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日焼け止めのなかった時代のロードサイクリストは皮膚がんにならなかったのでしょうか?【豆知識】

日焼け止めが登場するまで、ロードサイクリストはどうやって生き延びることができたのでしょうか? という質問スレッドを海外掲示板で見かけました。そもそも日焼け止めはいつ誕生したのか、SPF値の高い製品の効果はどうなのか、等々「へぇ〜」な豆知識が含まれていたのでご紹介します。

cyclists

photo by pixabay

出典 How did the road cyclists managed to survive before the advent of sunscreen?

以下、目立ったコメントから抄訳します。

  • (スレ主さん)彼らは皮膚がんで死んでしまったのでしょうか? 皮膚がんで亡くなった著名サイクリストは思い当たらないのですが、いまよりもずっと多かったはずです。私の父は90年代に熱心なサイクリストで、私の記憶では、日焼け止めを塗るのは男らしくないことで、真のサイクリストは使わないものだ、という雰囲気だったと思います。それに使っていた人でも恩恵は少なかったと思います、というのもSPF値の高いクリームやローションが出たのは比較的最近になってのことだからです
  • 👑 プロはあまりに速すぎて、紫外線は触れられもしないのさ。俺は1時間おきに塗っている。皮膚がんに興味はないし、50歳になった時に80歳みたいな見た目になりたくはないからな(230いいねの大人気コメント)
  • 古いツール・ド・フランスの写真を見れば、多くの選手がロングスリーブのシャツやロングパンツなのがわかりますよ。私は外にいる時はいつでも100%ロングスリーブです、ランの時もバックパッキングの時も含めて(138いいね)
  • 私は朝か夕方に乗っています、その頃はだいたい紫外線が少ないので日焼けしにくいです。昼に乗る時は日焼け止めが必要ですね(42いいね)
  • タイトルを二度見して90年代の話をしているのに驚いたのは私だけではないですよね? 1930年代とか40年代のサイクリストの話かと思いましたよ。高SPFの日焼け止めは90年代には出ていました(34いいね)
  • 90年代には高SPFの日焼け止めがありました、ずっと高価でしたけれど。しかし高SPFは塗り直しより重要だとは思いません。今日では30でも私には十分以上です(27いいね)
  • 日焼け止めは1920年代に発明されました。当時の人間の一般的な寿命は、様々な理由で今よりずっと短かいものでした。SPF値は収穫逓減が発生する対数スケール上のものなので(they work on a logarithmic scale of diminishing returns)、15だとおおむね95%削減ですが、60でも98%です。ですから、1960年代や70年代でも、SPF15をつけていたらずっと良い効果があったでしょうね(39いいね)
  • 高SPFはそれほど良いものでは全然なく、メリットもない、100以上のSPFはどれも何らの理由で良くない、という研究がありました。店頭で売っているもののSPFの数字がガタッと落ちた時があるのを覚えているのですが、それが理由だったのかなと思います。かつてSPF 100+がポピュラーで、よく売っていたのですが、ある年に100+が消滅して、最高は覚えている限り60、それか75が上限になりました。十代の頃の話なのでよくわかりませんが、何かあったのだと思います(5いいね)
  • (上の人に)ひとつ考えられるのは、ハワイのような場所で禁止されたのです。サンゴ礁が死ぬという理由で(5いいね)
  • サーファーはむかし高亜鉛・チタンのホワイトクリームを使っていました(4いいね)
  • 私が90年代に一緒に乗っていた人たちは皆、日焼け止めを使っていました。日焼け止めが一般的なものになる前は、人は日焼けしていましたし、それはダメージを受けた加齢した肌になり、皮膚がんになり、死んでいました。しかしその前に、喫煙による肺がんにやられるのが普通でした(43いいね)

「収穫逓減をともなう対数スケール」という難しそうな表現が出ていますが、簡単に言うと「数字が大きくなればなるほどその効果も線形に比例して大きくなるわけではない」ということかと思います。

「高いSPFの日焼け止めを一回だけ塗るよりも、数字は低いものでもいいからこまめに塗るのがいいですよ」という話はよく耳にしますね。また、肌へのダメージも大きいからウェアで保護するのが好みだ、という意見も見かけます。

日焼け止めが普及する前の世界はどうだったのか。かつては50歳になる頃には、ふつう人は繁殖活動はとっくに終えていて現在ほど美容を気にすることはなかったのだろうか、と思ったりします。亡くなるレベルの皮膚がんが出るまで長生きする人も少なかったのでしょうか。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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