Canyonによる「しなるエアロシートポスト」と「しなるエアロハンドル」の申請中特許が海外で話題になっています。Wheelbased.comが発掘し、Bikerumor等が伝えています。
出典 [Flexy + Aero] Bicycle Seatpost by Canyon- Wheelbased.com
出典 [Flexy + Aero] Handlebar Stem System by Canyon – Wheelbased.com
出典 Patent Patrol: Canyon’s wild cockpit designs; Specialized’s suspension…bottom bracket? – Bikerumor
しなるエアロシートポスト
下が「しなるエアロシートポスト」の概略図です。前後にしなるシートポストは、丸形のものが既に同社のエンデュランスモデルで採用されていますが、それを楕円形のエアロシートポストにも応用しようという試みと思われます。シートポスト自体は長いS字型のシェイプとなっていますが、これはシートチューブとホイールのクリアランスを確保するため。
丸型のシートポスト(24番)の手前にエアロ形状のカバーがかぶさる、という構造です。このカバーは背面がU字型になっているわけです。さらに図中の12番には振動吸収のためのダンピングユニットを付け加えることも示唆されています。
以前、下の記事でスペシャライズドによる「油圧ダンパーでしなるシートポスト」の特許を紹介しましたが、これからはロードバイク・グラベルバイクでこうした振動吸収・サスペンション性のための工夫がますます大きいトレンドとなってくるのは間違いないでしょう。
しなるハンドル
こちらは同じくCanyonによる「しなるハンドル」の特許。現在のロードバイクのようにフォークコラムにアヘッドステムやステム一体側のハンドルをかぶせるように挿すのではなく、一昔前の「クイルステム」のように、ステアリング管の「中」にステムを挿入する構造になっています。この構造により、ステムとステアリング管の接続部をよりエアロな形状にできるとのことです。
まずFig.2のステム挿入部の形状を見てもわかるように、ステムは丸型の形状である必要はなく、例えばこうした長方形の溝になっていればあらかじめハンドルとフロントホイールのアライメントを決定できるので、あの面倒なハンドルのセンタリング作業から解放されます。
が、それよりも注目したいのは別のところ。このステム挿入部はステアリング管よりもかなり細いため、ある程度前後に動くことで振動吸収に資するとされています。つまりこれも先に紹介した「しなるエアロシートポスト」のように、サスペンション的な機能を持たせているわけです。
なおステムの高さは20番の穴にヘッドチューブ側からアクセスして、ボルトやピンを緩めることで調整する仕組みとなっています。ヘッドチューブ側の穴はプラグまたはヘッドバッジで隠される、とのことですが、この箇所は実物を見てみないとやや想像しにくいですね。またこの箇所の設計が一番難しいのではという印象を受けます。