サイクリング

兵庫県淡路島!首都圏から、「日帰りアワイチ」できるかな?

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最終試験の最終ターンで妹に逆転されて1位が取れない、無能新参Pのnadokazuです。

全力を出して走る 倒れるまでは
(ペース配分不要なんです)

というわけで、本日の駄文はこちら!

B G M 学園アイドルマスター オリジナルサウンドトラック

行かねばならぬ。淡路島に!

2023年に引き続き、2024年も「サイクルボール」で遊んでいます。

  • 期間中はいつ走ってもいい!
  • 専用アプリを入れて事前エントリーするだけで準備完了!!
  • 参加費無料なのに、もらえる賞品は豪華絢爛!!!

という、もはや「参加しない方が損」と思わせるだけの企画です。

「設定されたルートに沿って、途中でチェックインしつつ走るだけ」で、初めて行く場所も見どころをキッチリ抑えられる。そのうえ走り慣れたエリアでも、新たな発見(「例:こんな激坂知らない…聞いてない…」など)ができてしまいます。

自分みたいな「ルートプランニング能力なし!」「土地勘なし!」「脚力と友達もなし!(号泣)」という底辺ぼっち自転車乗りには、最適で最高の企画と言うほかありません。主催のルーツスポーツジャパン様と関係者の方々には、脚を向けて眠れないです。

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さてさて、そんなサイクルボールの2024年シーズン(Season V)では、淡路島一周「アワイチ」がコースのひとつに登場しました。

淡路島って横浜住みの自分にとって、あまり積極的に「行こう!」とは思えない場所でした。なにしろ首都圏から大阪以西に遠征するとなると、その時点で「宿泊あり」というプランが前提になります。そうなると「しまなみ海道」という強力すぎる行き先候補が立ちはだかって、他の選択肢が消えまくりますから。

なかなか行き先候補には挙がりにくい → 情報収集もしない → 魅力に触れる機会が無い → 行き先候補に挙がらない 

そんな負のスパイラルまっただ中にある淡路島には「明石海峡大橋を渡った先にある、結構大きな島」ぐらいの印象しか無かった、というのが偽らざるところ。けれどコースのひとつになったからには、行かないわけにはいきません。

これまで完全にスルーしていたエリアにも、きっちり目を向けさせてくれる。「サイクルボール」、マジおすすめです。

首都圏エリアから淡路島、日帰りできる?

さてさて、そんな淡路島に遠征を考えたとき大きなネックになるのが「泊まりになること」でしょう。ホテル代の負担で困窮を極めるだけでなく、土日の両方を自転車遊びに使ってしまうと「平日に溜めまくった掃除洗濯どうすんの!?」とか「週末の買い物どうすんの!?」という切実な問題も発生します。

日帰りできると嬉しいのですが「横浜出発で淡路島を一周して当日帰宅」って、実際に可能なのでしょうか?

最初は「絶対にムリでしょ、そんなの!」と思っていました。

けれど時刻表とにらめっこしてみて、考えを改めました。結論から申し上げると「やってやれないことはない」です。

首都圏から淡路島、日帰りプランはこんな感じ。

淡路島日帰りプランには、必須条件がひとつあります。それは新横浜駅を6時ちょうどに発車する、「ひかり533号」に乗車すること。

この「ひかり533号」は小田原駅と静岡駅に停車するにもかかわらず、同じ時間に東京駅を発車する「のぞみ1号」に姫路駅までずっと先行し続けます。「のぞみ1号」がひと駅手前の新神戸に到着する8時36分には、淡路島の最寄り新幹線駅である西明石に到着してしまう驚異のスピード。なんでも界隈では、「最速のひかり号」と呼ばれているのだとか。

そしてGoogleの検索結果によると、西明石駅から淡路ジェノバライン明石港乗り場までは距離約4.5kmで所要時間19分。輪行解除の時間を勘案しても、9時30分出港の便に余裕で間に合うでしょう。午前10時には、アワイチがスタート可能。

そして岩屋港19時40分発の便に乗船できれば、西明石駅20時54分発の「こだま863号」と「のぞみ64号(新神戸で乗り換え)」を乗り継げば当日に帰宅できます。

淡路島を一周すると、走行距離は約150km。10時スタートなら、タイムリミットまでは9時間40分あるので、平均時速16kmで走行すれば間に合う計算です。これなら「新横浜出発で淡路島日帰り」は、普通に現実的だと言えるでしょう。

東京から「のぞみ」の始発を使うと?

ちなみに東京駅6時始発の「のぞみ1号」だと、接続する緩行がないので新大阪駅で新快速への乗り換えになります。明石駅には、9時17分の到着。輪行解除や切符購入の時間を考えると、9時30分発の便に乗船するのはかなりキツそう。そうなると、次は10時30分までフェリーがありません。

アワイチがスタートできるのは、11時頃になるでしょう。

そこから150km走って19時40分発の便に間に合わせるには、平均時速18kmでの走行が必要。登坂でのペースダウンや、休憩時間を考えると正直不安です。

日帰りプランで行くなら「土曜日」!

いずれにしても「首都圏から淡路島、日帰りも不可能じゃない」というのは、間違いのないところ。なのですが、日帰りプランに余裕はまったくありません。「パンクひとつで行程崩壊!!」とか「ゆっくり食事してたらタイムアウト!!」という危険性を、大いに孕みまくりです。

たとえば「月曜朝イチから抜けられない会議(クライアントの偉い人が参加)があるけど、日曜に日帰りでアワイチしちゃうぜ!」とかは、相当に危ない橋を渡る行為だと言えるでしょう。前泊もしくは後泊する行程を組むのが、堅実ではあると思います。

実際にアワイチしてみた。

前日は高松でイベントに参加したので、高速バスで移動して明石のホテルに前泊。フロントで「輪行袋に入れても自転車持ち込み不可(サイトのどこにも書いてない)」と言われてホテルの前の公共駐輪場に自転車を置かざるを得ず、まったく心の安まらない一夜を過ごしました。

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必要以上に早起きして、始発便(土日祝日は6時30分)の1時間以上前に淡路ジェノバラインの明石乗り場に到着。ここにはコインロッカーも設置されているので、遠征荷物を預けておくことも可能です。コレ豆な!

使われているのは、割と大きめの双胴船。船体後部に自転車専用のラックが多数設置されていますから、輪行状態にする必要はありません。

運賃は片道600円+自転車280円で、乗船時間はおよそ15分。明石海峡大橋の下をくぐるので、ダイナミックな景観を楽しめました。

船から自転車を下ろしたら、そのまま走り出します。岩屋港を出てしばらくは、交通量も思いのほか多めで「島に来た!」感は希薄。まぁ陸路で本州とも四国とも接続されていますから、当たり前と言えば当たり前ですよね。

とはいえ沿道にはヤシの木が並び、リゾート感は最初からクライマックス。ヒャッハー!バイブスあげてこー!! 脳内はもう、たいへんな盛り上がりです。

なんですが「この先に4つのキッツイ峠越えがある」という現実が、暗く重い影となってのしかかってきます。即座に意気消沈。

スタートから数十キロは少し内陸に入り込む部分はあっても、かなりの区間が左手に海の眺めを楽しみながら走れる道。そして多少のアップダウンはあるものの、基本的には平坦路です。交通量の多さだけは気になりますが、サイクリングルートとしては上々と言えるでしょう(謎の上から目線)。

岩屋港からおよそ40km先の洲本エリアを抜け、だんだん周囲の緑が濃密になってきたなぁ…と思ったところで最初の登坂が唐突にスタート。

四天王のひとりが、いよいよ登場。ついに、坂との戦いが始まりました。

アワイチって、どれぐらいキツかった?

RWGPSの「アワイチメインコース」によると、距離149.3kmで獲得標高1,724m。スペック的には、ちょうど「アルプスあづみのセンチュリーライド(AACR)」と同じぐらいに思えます。

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「じゃあ、完走楽勝じゃね?」とか思っていたのですが、それが大間違い!

私は思いっきりアワイチを舐めておりました。AACRよりも、明らかに難易度が高いです!

その理由は、単純かつ明快。結構な登坂が、何度も登場するから。AACRにもキツいポイントは複数ありますが、ドギツイ思いをするのは青木湖エイド前の10%超えと佐野坂の登り返しぐらいに留まります。ですが、アワイチはレベルが違いましたよ。ええ…。

キツい坂が4カ所…どころじゃない!しかも!!

雑に下調べした限りだと、アワイチのキツい坂は4カ所あるそうです。

「4回の登坂地獄を耐えきれば、あと平穏無事に走れるはずだ!」

こんなふうに思っていたのですが、あっさりそげぶされて完全終了。それもそのはず。坂がキツい区間は、4カ所どころじゃ全然ない!RWGPSの高度表示を見てみるとわかるのですが、恐怖のトゲトゲがあちこちに乱立しています。

それだけではありません!

アワイチで貧脚ぼっちサイクリストの行く手を阻む坂どもは、ハッキリ申し上げてどいつもこいつも「性格が非っっっ常に悪い」のです。

「キツい登坂がようやく終わった…」

と安堵した直後に「ハイもう一度登坂ね!ザンネーン!ざぁーこざぁーこ(嘲笑)」という、騙し討ちを何度も何度も食らわされました。悪魔か!?

そのうえ「距離はそう長くないけれど、キッチリ登坂させられる」というレベルの、ザコキャラみたいな坂も幾度となく登場。地道に脚を削ってきやがるので、心身ともにまったく休まりません。

気付いたときには「メンタルとフィジカルの両面に大ダメージで瀕死状態になっている」という、陰湿きわまりない攻撃性を発揮してきやがるのです。人の心とか…ないんか?

もちろん、そんなのは自分自身の脚力の無さと、豆腐より脆いメンタルが原因であることは間違いないのですが「それはそれ これはこれ」です。

というわけで「淡路島の海沿いを一周する自転車専用の平坦道路を、国家予算を投入して建設すべきである!」という思いを新たにしました。

アワイチのハイライトは?

憎き坂どもに、ズタボロにさせられるアワイチ。ですが「こんなところ、来るんじゃ無かった…!」とは全然思いません。むしろ「また来てぇ!!」と、強く強く思います。

個人的なアワイチのハイライトは、最初の坂地獄「立川峠」を下った先にある海沿いの平坦区間。海をすぐ隣に見ながら、約13kmのフラットロードが続きます。

キラキラ輝く海に浮かぶ沼島と、遠くにうっすらと見える四国。そしてどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも続いていく、坂の無い道。そのうえ、クルマ通りも少ないときています。

なにこれ!ここ最高じゃん!
素晴らしいぞう!ブラボー!ブラバー!!ブラベスト!!!
心の中で歓喜の歌が高らかに流れ始め、口元が勝手に弛みます。

走ってるだけで、ここまでハッピーになれる場所なんて、そうあるものではありません。性格の悪い坂に幾度となく苦しめられようとも、ここを走るためだけに首都圏から淡路島まで遠征する価値があると断言します。淡路島サイコー!!

この13kmを走っただけで、淡路島のことを無茶苦茶気に入りました。ここを、日がな一日往復して過ごしたいっ!!

(走りきった後に、地獄の激坂が登場することは記憶から消しました)

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アワイチの終盤戦は、ちょっとダレる。

絶景と平坦のダブルハッピー状態で走ったあとは、あとは絶え間なく出現する坂にボッコボコにされながらの走行です。そして、坂の性格が凶悪なのは前述の通り。西側の海岸線まで出れば、海沿いのフラット区間も出現してくれます。このエリアを沈む夕陽を眺めつつ走れたら、超絶ハッピーになれたんじゃないかなー。

そして岩屋港手前のラスト25kmは、「消化試合」な印象がとても強いです。楽しげな観光施設が多くて賑やかなのは非常にイイ感じなのですが、そこは「ノールック歩行者」に「ノールックレンタサイクル」に「ノールックシェアカー」が、どこからともなく飛び出してくるデスゾーン。

「早く通過したい!」という感情だけに支配されて、ここだけはあまり楽しくは走れませんでした。

アワイチの走行時間、実際のところは?

遠くに見えた明石海峡大橋が間近に迫り、その下をくぐってしばらく走ると岩屋港。ようやく、アワイチのゴールです。お約束のアワイチモニュメントで記念撮影をしたら、ミッションコンプリート!

7時に出発して15時15分頃に戻って来れたので、所要時間は8時間と少々。「思っていたよりは早いかも?」と思いましたが、そういえばゴールを焦るあまり昼食がキチンと食べられていません。

まぁ貧脚が小径車で走ってコレなので、普通の脚力をお持ちの皆さんがロードで走れば休憩をしっかり取っても同じぐらいの時間で走れるはずです。

ゴールしたあとは淡路ジェノバラインに乗船して明石に戻り、途中で銭湯に立ち寄って汗を流したあと西明石駅まで自走して輪行帰宅しました。

ちなみに帰りの新幹線で車両最後尾の座席が空いていたのは、編成の端っこもいいところの15号車だけ。150km走った後でホーム中央からほぼ先端まで自転車を運ぶのは、下手な登坂よりずっとずっと堪えましたよ…(吐血)。

まとめ:淡路島はアクセスの良さとサイズ感が魅力的!

淡路島は、立川峠の先にある海沿いの平坦区間が最オブthe高。これはもう、何度でも語りまくりたいところ。

そして個人的に魅力的だと思えたのが、「島のサイズ感」。

これは完全に身勝手な感覚でしかありませんが、伊豆大島は「ちょっと小さめ」です。走り終えたら、時間を持て余しがち。とはいえ佐渡島クラスになると「巨大すぎ」て、今度は一周するのが途中泊を検討するレベルの大仕事になっちゃう。

淡路島ぐらいが「島を一周する」というサイクリングに、適したサイズ感なのでは?と思わずにはいられません。

あと淡路島は「島なのにアクセスがべらぼうにイイ」ところも、ストロングポイント。淡路ジェノバラインに大阪からのフェリー、そしてお金に糸目をつけないのであれば、新神戸や西明石からレンタカーを使って陸路でアプローチすることもできます。石油王なら、タクシーだって使えるでしょう。明石海峡大橋の偉大さを、思い知らされます。

淡路島一周は思った以上にキツかったけれど、想像よりもずっとずっと楽しめました。

「逆向きに回ったらどうなの?」「洲本出発だとどんな感じ?」「内陸部を走るとどうだろう?」などなど、興味が尽きません。

それにしても!

淡路島といい小豆島といい、瀬戸内には本当に魅力的な島々が粒ぞろい。そんな場所へ気軽に走りに行ける近隣エリア在住の皆さんが、本当にうらやま…あぁああ妬ましい! 妬ましい! 妬ましい! 妬ましいいいィィイィイィィィーッ!!

あら失礼、私とした事がつい…取り乱してしまいましたわ。

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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