スマホ画面に 浮かんできえる
欲しい あん用品の カゴめがけ
ポチれ! ポチれ! ポチれ!
おいらにゃ のけものの血が騒ぐnadokazuです。
というわけで、本日の駄文はこちら!
自転車泥棒は魔族。
きわめて真摯な勤務態度で業務に取り組みながら、X(旧Twitter)のタイムラインを眺めていると時折目にするのが「自転車盗難ツイート」。他人事ながら、見かけるたびに胸が強く痛みます。
警視庁の資料(令和5年版)によると、自転車盗は27,174件。
未届けの分は入ってないうえに警視庁管轄下の件数でしょうから、夥しい数の自転車が盗まれているというのが現実です。夢じゃありません…!現実です…!これが現実…!
もう数十年前のことですが、自分にも覚えがあります。通学に使っていた自転車を、駅の駐輪場で盗まれました。そのときのショックと失望、そして犯人に対するドス黒い感情は今でも鮮明に思い出せるし、これからも消えることは無いでしょう。アウラ様と同じ目に遭わせてやりてぇ、ぐらいの感情はいまも普通に湧き上がります。
自転車乗りにとって、自転車はただの移動手段ではありません。向かい風、坂、雨や雪の中を一緒に走り続けた(まさか3月下旬のブルベで雪に降られるとは…)、大切な大切な相棒です。もはや、自分の身体の一部みたいなもの。それを理不尽に奪われるなんて、経済的な側面はもちろん感情的にも耐え難いものがあります。
自転車泥棒は、全員魔族。つまり、言葉の通じない猛獣。黒光り生物G同様に、発見次第ゾルトラークすべき存在です。とはいえ法治国家に居住する一般市民(「お前は一般市民じゃなくて底辺市民だろ!」というツッコミ不可)がゾルトラークなんて放ったら、こっちが犯罪者になってしまいます。ぐぬぬ。
浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ。いったんライドに出かけたら、帰宅するまでいつ何時も気は抜けません。
Apple AirTagに足りないもの。
プロ魔族に狙われたら、どんな対策を講じても意味ナッシング。それはわかっているけれど、せめてもの自衛策は講じておきたいところ。少なくとも「これだけ対策したのにやられた」という自分への言い訳ができるので、万一の際の心理的な負荷はホンの僅かだけ軽減できるはずです。
そこで誰もが思いつくのが、AppleのAirTagをはじめとするGPSトラッキング機能を持ったデバイス群の活用。自転車にAirTagを取り付けるための製品も、各社から発売されるようになりました。
けれどAirTagを自転車に取り付けていたところで、盗まれてしまったら、その時点で試合終了なんですよね。GPSで追跡して万一発見できたとしても、取り返すためにはどえらい負荷を強いられるのは間違いありません。
こと「盗難被害」というケースに限ると、AirTagの「被害を受けてからでないと役に立たない」という点は致命的なウイークポイントです。
自衛のために最低限必要な機能は?
GPSトラッキングデバイスを付けていたところで、「盗難後に位置を特定できるかもしれない」というだけ。そうなる前に、盗難の可能性をほんの少しでも下げるための「抑止効果」を持ったデバイスでなければ自衛にはなりえません。
この抑止効果を発揮させるために、最低限必要なのは「振動検知アラーム」機能だと考えます。本当は自転車泥棒が愛車に触れた瞬間に、アゼリューゼを発動させて「自害しろ」と命じるぐらいの機能が欲しいところではありますが。
それはさておき振動検知アラーム機能があれば、コンビニでの駐輪中などに誰かが自転車を動かそうとしたら、そこそこの音量でアラームが鳴ります。施錠してあればすぐには乗り逃げもできないので、出来心魔族であれば立ち去ってくれることが期待できるでしょう。
この振動検知アラームを持った自転車用デバイスとしては、「AlterLock」と「Knog Scout」が個人的なツートップです(「それしか知らないだけだろ!」というツッコミ不可)。
これまで「Knog Scout」を使っていて「AlterLock」のほうにはご縁がなかったのですが、JapanPeaks制覇の賞品としてタダで貰えちゃいました。タダですよ、タダ!!
▼ 参考記事
そもそも参加費が無料のイベントなのに、この賞品はありえない豪華さです。ありがたすぎて主催のルーツスポーツジャパンさんと商品を提供してくれた株式会社ネクストスケープさんには、脚を向けて寝られません。
この2つの製品の違いについては、マスターさんがすでに記事を書かれているので、そちらをお読みください。以上!終了!!
▼ 参考記事
「AlterLock Gen2」と「Knog Scout」を、実際に使って比べてみた。
というわけで、「AlterLock Gen2」と「Knog Scout」を実際に使い比べてみました。シチュエーションとして想定したのは、「サイクリング中のコンビニ立ち寄り」。
一緒に走る友達がいらっしゃる方なら「どちらかが自転車のそばにいて監視する」だけですが、自分みたいなぼっち自転車乗りはいつでもソロサイクリング。「コンビニで補給するために、少しだけ自転車から離れる」みたいなシチュエーションが、割と避けられないのです。
で、いろいろ試して痛感したのは以下の2点。
①端末への通知機能は、無意味なシーンが多い。
「AlterLock」も「Knog Scout」も、振動を検知したら端末に即時通知する機能を持っています。「AlterLock」のプロモーションでもこの機能だけを取り上げる紹介動画があり、割とウリのひとつになっている印象。
なんですが、この機能は動作範囲がかなり限定されます。端末との通信にはBluetoothが使われていて、接続状態で無いと機能しません。classの情報が無く、理論上の通信可能距離は不明。実際に近所のコンビニに行って試してみたところ、駐車場の脇に自転車を置いて店内に入り奥のお手洗いの手前ぐらいで接続があっさり切れました。
また鉄筋コンクリートの建物だと玄関ポーチに自転車を置いて部屋に入ると、リビングに行くだけで端末との接続が途切れます。
ダ メ じ ゃ ん ! ! ! !
目視できちゃうような距離でしか通知が来てくれないので、この機能が役立つのは公園でお手洗いに入ったときぐらいでは?
②アラーム音が、より大音量なのはAlterLockのほう。
そうなると「AlterLock」と「Knog Scout」も、盗難される前段階で抑止効果を発揮するのは「振動を検知してアラーム音を出すこと」が主体になるでしょう。
このアラーム音はKnog Scoutが最大85dBであるのに対して、AlterLockは最大95dB。「たかが10dBの差でしょ、屋外なら大差なくない?」とか思っていましたが、これは大間違い。10dBの差は、自分の勝手な想像をはるかに超えていました。
屋外で比べても、ハッキリと差を感じるレベルでAlterLockの音量が大きいです。コンビニの買い物から戻って再スタートしようとしたとき、振動検知アラームを切り忘れたらドえらいことになるのはAlterLockのほうです。
使ってみて実感した、それぞれの○と×。
「AlterLock」の○と×
「AlterLock Gen2」は「Knog Scout」に比べてサイズが大きく、装着時は存在を主張しまくる印象です。このサイズだからこその、95dBという音量がある(バッテリーの容量などに余裕もありそうですし)のでしょう。たぶん。きっと。おそらく。
また手持ちのスマートフォンが、AndroidでもiPhoneでも対応可能である点は「AlterLock」が「Knog Scout」に対して有している、明らかな優位点であると言えます。
「AlterLock Gen2」は、位置情報の送受信にSigfoxネットワーク(日本国内では京セラコミュニケーションシステム株式会社が展開するIoTネットワーク網)を使っています。サービスエリア内なら、どこからでも測位データの取得/送信が可能。近くにiPhoneを持った人がいなくても、位置情報がわかります。それこそ人気のない山の中に置き去られても、Sigfoxの電波さえ届けばGPSでのトラッキングが可能。この仕組みのおかげで「AlterLock」はGPSによるトラッキングが機能していることが、iPhoneを使っている自転車泥棒には通知されません。
一方「AlterLock」のネガティブポイントは、GPS追跡機能の利用に対して有償サービスへの加入が必要なこと。使い続ける限り料金支払いが発生するので、これには頭を抱えています。今回、本体と一緒に半年の無料利用権も貰いましたが、それ以降に継続契約するかは正直決めかねている最中です。(※追記あり)
またUSB-Cコネクタのカバーは、本体から完全に分離する仕様になっています。紛失する可能性が、ゼロではありません。というか、自分みたいなへっぽこ野郎は「紛失する可能性がある仕様」になっていたら「絶対に紛失する」んですよ!予備のカバーも付属していますが、予備もすぐ無くしてUSBコネクタをテープで塞ぐことになるでしょう。
あと、AlterLockの専用アプリをいじってみていますが、スマホから本体に向けて現在位置の通知をリクエストする機能はなさそう。本体からの送信を待たないと、位置情報を取得できない仕組みのようです。盗難された自転車が持ち去られて移動している最中の、リアルタイムな位置情報取得は厳しいのかも。
「Knog Scout」の○と×
「Knog Scout」は、「AlterLock Gen2」と比較して筐体がコンパクト。また、イエローのカバーが付属しているので、汚れの防止はもちろんイエロー以外のフレームカラーであればアラームの存在を際立たせる効果も持っています。
USBコネクタ部分が、キャップとカバーで2重にガードされるので防水性は抜群。実際、雨と雪に見舞われたブルベで200km走ったりしましたが(号泣)、異常は一切発生していません。
また本体固定用のボルトの脱着には、付属の専用工具が必要です。プロ魔族でもない限り、専用工具なしでの取り外しは時間がかかりそう。自転車を持っていくのを躊躇う効果が、ゼロではないはずです。
位置情報の取得にAppleの「AirTag」と同じ仕組みを使って、「探す」アプリで管理する。これは「Knog Scout」の最大のメリットであると同時に、最大のデメリット。AirTagにはストーカー防止機能(正式名称は謎)があるので、自転車泥棒がiPhoneを使っていると通知が出てGPSトラッキングに気付かれます。盗難後の追跡には、不利に働く要因になるでしょう。
しかしながら、「探す」アプリでの管理は普段使いでの大きなアドバンテージ。Apple製の各種デバイスに加え、AirTagを取り付けている財布や鍵などと一緒に自転車の位置情報も含めて一元管理できるのは自分のようなズボラ野郎にとって実にありがたい仕様です。
iOSデバイスだけでなくMacOS搭載デバイスの「探す」アプリでも位置情報を確認できますから、Macでの作業中に長期メンテでショップ預かり中の愛車が連れ去られていないことの確認も可能。
移動中の追跡も、ほぼリアルタイムな印象です。飛行機で輪行したときは着陸してスマホ通信OKになったら、すぐ位置情報が通知されて一緒に空港へ到着していることがわかりました。
<追記>Bluetooth非接続時にアラームが発報すると?
AlterLockもKnog Scoutも、スマホとBluetoothでスマホと接続状態になければアラームが発報しても即時通知はきません。
なんですが、ここで両者の機能的な差が際立ちます。
AlterLock Gen2は振動を検知してアラームが発報したことを、Sigfox回線を通じて通知してくれます。これは独自に回線契約をしている、AlterLockならではの機能性。何度か実験してみましたが、アラーム発報から通知までのタイムラグは15秒〜20秒でした。
まぁ少なく見積もっても 本体→基地局→サーバー→基地局→スマホ という通信経路になるでしょうから、これぐらいの時間はかかりますよね。むしろ、「結構速い」と言っていいぐらい。
一方Knog Scoutのほうは、本体とスマホが離れたときに「手元から離れました」の通知が来るものの、アラームの発報があったことを知る術はありません。たぶん。
「AlterLockならBluetoothでスマホと接続されていなくても、約20秒前後のタイムラグはあるものの振動検出の通知が来る」これは、Knog Scoutにはできない芸当です。
あとは「約20秒前後」のタイムラグを、どう捉えるか。
アラームが鳴っているのを無視して乗り逃げられてしまったら、20秒のタイムラグは致命的です。時速20kmで走り去ったとしたら、秒速5.5m×20秒で距離は100m以上。街中だと、どちらの方角に向かったかすらわからないでしょう。
「即時でないなら、通知の意味なくない?」と、ずっと思っていて、この機能についてはまったく注視していませんでした。
なんですが、地球ロックや複数ロック、折り畳み自転車の場合は畳んだ状態にしてロックを併用することで、走り去られるまでの時間は引き延ばせます。その場でハイエースに連れ込まれでもしない限り、現場を抑えられる可能性は高くなるはず。少なくとも「通知が来ない」のと「(タイムラグはあるものの)通知が来る」のとでは、0と1の違いがある。
- Bluetooth接続していなければ、アラームが発報しても通知がこないknog Scout
- Bluetooth未接続でも、振動検出の通知が来る(ただしタイムラグあり)AlterLock
これは、AlterLockに課金する価値が大ありなのでは? と、この項を書いていて(&次項のような経験をして)思いっきり考えを改めました。うしろツムリ(@backwardsnail)様、ご指摘感謝です!
<追記②>即時じゃなくても、アラーム発報通知はありがたい。
GWに淡路島へ行ったのですが、その前日に宿泊したホテルが「畳んで袋に入れたとしても、自転車の持ち込みは一切不可」というポリシーでした。そんなの、サイトのどこにも書いてないよー!
別のホテルを取り直すか…とも思いましたが、空室も予算もなし。結果、ホテルの目の前にある公共の駐輪場に、ひと晩置いておかざるを得ませんでした。部屋は8階で、窓から見下ろすと自転車は見えるのですが、Bluetoothの電波は届きません。折り畳み式フロントフォークを畳んで、固定ピンは手元に保管。さらにワイヤー錠で地球ロックと、2重の対策をしてはいるものの、持ち去られたらそこで試合終了です。
自転車が目視できるホテルのロビーで眠気が限界に達するまで過ごして部屋に戻りましたが、布団に入っても気が気じゃありません。睡眠時間をしっかり確保するために宿泊したのにちっとも落ち着けない。結局、夜明け前に目が覚めてしまい、出発を1時間以上早めるハメになりました。ガッツリ走る前日に、しっかり休めない。これダメでしょう…。
…というような経験をして、思い知ったのです。
「たとえ即時じゃなくても、アラーム発報を通知されるほうが全然いい」。
少なくとも「長い時間自転車から離れる」という事態が想定されるサイクリングなら、AlterLockの方が別格の安心感がある。初回執筆時は継続課金を迷っていましたが、わたくし無料期間終了後も課金契約を継続します…屈します…。
あとですね、以下完全に素人の妄想ですが、追加料金を支払っても全然構わないので「一定時間だけSigfox回線経由で常時接続状態にしておける(=BT非接続でもアラーム発報が即時通知される)オプションプラン」とか、実装できないでしょうか? AlterLockさま、ぜひご検討を!!
まとめ
iPhoneユーザであれば、日常の使い勝手は「Knog Scout」に分があります。そしてGPS追跡機能を使い続ける限り有償サービスの契約が継続する「AlterLock」は、どうしても敷居の高さを感じてしまうことが否めません。
とはいえAndroidユーザであれば、選択肢はAlterLockだけ。おとなしく、AlterLockを使いましょう。
あと追記した項で記載しましたが、AlterLockならBluetooth未接続でも振動検出の通知が来ます。ここ、思った以上に大きな差です。課金の価値もありありです。恥ずかしげもなく手のひら返します。
ただし!
個人的な感覚だと「AlterLock」と「Knog Scout」に期待できるのは、盗難の「抑止」が精々。どうやっても、これだけで盗難の「防止」は無理でしょう。YouTube動画などで、「最強の盗難防止デバイス!」などと喧伝されているのには強い違和感を覚えます。「できること/できないことを見極めたうえでポチらないと、期待外れな買い物になりかない」という点は、ポチる前にしっかり認識しておくべきです。
とはいえ「AlterLock」にしても「Knog Scout」にしても、装着する意味は全然あると考えます。振動検知アラーム、けっこうな音量でピーピー鳴るので作動させたら周囲の注目を集めること間違いなし。アラーム音が鳴動した自転車は、人目があるところからは普通に持ち去りにくいですよね。抑止効果がゼロでないことは、疑いようがありません。自転車から離れるときの安心感は、非装着時よりも明らかに大きいです。
それに愛車の現在位置が気になったら、スマートフォンさえあれば即座に確認できるのは心の平穏維持にとても役立ちます。
スマホにGPSサイコン、リアビューレーダー、電動コンポにアクションカムと電動ポンプ。自転車に取り付ける、電気で動く機械さんの増加傾向は留まるところを知りません。これからは「AlterLock」「Knog Scout」のような、盗難抑止デバイスも追加になりますね。
と、筆を置こうとしたところで、ちょうどAlterLockのGen3が発表!
AlterLock Gen3が完成しました!!
やっと公式発表ができます。開発期間は約1年。量産も完了しているので、前回は予約からお届けまでに相当時間が掛かってしまいましたが、今回は大丈夫です!
基本コンセプトは変わりませんが、性能と耐久性の向上に拘りました。https://t.co/2YSBONGnNp pic.twitter.com/dF28G6r66E
— AlterLock @愛車の盗難防止デバイス (@AlterLockDev) April 26, 2024
通信方式が変わっているし、測位方式もバージョンアップ。そしてKnog Scoutに近い、コンパクトなサイズ感になった印象。どなたか、人柱になりませんかー!?
<追記③>
Gen3の情報が色々出てきていますが、ネガを着実に潰してきている印象。これなら機能差を考えると、月額396円の支払いもかなり妥当に感じてきました。Gen2から乗り換えるだけの魅力も十分以上に…うっ…頭が…!!