ロード・グラベル・ホイールは
スイスの名店ベラチスポーツで

BELLATI SPORTを見る
よみもの

ロードバイクのインテグレーテッド・ハンドルは一般人向けではない

ハイエンド寄りのロードバイクではここ数年主流のインテグレーテッド・ハンドルについて、CyclingTipsのCaley Fretz, ライターのJames Huang, Dan Cavallari 3氏がYouTube動画で辛口の意見を述べています。軽量かつ空力面でも剛性面でも高性能とされているワイヤー内蔵のインテグレーテッド・ハンドルですが、果たして彼等の見解は?

風洞実験で優れていてもフィットが悪ければ意味がない

  • ここで多くのバイクの実走テストをしているのだが、1つ気付いたことがある。多くのハイエンド・ロードバイクには、外見が美しいワンピースのインテグレーテッド・コクピットが採用されているということだ
  • 見た目はカッコ良いし、恐らくよりエアロだし、かなり軽量かもしれないし、剛性も高い。いくつかのモデルでは、普通のハンドルバーよりもライドがより良くなるようチューニングされている。しかし私達は同時に、これは「使えねー(dumb)」ものだ、という結論にも達しつつある
  • これはある程度までは、自転車産業が消費者のニーズに応じた結果だ。バイクを買う動機の80%くらいは見た目が気に入るから、というのがある。人々はこういう見た目が好きなのだ
  • しかし大きい問題が1つある。自転車には3つのコンタクトポイントがある。サドルとシューズと手。万人に共通するサドルやシューズはない(ハンドルも同じだ)
  • こういうワンピースのハンドルバーは、何種類かの幅や長さは選べるけれども、シェイプは選べない。否が応でもこれしかなく、ほとんどの場合形状は選べない
  • 自分好みの幅や長さ、ドロップやリーチ等々を選べても、ベンドが完璧でないこともある。一般的なツーピースのハンドルバーで完璧なものを見つけた時でも、私はハンドルをちょっと回転させたい時があるが、TrekがハイエンドのMadoneで提供しているような調整幅のあるバイクは非常に少ない。Madoneでもあのハンドル自体は変えられないが、少しは回転させられる。あれはありがたい
  • Cannondale Topstoneも同じ。ツーピースで、調整幅はものすごく広くはないが、ボルトを緩めると少し動かせる。良い折衷案だと思う
  • (そのBMCをだいぶ乗ったがどう思ったか、と聞かれたDan)話に水を差すようだが、俺はインテグレーテッド・ハンドルが好きだ(両側の2人が「お前はクビだ!」と突っ込む)。いや、言いたいことは正しいと思う。でも良く作られたインテグレーテッド・ハンドルと、そうでないものがある。それが大事だ。セパレートタイプでも良いものと、悪いものがある。フィットを調整してもらえるプロにとっては、エアロ性能や剛性が大事だから、これには意味があるんだ。彼等は自分でバイクを組まないし、これらはどれも大事。ただ、一般消費者には必ずしも当てはまらないだろう
  • (Danの意見には正しいところもあるが)それでも問題は、私達(一般人)はレースパドックのラックやチームカーからレース用バイクを引っ張り出すわけではないということだ
  • これらのバイクは人々がショップで買って、地元の道を走るものだ。プロのメカニックやサポートチームがいるわけでもない。それにこうした1万ドルするインテグレーテッド・ハンドルのバイクを販売するショップのことを考えてみてほしい。ハンドル交換はできる。でも以前なら、10mm長いステムが欲しければ5分で交換できたが、現在では文字通り5時間の仕事だ。ちゃんとしたメカニックの人でも。それにショップからすると、その仕事分の利益マージンをブランドが乗せてくれているかというと、そういう感じではない
  • 多くの人は、後で調整費用が加わることを納得して買っていると思うが、販売時には明確にされていないし、それは後になって気付くことだ。1万ドルのバイクを買って、調整に500ドルが必要になる。後でセットアップを修正すれば、また費用が発生する
  • 自転車の性能は主に「乗り手とバイクのフィット感」によって決定されるものだと思う。風洞実験の結果が良くても、フィットが悪かったらうまく乗れないし、10ワット速いハンドルでも意味がない。私達もレースに出ていたけれど、スポンサー提供のハンドルバーは使わなかったじゃないか。140mmでマイナス12度のステムで36cm幅のハンドル、とか作られていないし、誰も買わないからだ
  • 良い身体ポジションのほうが、高速とされるハンドルよりもはるかにワット数の削減になるし、ポジションが悪ければインテグレーテッド・コクピットのバイクに乗っても損失が出る
  • いくつかのブランドはこの問題に対応しようとしているが、99%のライダーは別体型のハンドルとステムが必要だろう
  • ライダー・ファーストにしてほしいということだ。これらの設計を決める上で、それがないがしろにされている(あと多分メカニック・セカンドにもしてほしいかな)
  • インテグレーテッド・ハンドルのスッキリした外観自体には反対しないよ

機材テストがスポンサードされていないからこそ語れる、正直で面白い内容ですね。確かにハンドルやステムを交換するだけで最近は数時間かかる、というのは誇張ではないですし、ハンドルを上下にティルトできないものも確かにありますね。その中でもハイエンドのTrek MadoneやCannondale Topstoneが高評価なのが印象的でした。

Trek Madone Madone SLR 9

Madone SLR 9 © Trek

インテグレーテッド・ハンドルのバイクが主流になりつつあるのは、ユーザーがその外観を求めたからではないか、ということですが、結果として追加のフィッティング費用が発生し、ショップも初回販売時にはこれまでよりもコスト(作業時間)が増える。このあたりは何とかしてほしいね、という感想も考えさせられました。頭を悩ませているショップはやはり多いのでしょうか。
 

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

マスターをフォローする
CBN Blog
タイトルとURLをコピーしました