Tips & How-to

冬のライドで足が冷えないようにするためのベストプラクティスを教えてください【足はなぜ冷える?】

いろいろな対策をしても、冬のライドでは1.5時間もすると足が冷えてしまいます。みなさんの「ベストプラクティス」は何ですか? という質問を海外掲示板で見かけました。どんなベストプラクティス(=自分にとっての最適な手法。日本でもビジネスシーンで使われることが増えた横文字)が寄せられているのか、一緒に見ていきましょう。

bike in the snow

photo by Dave Haas

出典 What’s your best practices for cold feet’s during winter rides?

以下、目立ったコメントをピックアップしてみました。

  • (スレ主さん)二重ソックス、ケミカルウォーマー、シューズカバーと登山用GTX(=ゴアテックス)シューズを試していました。それでも1.5時間後には冷気がとても不快になってきます
  • 2時間のライドの後では、冬用サイクリングシューズを買うのが実際のところ唯一の選択肢です。あるいはフラットペダルに換えてスノーブーツを履くか(23いいね)
  • ソックスを履いた爪先をマイラー(Mylar, エマージェンシーブランケットの素材)のシングルレイヤーでラップしてから、バイクシューズに入れます。すると通気性も保ったまま冷気を遮断してくれて、熱を反射で足に戻してくれるという驚くべき仕事をしてくれます。どういたしまして(26いいね)
  • マイラーを使うアイデアについては、GCNが緊急時はポテチの袋が使える、と言ってましたね。私の場合、問題なのはいつも手のほうです。ある年、体幹にレイヤーをもうひとつ加えるというコツを教えてもらいました。あの「オーバーヒート」状態になると、身体が温かい血液を末端に押し流してくれるのです。天と地ほどの違いでした(3いいね)
  • フィットの良いウールソックスとシマノのウィンターブーツ、以上。長距離のエンデュランスライドなら、もう一組くらいソックスを持っていき、交換する。ソックスについては、かさばるものをブーツの中でタイトフィットに履いてはいけない。通気性と暖かさのためには空間が必要だから(11いいね)
  • メリノウールのソックス。サバイバル的な解決法(ghetto solution)であれば、ビニール袋をソックスの上に履くと素晴らしい仕事をしてくれます(14いいね)
  • スーパーのビニールのレジ袋はあまりに過小評価されていると思います。シューズに足を入れる時に、(袋の)隅っこを踏んで入れて、余りはハサミでトリムします。シューズカバーを持っていなかったり、持っているけど見つからなかったり、急に必要になった時でも、レジ袋はいつでも手に入ります(8いいね)
  • ゴアテックスのウィンターシューズにダブルソックスです、コットンの薄いものと、ウールの厚いもの(2いいね)
  • 二重ソックス。薄くて軽いスポーツソックスをメリノウールのソックスの下に(2いいね)
  • 冬のシューズは、ソックスを余分に履いている時でも爪先を動かせるくらいの余裕が必要です。そうでないと血流が遮られて足が凍ってしまいます。暖かい季節にフィット感が良いシューズは、寒冷気候には小さすぎます(3いいね)
  • 厚いインソール。金属製のクリートからどれだけ冷気が足に伝わってくるのかと驚きます(1いいね)
  • 本当に寒い日には、下が薄いメリノウールになっている電熱ソックスを使います。さらにシューカバーを2レイヤー。これでマイナス12度のロングライドも走れました(1いいね)
  • むかしのサッカー選手は足にペッパーを振りかけていたそうです。スレ主さんの場合でも有効かもしれません(1いいね)

様々な意見が寄せられていますが、コメントの背後にあると思われる考え方を考察してみます。

  • 足からの発熱を反射させて足に戻す方法がある(マイラー、ポテチの袋)
  • 手足の末端に血が回らなくなるのも原因のひとつだから、腹巻きで体幹を過剰に温めることで血を末端へと押し出す
  • ピッタリフィットのシューズを使うと、暖かい空気(デッドエア)が滞留する空間がないので余裕があったほうがいい(※空気は断熱性が高い)
  • メリノウールのソックスは吸湿性が高いので足の汗冷えを防止する効果がある
  • ビンディングペダルの金属製パーツは熱伝導率が高く、熱が移動してしまう。厚手のインソールを使うと断熱できる
  • 胡椒・唐辛子系のものをふりかけると血流が改善されて暖かくなる

ということかなと思います。さらに抽象化すると、

  • 温かい血液を末端に送るための工夫をする
  • 足の熱がシューズの外側に移動しないための工夫をする
  • 熱を滞留させるための工夫をする
  • 気化熱で足が冷えないような工夫をする

といったことが言えるでしょうか。単一の方法でうまくいかない場合があるのは、冷えには異なる複数の原因があるから、のように見えます。「冷えの原理」を考えていった上で、自分に有効な「合せ技」を開発していくのが良いのかなと思いました。皆さんの工夫もありましたら、是非教えていただけると幸いです。

関係のありそうな対策アイテムを下にピックアップしてみたので、ご興味のある方はチェックしてみてください。「腹巻」は最近この記事でも話題に取り上げましたが、単純にお腹を温めるという効果以外にも血液を末端に送る効果もあるようですね。なかなか深い話だなと思いました。あとは頻回に食べるのも個人的には大事かなと思いました(発熱するため。しかし限界はありますね)。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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