スペシャライズドによる「油圧ダンパーでしなるシートポスト」の特許が発掘され海外で話題になっています。WheelBasedやBikeradarが伝えています。発見された特許文書のリンクは以下。申請日は2018年4月6日となっています。
出典 US20190308680A1 – Bicycle with compliant seat post interface
– Google Patents
テーパードシートチューブと油圧ダンパー
下の画像を見てわかるように油圧ダンパーがトップチューブに組み込まれています。このダンパーは非常に長いシートポストを上部でクランプし、ライダーの荷重によってシートポストが前後に動く仕組みのようです。シートポストが前後に動けるように、シートチューブは上のほうが幅広のテーパード形状になっているのがわかります。
またシートポストはかなり下のほう、ほとんどフロントディレイラーの位置でクランプされていますね。56番のパーツはダストカバーのように見えます。
下の図の左側は無荷重の状態。右側が荷重時の状態。油圧ダンパーがシートポストを後方に押し出し、しなりを発生させているのがわかります。面白い仕組みですが、シートポストとポストのクランプ部の強度が課題になりそうな気がします。大胆なアイデアですね。
特許文書には「ライダーが体重やライディングスタイルの好みに応じて強度の違うシートポストを使っても良い」ということが書かれています。素材については全く言及されていませんが、鉄素材でこのしなりは難しいでしょうから、当然カーボンになるのだろうと思います。
油圧ダンパーもトップチューブに開けた穴にボルトで固定するように見えます。やはり強度面が気になるところですが、ロードバイクやグラベルバイクでの適用ならうまく設計できると踏んでいるのでしょう。
あとシートポストが非常に長いので、一部のShimano Di2シートポスト内蔵バッテリーは使えなさそうです。
さてこの「しなるシートポスト」、特許文書中のドローイングがFuture Shock 2.0を備える現行Roubaixに似ていることから、Bikeradarは将来的にRoubaixに搭載されるのではないかと考察しています。