自転車旅行なら途中でライド終了、というのはちょっと寂しいですよね。
約2割の人が経験
アンケートの結果、20.8%、約2割の方々がチェーンカッターが必要になるトラブルを経験したことがある、ということがわかりました。ご回答いただいた991名の皆様、ありがとうございます。
外で実走中、チェーンカッターが必要になるトラブルを経験したことはありますか?
— CBN (@cbnanashi) July 4, 2020
5人に1人、というとなんとなく「多くない」感じもするのですが、このトラブルが発生した場合、先にも書いたように影響は甚大です。発生確率は少なくても適切なツールがなければ確実に詰む。と考えると、チェーンカッター、携帯したほうがいいかな、という結論に達しました。
チェーントラブルの原因について
ところでチェーンカッターが必要になるようなトラブルにはどのような原因があるのでしょうか。Twitterでお寄せいただいたコメントから考えてみたいと思います。貴重な経験談をシェアしていただいた皆様、どうもありがとうございます。
チェーンの劣化・寿命
まずはチェーンの自然な劣化、寿命に起因するチェーン断と思われる経験談がありました。特に負荷がかかる条件ではないのにチェーンが切れた、というような事例です。
同行者のチェーンが破断しまして、コマを詰めて応急処置しました。ロードで舗装の平坦路だったので、チェーンの劣化かと。
— heizelwood (@heizelwood) July 4, 2020
回答になっているかわかりませんが、サイクリングに出たらチェーンが切れたことがあります。家から10km位の場所だったので、歩いて帰りました。
チェーンカッターとチェーンピンを持っていれば、少し詰めて再走行できたなぁと。
97年型のSPECIALIZED STUMPJUMPER FSです。— いっとく (@ittokudayo) July 4, 2020
ちなみに下のCTakesanさんのコメントには貴重なTipsが含まれています。出先でチェーンカッターはあるもののピンやミッシングリンクがない、という時に役立ちますね(無事帰還後はもちろん新品のピンを圧入しましょう)。
人からいただいたばかりのMTBで急坂を登っている途中、カリカリ音がするのでペースを落としたところでチェーンが切れました。
チェーン切りは持っていたけど、コネクトピンを持っていなかったので、ピンが抜けないようにギリギリで残してチェーンを切り、曲がったプレートを外して繋ぎ直しました。 pic.twitter.com/ekfV7qJjLQ— CTakesan (@CTakesan) July 4, 2020
1回だけあります。
チェーンが伸び気味のまま乗っていたロード(トレック2.3)で、発進時に突然チェーンが切れました。(アウタープレートが曲がってピンから外れました)
予備で数コマ分のチェーンを携帯していたので、繋ぎ直して帰宅しました。— rinrey (@rinrey55) July 4, 2020
チェーンの伸びについて
チェーンはある程度使っていると「伸びて」きます。これは「チェーンチェッカー」というツールで測定可能です。定期的にチェックするのは忘れがちですが、久しぶりに輪行や自転車旅行に出る前、ロングライドや大切なイベントに出走する前に測っておくと良いと思います。
下は私が持っているチェーンチェッカーで、チェーンの伸びを0.75〜1%測れるものです。このツールの1%側の両端がリンクの中にスポッとはまってしまうようなら交換時期。0.75%も「そろそろかな?」という感じです。ライド条件やメンテナンスの頻度にもよりますが、一般に3,000〜5,000kmで交換時期が来ると言われています。
こういうツールは数百円で買えますし、何年もスポーツサイクルに乗っている方ならいずれ必要になるものなので、持っておいたほうが良いです。半年か一年に一度とか、大掃除の時に伸びをチェックしておきましょう。変速の調子が悪い時にも測ってみると良いかもしれません。
ちなみにこのチェーンチェッカーには○スピード用、という区別はありません。何スピードでも自転車用チェーンのローラーからローラーの間の距離(=ピッチ)は12.7mm、1コマ(=外プレート・内プレートの組み合わせ。ローラー3個分)25.4mmというのは同じです。
整備不良
他にお寄せいただいた情報の中では、チェーンピンの取り付け不良に起因するものと思われるトラブルがありました。
真夏の阿蘇100km走るライドイベントに向けて前日晩チェーン交換→取付不良起因で50km走行時、トルクかけて踏み込んだ際に破断。
他参加者に助けを求めるものチェーンカッター携帯者は誰もおらずDNF。
あれ以来、チェーンカッター付き工具を携帯してます。
— onimasa (@onimasa1111) July 4, 2020
ロングライドイベントで友人のツレのロードバイクが整備不足で登りでチェーンジャム、チェーン切って繋ぎましたが結局リタイヤでした。
— matsuoda (@matsuoda) July 4, 2020
チェン切れ一度あるけどタマタマ出走10m以内ですぐに戻ってなおした(笑)1985年頃か?自転車は今も乗ってるFTBロードでチェンはサンツアーウルトラ6。なお当時のチェンはいくらでも切り継ぎ可能で、再利用のピンを均等にセットできていなかったから切れたのだろうと思ってます。 https://t.co/xaR5JSWaX5
— GlennGould (@GlennGVGould) July 4, 2020
チェーンピン(コネクトピン、アンプルピン、英語圏ではリベットとも呼ばれます)のインストールがうまく行かない場合、その原因の最たるものは「ピンをまっすぐ圧入できていなかったから」というものです。ピンの圧入は慎重に、よく観察しながら実行することをおすすめします。
もし出先でチェーンを繋ぎなおす必要がある場合は、ピンの圧入ではなくミッシングリンクで対応したほうが良いと思います。勿論、1つのチェーンで複数のミッシングリンクを使用するのが良いわけはないので、宿や自宅に安全に帰還したら速やかにチェーンピンを入れるのが良いですね。
坂道、トルクの急激な変化
ヒルクライムをしている時、近所の激坂を登っている時、交差点でゼロスタートする時、等々、急激なトルク変動が発生した時にチェーンが切れた、という経験をされた方は少なくないようです。
ヒルクライム中に、同行者のチェーンが切れて、おいらの携帯チェーンカッタとミッシングリンクを提供して、無事帰還する事ができました🎵
(о´∀`о)— ピコ 6,641/15,000 km/年 (@Picco1970) July 4, 2020
10年近く前の話。自宅近くの激坂を登っておりまして、踏み込んでテンションMAXの状態でリヤの変速してしまい負荷に耐えられなくなったのかガチャン!というものすごい音とともに破断してしまいました。下りだったら落車して大けがだったかも(^_^;)
— _(shusai) (@shusai_underbar) July 4, 2020
私も、近所の山を登ってる途中にバツンと切れたことが1回あります。押し歩きで自宅まで戻り、幸い予備を買っていたので交換してライドを継続しました。
チェーンカッターのみならず、破断部分を補うための予備チェーンも2コマ分携帯して走るようになりました。
— KAZUBOH🚲LYNSKEY@TITAN/GIANT@ALUXX (@KAZUBOH_BH) July 4, 2020
ロードで地元の峠を登っている時に下から登りになるところでギアを落としたらチェーンが切れました。変速の時にペダルをぐっと踏んでしまったのが原因な気はします。それ以来チェーン切り付き工具と予備のミッシングリンクを持つようになりました。
— 笑々亭鳳双@双龍行ってきた (@pantskitsui) July 4, 2020
信号発進でパン!といういい音と共に切れた仲間のチェーンを繋ぐのに使いました。
アンプルピンがなかったのでピンを残して繋ぎました。
20年前、小学生の時には変速不良でクランクに噛んでしまった時も同様に直した覚えがあります。— ShtYmt (@ShtYmt) July 4, 2020
とあるブルベでゴールまで残り40kmのちょっとした峠の上り途中で突然のチェーン切れ、ミッシングリンクはあったもののチェーンカッターはなく一旦はDNFを覚悟したが、偶然にも近所に自転車店がありチェーンカッターを借りて無事完走。それ以来ツール缶の必需品です。
— Hachiyama@ボチボチ (@yamaco87) July 4, 2020
興味深いのは、トルクが増大した時にチェーンが切れた、という事例だけでなく、トルクが(恐らく急激に)減少した時にもチェーンが切れたという事例があるらしいことです。
トルク変動がより激しいと思われるMTB乗りの方はロードバイク乗りの方よりもチェーン切れの頻度は多いような気がします。
自分ではないですしレース中のことではありますが。
数年前のSDA王滝で斜度がきつい登り中、前走者のチェーンが「パキッ」という音と共に切れたのを目撃しました。
幸いにもその方はチェーン切りや予備のピンを持ってたのでリカバリー可能だったようです。
車種はフルサスのMTBでした。— b o n M A X X (@bonMAXX) July 4, 2020
外といってもMTBの耐久レース中に切れました。カッター&ミッシングリンクを持ってたお陰で無事にレース復帰できました。
— CYCLE ISLAND PROJECT@江田島 たまにUbereats&Woltでトレーニング (@cycle_island) July 4, 2020
リアディレイラーが壊れたから
そして最も多かった原因は「リアディレイラーが壊れた・もげたから」というものです!
かなりの数のコメントいただきました。これは個人的にかなり驚きでした。チェーンの劣化とはほぼ関係がありません。
私自身はまだディレイラーハンガーがもげてリアディレイラーがホイールに巻き込まれるといったトラブルは経験していないのですが、これが発生した時のインパクト、被害の甚大さは容易に想像することができます。
そうしたトラブルが発生した場合、リアディレイラーを取り外し、任意のコグにチェーンをかけてシングルスピード化して帰還するという方法がありますが、その場合はチェーンの長さを詰めなければなりません。そして、その場合はチェーンカッターが必要不可欠、というわけです。
皆様の壮絶な経験談をここであらためて共有させていただきます。いや〜、ずいぶん多くの方々が経験されています(怖い!)。
箱根を登ってる時にRDがハンガーごとホイールに絡まり千切れました。
宿までチェーンを切りシングル化して凌ごうとしたが持っていなかった為に断念。
結局、千切れ落ちたRDとチェーンをフレームにテープで巻き付けて、漕ぐことは出来ないけども走ることは可能な状態にして重力を頼りに宿まで行きました— とりゅふ🇫🇷 (@Chronos_fruit) July 4, 2020
ディレイラーハンガーが折れて、チェーンがスプロケとホイールの間に噛んでしまい、チェーンカッターとカセットリムーバーセットが必要になり最悪の事態に自転車乗りの人に助けていただき近くの自転車屋さんまで工具を借りてなんとか走行可能に・・・・・
— しおた (@shiota_maruwos) July 4, 2020
調整が甘くてRD巻き込んで破損。チェーン切ってミッシングリンク使ってつないで固定ギヤ化してとりあえず走れるように。固定したギヤがいまいちでまともに走れなかったけど。
— sepa (@sepa186cm) July 4, 2020
宮ヶ瀬に行く途中
RDのパンタグラフが折れ曲がって、RD外して何とか秦野まで降った物のチェーンが弛んで勝手に変速するんで、拾った釘と石でチェーンを切り詰めて川崎まで走って帰った事
BSのランドナーでカンパのRDだった、修理したけどサンプレに戻した記憶— zkaz7 (@zkaz7) July 4, 2020
自分の自転車では無いんだけどラ系旅行車で同行者が
・リアディレーラ破損したので止む無く中庸なギヤ比でシングル化
・チェーンぶち切った奴がいたので損傷コマ切り離し短縮して応急措置
・初心者が輪行中に驚異的なチェーンジャムを起こして止む無く一度切ってほどいた
…てな経験はありますね。 https://t.co/anvESZLxhE— dorompa (@dorompa1) July 4, 2020
異物を挟んでハンガー毎曲がりました pic.twitter.com/IZtxZ6lF97
— TAM (@tam_t) July 4, 2020
LOOK586SL
写真撮影中風で転倒。納車半年ディレイラーハンガーごとエンドがもげました。涙
チェーンカッターを持ってなくau損保の自転車ロードサービスを使いました。
愛車はカーボンドライジャパンさんの奇跡の技術で復活。 pic.twitter.com/wvDlT20hMX— わいず (@waiz_ygf) July 4, 2020
結論:それはいつでも誰にも起こりうる
さて、これらのアンケート結果や体験談をお読みになってどのように思われたでしょうか。
これまで私のサドルバッグやツールケースにはチェーンカッターは入っていませんでしたが、考えを改めることにしました…